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クラスごと異世界転移した俺のハズレスキル『堕落』、実は最強の能力だった。すべてを奪われた俺は、ありえた自分となって復讐する  作者: 黴男
第二章:ハイブ拡大編

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067-スキル確認

翌日。

俺はスローマへと戻っていた。

迷宮が崩壊したからだが、今は迷宮は元通りになっている。

コア? とかいうのをはめ直したからだ。

その際に少し興味深い話があったが、これはおいおい話そう。


「さて」


俺は鑑定石を手に持つ。

商人の馬車隊の荷物丸々全てでも足りないほど高価な魔道具というやつらしい。

あの神殿にあったやつと同じだろうな。

これがあれば、能力の詳細を調べる事ができる。

変異していても効果に変化はない、道具自体が優秀なのか、構造が単純な故かはわからないが。


「まずは...」


千葉彩乃か。

俺は黙って立つ彼女の前に出て、その身体に鑑定石を近づける。

石に光が灯り、俺の中に情報が流れ込んでくる。


「...概ね知ってる効果だな」


〈胞子姫(スポアプリンセス)〉の効果は、毒や麻痺といった悪影響を齎す胞子を体内で生成し、吐息に乗せたりして拡散させるものだ。

あまり変化はないな、前と違って目に見えない分凶悪さは増しているが。


「黒田...は、まあ、こっちもそうだよな」


〈死霊統率(アンデス・レギオン)〉から、〈屍蝋兵団(グレイヴレギオン)〉へと変化したが、あまり変わらない。

死体を材料に、より強い兵士を生み出す。

どういう原理かはわからないが...


「坂本が一番変わったのかもな」


以前の戦いをあまりはっきり見たわけではないんだが、確か植物を生やしたり、動物を無から生み出していたはずだ。

それを引き継ぐ形で、〈生命生誕(ゲノムバース)〉は生物やその死体を素体として生物や植物を産み落とせる。

自分を素体にすると、より方向性や身体構造を細かく決める事ができる...というわけだ。


「次。小林」

「...ハイ」


呼ばれたのかと勘違いしたか、彼女が顔を上げる。

整った顔だ、こういう学級委員長タイプって、不細工な奴はまずいないよな。

なんなんだろうな?


「胎(はら)を開け」

「ハイ」


彼女の能力は俺が直接いじった。

〈無限収納(マジック・ポケット)〉は〈無限巣窟(ポケットハイブ)〉へと変化した。

その結果は、俺の目の前で開いた空間の裂け目の先にある。

穴の先は、超広大な別の空間へとつながっている。

中は閲覧注意、無数の蟲やハイブ兵の繁殖巣窟だ。

小林自身も懐胎することは出来るが、移動基地として運用した方が都合がよさそうだよな。


「もういい、次」


俺は杉浦に目を向ける。

直接戦った相手だが、スキルは口から直接聞いた。

迷宮に連れて行かなかったのは、それなりに強いからこそ、都市の防衛に置きたかったからだ。

〈破壊捕食者(ラプチャーイーター)〉は、これまで通り任意の位置...視界の中にある場所を破壊できる。

破壊とは、その場を穿つ見えない魔法の弾のようなものだ。

破壊された対象の情報を、まるで舌で舐め取り飲み込むようにして、杉浦は取り込む事ができる。

ハイブネットワーク経由で情報を共有できる以上、戦うだけでどんどん情報収集が出来る。

都市の住民を的にした実験で、スキルの使用に必要な情報を奪えるのも確認している。


「お前は...まあ、あんまり語る事がないよな」

「グォウ」


西村のスキルは〈獣王(ビースト・)化(シンドローム)〉から〈群獣化(ビーストホード)〉へと変化し、お供を魔力のある限りいくらでも同伴して獣化できるようになった。

個の力は低下したが、数で攻めるハイブのスタイルらしくなったんだろう。


「中島」

「...ハイ」


俺の声に応え、目線が俺を追う。

あの時逃げて行った奴だ。

こいつのスキルは弱体化したかに思えるが、対生物ならよりえげつない性能へと変わった。

彩乃と同じく、胞子をばら撒くが...その胞子は体内に侵入すると、ほぼ兆候を見せずに内部に根を張り、任意のタイミングで体内で凄まじい熱を発し、内側から炎上、もしくは爆破する。

いつかアニメで見た、人間爆弾が可能になるわけだな。


「上野と木下は...まあ、強い...のか?」


どっちも、現状では強みを見出せない。

やはり操作しておけばよかったかもしれない。

上野の〈生体元素(バイオエレメント)〉は、属性を司る蟲を生み出すものだ。

当然魔法は使えるし、耐性は属性に依存するとか。

木下の〈遺伝複製(ジーンレプリカ)〉は、有機物だろうが無機物だろうが、食べたものを体内で復元したり、情報をネットワークで共有できるものだ。

体内で作れるのは便利だが、それ以外は杉浦と被るな...


「よし、解散。各自、日常に戻れ」

「「「「「「「ハイ」」」」」」」


俺は全員に散るように呼びかけて、一人になって少し考える。

手に持った鑑定石をその辺に置いて、誰を連れていくかを決めることにした。

全員は動かせない、怪しまれることになるからな。


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