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クラスごと異世界転移した俺のハズレスキル『堕落』、実は最強の能力だった。すべてを奪われた俺は、ありえた自分となって復讐する  作者: 黴男
第二章:ハイブ拡大編

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103-魔王国陥落

こうして、グロス・ザクラスは完全に陥落した。

魔王を確保した以上、もうイレギュラーは存在しない。

ハイブ兵による生き残りの徹底排除と、一番大きな避難所をわざと残し、俺が堕落でまとめてハイブ兵に仕立て上げるのが終われば、都市は最早魔族のものではなく俺のものとなった。

同時に、中央と国境を押さえた以上、もう隠れて行動する必要もない。

アルバトロス王国側に魔王国での動乱が伝わらないからだ。

国境を押さえているハイブ魔族と深淵教団が、脱走するであろう魔族を決して逃さない。


「ようやく正しい世界が実現しつつあるな」

「ええ。あなた様のおかげです」


魔王城のバルコニーで、俺は首都を見下ろしていた。

ベルメリアが隣にいて、俺の言葉に賛同の意思を示す。

見下ろした首都には、堕落させた都市から集めたハイブ市民、小林の巣の中での労働階級のハイブ兵、深淵教団の奴隷たちが蠢いている。

これから三つの勢力の拠点となるグロス・ザクラスを復興させている。

何しろ復興など全く考えずに壊し回ったからな。

そこは反省している。


「それにしても、聖堂だけは本当に建つのが早いな」


俺は呟く。

都市の中心部、もともと広場があった場所に聖堂が建っている。

教団員500人程度がグロス・ザクラスに到着してからまだ三日も経っていないが、余った人手だけで作ったんだろうな。

どこにでも聖堂を建てたがる性質(タチ)がある。


「ねえ、あたしは無視?」

「虫ではあるな?」

「....そうだね」


俺は背後に目を向ける。

ふくれっ面の七海が立っていた。

教団員が用意したのか、厚手のコートを着ている。

俺も厚着だ。

格好つけて上に登ったが、魔王国は結構冷える。

これから秋らしいしな。


「地下基地の視察に来たんだろう、どうだ」

「違うけど?」

「そうなのか」

「そろそろ子供が欲しいから来ただけだもーん...」

「そうか」


変異した七海の言う「子供」は要するにハイブ兵になる訳だが...

それでもいいのか?

俺は悩むが、そもそも七海の人生を冒涜したのは俺だ。

魔王の言葉が脳裏にチラつく。


「お前は空っぽだ」


あの言葉。

確かに、腑に落ちた。

俺には何もなかった。

「俺」がだんだんと、俺自身に染み込み始めたのかもしれない。

そういう事は起きると、ドゥームロードから忠告されていた。

俺は七海の手を取った。


「え?」

「やるんだろ、行くぞ」

「ええ~....?」


俺は七海を連れて城内へと入る。

魔族の技術は素晴らしく、城内は暖かい。

とはいえ吹っ飛んだ天守閣は未だにそのままだ。

隙間風が吹き込んでくるだろう。


「人払いはしてある。中へ行こう」

「いつになく積極的~...ホレちゃうかもー?」

「何を今更」


俺は七海を連れて、適当な寝室を探した。

結局見つからなかった。


「使用人の部屋でいいか」

「ムードないなー」


俺は七海の手を取って、使用人室へと入った。

......その後、乱入して来たハイブ兵全員に交尾を迫られることになり、急いで逃げることになったのだが.....まあ、それはいいだろう。

あまり語りたくない。


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