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クラスごと異世界転移した俺のハズレスキル『堕落』、実は最強の能力だった。すべてを奪われた俺は、ありえた自分となって復讐する  作者: 黴男
序章

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004-本物のゴミ

結局、その日は豪華な食事を振る舞われて、暖かい寝床で眠った。

次の日、俺たちは訓練がある事を知らされていたので、たくさん食べるような者は居なかった。

楽しそうな奴らの中、俺はもそもそとパンらしきものを食っただけで終わった。

でも、一晩寝て気持ちの整理はついた。

俺は俺にできる事をするまでで、それにスキルの優劣なんか関係ない。

あいつらの中で役に立たなくても、少しは誰かの役に立てるはずだ。

広場に集まった俺たちは、テレンに訓練について説明を受ける事になった。


「今日は勇者様らに、訓練をして頂きます。既に兵士たちが到着していますので、お呼びします」


テレンがそう言うと、広場に鎧を着た男たちが次々と入って来た。

彼らは俺たちと向かい合うように整列する。


「勇者様を試すようで申し訳ございませんが、これから兵士たちと組み手をして頂き、個々人の戦闘能力を測りつつ、不得手な者は追加で訓練を受けて頂きます」

「えーっ」

「あたし達はいいよね、戦うスキルじゃないし」

「申し訳ありませんが、敵は非戦闘員であっても狙って来ます。その際に殺されないための訓練だと思ってください」


文句を先に垂れたのは女子達だった。

まさか自分たちも戦う側に立つとは思ってもいなかったといった風な様子だ。

異世界に勇者として呼ばれた以上、そういう事は確定だろうに。

俺たちは39人だが、兵士たちは40人いたので、1人を座らせて1人1兵士で組分けとなった。


「へへ、お手柔らかに頼むぜ」

「はい」


俺の対面にも兵士が来た。

あまり背格好は高くないが、鎖帷子の合間から見える筋肉は俺には無いものだ。


「では...始め!」

「...「堕落(フォールンダウン)」!」


スキルの使い方は、基本はそう言えば発動するらしい。

つまり俺のはアクティブスキルというわけか。

力が全身にみなぎるのを感じる。


「その姿は...流石、勇者のスキルということか」

「え?」


俺はよく分からず、立ち尽くす。

俺は今どんな姿になってるんだ?


「あははははは! 何だよその格好! 厨二病じゃん!」

「は?」


どんな格好なのか気になって仕方ないが、今は訓練中だ。

俺は兵士に向かって突っ込んで、地面に押し倒そうとする。

だが、変だ。

力負けしている...?


「おい、どうした...? 俺のことはいいから全力を」

「分かって、るけど...!」


ダメだ、全力でも全く勝てない。

身体強化のスキルじゃ無いのかよ!


「ぐぐぐぐぐ...」

「あんた、本当にスキルを使ってるのか?」

「使っててこれなんだよ...」

「弱いな! 体幹から鍛え直せよ」

「......」


押すのをやめて、引いた俺は周囲を見る。

流石に非戦闘員は苦戦しているが、男子組の殆どは兵士を圧倒していた。

まあ、チートスキル揃いだものな...

力でも勝てず、スキルでも勝てない。

結局兵士とは、その後の残り時間で仲良くなれはした。

可哀想な奴を見る目で優しくしてくれたのが耐えられない。

彼はベレックと名乗り、訓練は終わった。

いくつか体術を教えてくれたが、俺の今の体幹じゃ扱えないだろうな...


「(くそ...)」


ネットに繋ぎたい。

あそこだけが俺の心を癒してくれる。

何者にもなれず、他の誰にも勝てない俺が、唯一誰かに勝てるかもしれない場所なのに。

情けない?

ふん、そうだろうな。

人生は勝ち負けじゃ無いかもしれない。

それをそう思って生きられるほど、俺は大人なんかじゃ無い。


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