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クラスごと異世界転移した俺のハズレスキル『堕落』、実は最強の能力だった。すべてを奪われた俺は、ありえた自分となって復讐する  作者: 黴男
第二章:ハイブ拡大編

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061-完全制圧

勇者を抑えた以上、もうこの街にこれ以上強力な対抗戦力はいない。

俺は一言命じた。


『制圧セヨ』


と。

その瞬間、街で大人しくしていた商人の集団はハイブの兵士として任務をこなし始める。

街に散り、戦える戦力を片っ端から戦闘不能へ追い込んでいく。

俺はそれを傍目に、まずは冒険者ギルドを目指す。

街の外向きに作られた、木製の建造物だ。

一見すると他の建物と同じだが、わかりやすく旗を掲げている。


「おい! なんだお前は!」

「...〈侵蝕堕落(フォールンダウン)〉」


議論は無駄だ。

俺はギルド前で話しかけてきた人間を侵蝕し、即戦力としてギルドへ向かわせる。

すぐに悲鳴が響いてくるが、俺は中には入らず直接「根」を伸ばす。


「〈侵蝕堕落(フォールンダウン)〉!」


床を伝い、壁を伝い、中へと伸びた根は大混乱のギルド内の人間を余す事なく堕落させ、ハイブの忠実な兵士へと入れ換えた。

俺は颯爽と中へ入る。

重い木扉の先で、ハイブ兵達が俺を出迎えた。


『『『『『『ゴ命令ヲ』』』』』』

「街ニ居ル敵ヲ制圧セヨ。殺スナ」

『『『『『『ハイ』』』』』』


元冒険者ギルド所属のハイブだからな、一般人ベースより強いだろう。

しかし、この「根」は何なんだろうな。

物理的な障害に阻まれるものの、実体はないようだ。

範囲が狭いのが難点だが、他のハイブを経由して更に伸ばせる。

場合によっては都市中に広げることも可能そうだ、時間はかかるがな。


『南区画ヲ制圧、指示ヲ』

「拘束シテ中央広場ニ集メロ」

『ハイ』


俺は中央広場にて待つ。

多くのハイブ兵が、そこに人間達を運んでいた。


「お前がボスか...俺たちをどうしようっていうんだ!」

「こんな街落としたところで!」

「価値ハ無イ? 違ウナ、〈侵蝕堕落(フォールンダウン)〉」

「何を、ぎゃああああああ!?」


俺にとっては価値がある。

ハイブと化すという事は、即ち誰であってもその役割に即した個体へと変化するという事だ。

生前の良い能力も引き継がれる。

冒険者だろうが奴隷だろうが、王だろうが勇者だろうが、即戦力に出来るのだ。

やらない理由はない。

戦力が欲しい理由も、ただ一つ。

ただ征服し、ただ壊し、ただ殺す。

意味を考えるな、意義を詮索するな。

衝動のままに。


「コノ辺デ打チ止メカ?」

『ハイ。コノ街ニハモウ、生キテイル人間ハオリマセン』


俺はすぐ側に控えていた彩葉に話しかける。

わざわざネットワーク経由で話すあたり、特別な個体という認識はないらしい。

まあ、細かい事はいい。

スローマ、陥落だ。


「迷宮ヲ包囲、監視セヨ! 出口ハヒトツカ?」

『恐ラクハ』

『調査セヨ』


逃げられたらたまらない。

苦労して都市を落としたのも、アイツらが脱出した時の逃げ場を奪うためだ。

できれば迷宮内で仕留めたいが、これまでを考えるとうまくいくとは思えないからな。


『少数ニ別レ、メイフェザーマデノ宿場街ニ潜伏シロ。人選ハ任セル』


もし仮に逃げられても、メイフェザーまでの間に捕まえられればそれでいい。

まだこいつらは本命じゃない。

勇者クラスのスキルを複数確保すれば、本命のあいつらを追い詰める事だってできる。

どんな屈辱だって与えることができる。

.....それがゴールでもないんだが。


『迷宮ヲ抑エル。準備ヲシロ』

『ハイ』


俺は前に出ない方がよさそうだ。

いつも通り、ハイブ軍団で押し通る。

とはいえ、あいつらの事だ。

なるべく殲滅はしているだろう。

だから楽は出来るだろう。

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