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クラスごと異世界転移した俺のハズレスキル『堕落』、実は最強の能力だった。すべてを奪われた俺は、ありえた自分となって復讐する  作者: 黴男
序章

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027-復讐への復讐

しかし.....

世界に復讐すると言ったところで、理性的になってみると難しさがわかる。

人間達もそれなりに強いし、あいつらに勘付かれると真っ向勝負ができるかは怪しい。

そうなると、まずは地道に一つの都市を陥落させる事が肝要だよな。


「確か、ここの近くに集落があったような....」

「シュルルル」


蛇の魔物.....メリュジーヌと名付けたそいつが、俺に何か言いたげに鳴く。

発言を許すと、すぐに意図が分かった。


「五層は制圧したか」

「シュル」


頭を下げ、甘えるような姿を見せるメリュジーヌ。

俺はその頭を撫でる。

今、虫共が上の階をどんどんと制圧して巣へと変えている。

死んだ魔物を苗床にしたり、栄養を得て繁殖して卵を産み付け、急速に数を増やしているという。

五層は入り組んでいて狭い、生き残った魔物が複数いたが、主に幼体で今頃は苗床か蟲の餌だ。

残酷だとは思わない。

俺はやると決めたんだ。

だから殺す、完膚なきにまで殺す。


「六層の改装は終わったのか?」

「シュル」

「わかった――――〈堕落(フォールンダウン)〉」


俺は上へと向かう。

そして、そこで変わり果てた六層を見た。

六層の底のように弾性のある床で覆われ、吊り橋は蟲の巣で補強されている。

あいつらの出す粘液を固めて作ったものだ。


「待ッテイロ」


俺は上へと続く長い階段を見つめる。

俺を助けてもくれなかったあいつら。

そして、助けを求めなかった俺。

俺がそうなるように仕向けた環境の全て。

それに甘んじて、それを理由にして生きてきた俺。

全てが憎い。

誰に復讐して終わるという話ではない。

何に答えを見出すかという話ではない。

衝動だ。

無責任だ。


「クソ喰ラエ」


議論をする気はない。

これは哲学ではない。

復讐という言葉に疑念を投げかけるのなら、人間として死んでもらう。


「......」


これは快楽を得るためのものでもない。

虚しさなど自分が一番よくわかっている。

動機が無いというわけでも無い。

所詮成り上がりの戯言と笑うなら笑え。

願望の俺たちは世界を支配した、なら俺にもできる。

全員を堕落させ、世界そのものを堕落させてやる。


『全個体ニ通達スル、俺ハ今ヨリ上デ過ゴス』


俺はベノムドミネーターの能力である生体ネットワークを通じ、全ての支配個体に対してそう呼びかけた。

往復が面倒だからな。

通路が作れれば、メリュジーヌも外に出て来れる。

だがまずは、上層の制圧が急務だ。

多分ここの迷宮は攻略扱いになり、大都市からは大きく離れたこの場所には人が来なくなる。

拠点構築にはもってこいだ。

まずはここを固め、それから大都市を堕落させる。

何度か魔物相手に試してみた結果、俺の〈堕落〉は抵抗というものを相手に許さないようだ。

一度かけて仕舞えば、別次元の同位体に上書きされイフに飲み込まれる。

その結果が、嬉々として上層を侵略するハイブ生物の出来上がりである。

他二つはリスクがあるので、まずはベノムドミネーターとして活動して行こう。

方針は固めた、あとは実践だ。


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