表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クラスごと異世界転移した俺のハズレスキル『堕落』、実は最強の能力だった。すべてを奪われた俺は、ありえた自分となって復讐する  作者: 黴男
序章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/64

013-戦闘開始

二層に降りた俺は、すぐさま戦闘が始まっていることを知った。

といっても、狭い通路で先鋒にいるのはエリート集団。

負けるはずがない。

とはいえガンガン進むので、俺も駆け足で続く。

通路はずっと続き、39人もいるチームはどんどん化け物.....魔物だっけか? を殺していく。

俺は時折立ち止まり、魔物だったものを見る。

焼けこげたり、真っ二つにされたり。

どれも俺にはできないものだ。


「う.....」


焦げたやつからはいい匂いがしている。

逆に真っ二つの奴は鋭い生臭さを放っていた。


「っと」


こみ上げてきた吐き気を飲み込んで、俺は荷物の位置を直して駆けだす。

奥に行くほど強いやつが居るらしく、進んだ俺は後列に辿り着いた。


「すぐ治すから!」

「わりぃ!」


ケガをしたらしい男子が、伊藤に治癒されていた。

当然だが非戦闘員がいるから、後列に移動陣地を作るような形で動いているのだ。

イォルドがそんな事を言っていた気がする。


「お前はいいよな」

「...」


ケガを治してもらったらしい奴が、俺にそう言って前へと出ていく。

ほんとだよ、俺も出来ることなら戦いたいが、俺にその能力はない。

物語ならここで誰かが擁護してくれるものだが、俺に与えられるのは突き刺さる白い視線だけである。

男なのに、戦闘スキル持ちなのに、何より無駄飯食らいなのになんで前に出て戦わないのか。

私たちを守らないのか。

そんな内心が透けて見える。

とは言っても、俺にそんな言葉を投げつける暇はないようで、すぐに視線は逸らされる。


「きついね」

「三層までは地図あるらしいから」


普段交流の無い俺は、会話を拾って情報を得る。

とはいえ得られる情報は断片的で、少ない。

インターネットがないのが原因で、クラスメイト達は何でもかんでもぺちゃくちゃ喋るようになったので、これでも以前よりはマシなのだが。


「怪我人多いねー」

「ね。やっぱり実戦は違うのかも」

「本番は緊張するしね」


そりゃ当たり前だろ、と突っ込みそうになる俺。

俺たちはただの学生だったんだから、戦いなんていきなり駆り出されても苦労するに決まっている。

ただ、こちらには伊藤がいるので、死ななければいくらでも治癒できる。

なので大丈夫だろうと楽観視していた。

正直、こんな迷宮なんてあいつらにとっては前座も前座、これから築き上げていく武勇伝(笑)の前では霞むようなものだ。

それに関われなくて光栄の至りだ。

不思議なもんだな、そうやって割り切ろうとしても、悔しいと思ってしまう心があるんだから。

持たざる者にも、プライドってものはあるらしい。

自嘲気味に自分を見ていると、気分まで迷宮の上のように暗くなってくる。

いや、元々明るくなれる要素なんてないんだが。

どこにいてもあいつらと比較される。

「佐藤君には○○って長所があるよ」なんて言ってくれる大人もいない。

あいつらの傘下に居られなくなったら、俺はどこにも居場所がない。

居場所がなければ、生きていくことも出来ないんだからな。


「後ろに一匹行った!」

「逃げろ!」


その時。

前から声が響いてきた。

そして、列がざっと開いて何かが飛び込んできた。

当然、俺も、そして伊藤達も反応できなかったらしい。


「きゃああああ!!」

「助けて! 伊藤さん、助けて!」


気付けば、身体が動いていた。

何をしてるんだろうなと、俺は思った。

あいつらが勝手に助けるはずなのに、俺は何もしなくてもいいはずなのに。

荷物を放り捨てて、勝てるはずもない魔物に向けて飛び掛かった。


↓小説家になろう 勝手にランキング投票お願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ