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クラスごと異世界転移した俺のハズレスキル『堕落』、実は最強の能力だった。すべてを奪われた俺は、ありえた自分となって復讐する  作者: 黴男
第二章:ハイブ拡大編

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073-サバン攻略準備

翌日、俺は偵察のハイブ生物が持ってきた情報を閲覧していた。

サバンは現在魔王軍の占領下にあり、周辺に魔族の兵士が展開して哨戒にあたっている。

...魔族というものがよく分かっていなかったが、ここに来てようやく理解した。

人の形をしていながら、人間では無い者を指すという事だ。

角や動物の特徴を持っていたり、目が単数、もしくは二つ以上の複数あったり、そういう風な姿形の種族らしい。

その話は一旦置いておいて、都市の様子についてだ。

ハイブ生物どもは脳が発達しているが、都市に紛れ込める小ささの蟲どもはあまり多くのことを覚えられない。

だから、黒田と小林を中継して少しずつ様子を探らせた。


「なるほど、人間は権力者を除いて地下か」

「ええ、魔族は人質として人間を使う気みたい」

「それで都市長は生きてるワケ。最後まで粘ったって聞いてるし、たっかい人質扱いなんじゃない?」


都市長が最優先目標だな。

勇者による治安回復の宣伝に必要だ。

つまり下手に崩すと都市長が殺られる可能性が高まる。


「迅速かつ丁寧に襲撃と分断を行う必要があるな」


俺は呟く。

そうなると、やはり俺が巨大な囮になるのが一番だろう。

花火としては十分役に立つからな、自信はある。


「黒田は殺した魔族を屍兵に変える作業に従事しろ」

「わかった」

「七海は弱めの氷河圏で戦意を削げ。俺が陽動に出た後でいい」

「おっけー」

「小林は...まあ、巣窟内部の蟲を総動員しろ」

「了解」


命令はシンプルなものだ。

あとで追加の指示を出す、何しろ今回の俺はハイブと独立して動くことになるからだ。


「あ、そうだ。攻撃してこないハイブ生物以外の化け物がいれば、できる限り見逃せ。これは全員に同じことを伝える」


俺は指揮官にもなり得る三人に指示を出していく。

ベノムドミネーターではない時の俺は、ハイブ生物に指示を出せない。

だから俺は、この三人を臨時の指揮官として運用する。

元学生とかはもう関係がない、ここにいる三人は勇者チームよりよっぽど知能が高いハイブ生物だからだ。


「ベースが魔物のハイブは小型から中型は街の地下に潜め。道は開けてある」


街である以上は水源に頼る事となる。

だから、水源を辿れば地下から侵入可能路を作り出すことができた。

といっても人が通れる大きさではないんだが。

小型の蟲から中型の動物型ハイブなら通過できる。

メインの侵攻ルートは現在、採掘ハイブがせっせと掘っている。

都市の外周部七箇所に穴を開け、破壊されて現在はバリケードが作られている城壁が無い部分から侵入する。


「小林」

「分かってる」


彼女の傍の何も無い場所が急に裂けて、そこから蟲の大群が噴き出してくる。

グロいどころの騒ぎじゃないが、もう慣れた。

蟲自体の怖さより集合体恐怖症の方が近いな。

噴き出した蟲は命令に従い、水路沿いの路を通って街の中へと侵入する。

魔族も魔力や感覚は敏感なはずだが、地下まで掘られて気付かないのは慢心なのか?

分からない。

人相手と違って、分からない事だらけだ。

「俺」達の知識が頼りだ、聞いてみるとしよう。


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