101-魔法+剣VS銃
俺は今、空を飛んでいる。
いや、ベノムドミネーターでも流石に空は飛べない。
じゃあなんでかというと、魔王の必殺技らしきものを食らったからだ。
剣に膨大な魔力が纏わりついて、それを叩きつけられた。
結果として魔王城の天守閣にあたる部分は崩壊し、俺は市街地に吹っ飛ばされた。
あいつは追ってくるだろうな。
「〈堕落〉」
俺は空中で姿を変える。
マイティジェネラルへと姿を変えた俺は、街中へと堂々と着地する。
ブーツと足が完全に衝撃を吸収し、跳ね返った衝撃波が周囲を薙ぎ倒す。
直ぐに魔力感知モードに視界を切り替えて、一番強い魔力反応を探した。
「背後にいるぞ」
「ありがとう」
そして、背後から殺気。
俺は迷わず背後へ撃った。
ブリーチ・ハンドガンと呼称される拳銃で、実質的にショットガンを拳銃サイズに圧縮したものだな。
背後で金属音が響き、俺は振り返ってナイフを抜き、魔王へと肉薄する。
「貴様、その姿は何だ? 魂ごと変わったように見えるが」
「話す義理はない、情報は命で買え」
コマンド・ブレードの一撃は大剣で弾かれた。
あんまり鍔迫り合いに向いていないナイフだから、俺は二回目の衝突を前にしてコマンド・ハンドガンを撃つ。
魔王の張っていたらしい結界に食い込み、止まる弾丸。
「人間どもの銃とやらか...だいぶ威力が違うようだな?」
「答える義理はないと言ったはずだぞ」
俺は前へと踏み込み、魔王の急所目掛けてナイフを突出させる。
当然魔王はそれを見越しているだろうから、手前でナイフを引き、上へ放り投げてコマンド・ハンドガンとブリーチ・ハンドガンを両手で撃つ。
ブリーチ・ハンドガンは両手で撃てって説明書に書いてあったんだが、マイティ・ジェネラルの身体なら問題ないらしい。
「っ! 貴様、やるな!」
「...」
撃ち尽くす気で、逃げる魔王へ偏差撃ちで仕掛ける。
勿論向こうは、こっちに弾切れがあることを知っているし、上に放り投げたナイフの回収の隙を狙ってくるだろう。
「さて」
「そこだ!」
「馬鹿が」
コマンドブレードを回収するために、俺はコマンド・ハンドガンを上に投げた。
ナイフをキャッチした俺に、魔王が襲いかかるが、まだブリーチ・ハンドガンが残っている。
「見切った!」
「ほう?」
俺はナイフをしまってハンドガンをキャッチしようとしたが、それを魔王に奪われる。
引き寄せる魔法か何かを使ったな? だけど無駄なんだ。
「これでお前も...! ん?」
「悪いが、俺以外にそれを撃つことが出来る人間はいない」
「...くっ!」
魔王が放り捨てたコマンド・ハンドガンを、俺は拾ってリロードする。
当然相手がそれを待ってくれるはずもないが、俺は落ち着いて肩の武装を起動した。
「〈スペクトル〉」
「なっ!?」
肩の武装が飾りだとでも思ったか?
確かに、信号弾を打つ装備と化していたが、これも立派な兵器だ。
絞った細いビームが魔王の頭の上を掠め、反射で魔王が退いた所を追撃する。
俺はリロードの完了した拳銃二つと、スペクトルによる掃射でカタをつけるつもりで、撃ちまくった。
だがそのせいで気付けなかった。
魔王が結界を張りながら、何か詠唱していたのを。
魔力の動きがフィルターに引っかかって初めて、俺は魔王が詠唱していたものの正体を知った。
「ち...!」
「...溢れる魔力よ、総てこの剣に宿り放て! バスター...ブレイク!」
魔王が振り下ろした剣から、魔力の塊が放出されるのが見えた。
俺は迷わず拳銃を捨てて、背負っていたバックラーを構え、そして凄まじい衝撃と轟音が襲った。
これは受け切れないな、そう思ったので盾を捨てて上へと跳ぶ。
眼下で大爆発が起き、そして同じく跳躍してくる魔王が見えた。
「(やらかしたな)」
反撃する装備がスペクトルくらいしかないぞ。
なれば、それを使うだけか。
「貰った」
「いいや、貴様こそが終わりだ! ウィンドバースト!」
「風魔法!?」
この軌道は湖直通だな。
湖か...うん、そうだな。
そこでいいなら、受けて立とう。
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