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クラスごと異世界転移した俺のハズレスキル『堕落』、実は最強の能力だった。すべてを奪われた俺は、ありえた自分となって復讐する  作者: 黴男
第二章:ハイブ拡大編

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100-魔王との戦い

俺は魔王がいるらしい部屋を奥まで歩いて行った。

途中分かれ道があったが、無視した。

そして一番奥に辿り着いた俺は、そこで一人の女を見た。

魔族の女だと一目で分かった。

角が最初に見えて、その後に金髪、見たことないくらいでかい胸。

だが、そんな事はどうでもいい。

すごい威圧感を感じ、俺は足を止めた。


「オ前ガ、魔王カ」

「.........」

「ドウシタ? 死ンデイルノカ?」


だったら都合がいい。

俺は根を伸ばそうとして、その瞬間に女が動いた。


「下衆が、私に触れるな」

「フフハハ...」


全く、酷い言われようだな、事実だから仕方ないんだが。

俺は適当に笑って誤魔化し、そして気付く。

会話をどうやって続ければいいかわからない。

このまま襲いかかるのも...どうなんだ。


「...勇者などまやかしに過ぎず、その裏にはお前がいたという訳か。王国がどんな禁忌に手を染めたか知らぬが、余が貴様を許しはしない」

「フフフ...ハハハハ...フハハハハハーッ!」


俺は戯けて笑い飛ばす。

許さない、許さないだと?

お前に何が出来るんだ、ここで勝っても、後に残るのは瓦礫の魔王国だけだ!


「許サナイ、ダト? 笑ワセル。ソンナ台詞ハ、俺ニ勝ッテカラ言ウ事ダ!」

「では、そうさせてもらう!」


魔王が立ち上がる。

その小柄な身体でどうするのかと思ったが、魔法で剣を召喚したようだ。

身体よりでかい両刃の大剣か。

彼女はそれを軽々と俺へ向けた。


「名を名乗れ、下郎。それが最低限の掟だ」

「ヨカロウ。我が名は...ベノムドミネーター」

「...我が名はヴァサーゴ・ノレ・ロー・スジルス」

「随分ト、可愛ラシイ名ダナ」

「そうか? ありがとう、心置きなく────────」


直後、魔王が跳んだ。

普通ならば、言葉を切った瞬間に消えたように見えるだろうが、俺には見えている。

降ってきた剣を、俺は手で受け止める。

勢いを地面に流し、結果として床が陥没する。


「────なっ...成程、単身でここまで来るだけはあるということか」

「挨拶ヲ邪魔シテ、申シ訳ナイ」


俺はあくまで余裕を保ち、謝罪する。

もし俺が本当に強かったなら、きっと挨拶を待ってやれたんだが。

俺は腕に力を込め、無数の触手を露出させる。

触手全てを使い、これからこいつが何をしようと全て迎撃する。


「...貴様、野心も欲望も感じ取れないな。何故ここへ来たのだ」

「ソウカ? 俺ハコノ国ノ全テガ欲シイ。ダカラ来タノダ」

「本当にか?」

「ソウダトモ」


俺はあいつらに復讐がしたい。

徹底的に貶めて、持てない者、成功できない者の気持ちをたっぷりと、しかと味わわせてやりたい。

だからそのために、この国が必要なんだ。


「であれば、私がお前に言い残そう。お前は空っぽだ、と」

「フン」


それらしい事を言いやがって。

俺は鼻を鳴らして、魔王へと今度は逆に仕掛けた。

背後へと回り込み、拳を握り込む。

向こうも見えているのか、なら、腐蝕毒をぶつけてやる。


「守れ!」

「結界カ!」


毒が弾かれた。

だが次の手がある。

俺は背後へ退いて、毒を数発打ち込む。

魔王は毒をかわしながらこっちへ突っ込んでくる。

ま、まずい、格下ばかり相手にしていて、格上相手の戦いがわからない!

再び振るわれた剣を、俺は触手で払い除けた。

続けて飛んできた拳を、掌で受け止め、


「吹き飛ばせ!」

「ナッ...!?」


風の魔法らしきもので吹き飛ばされた。

強い...こいつは、他のどの魔族とも違う。

それどころかまだ本気ではないように思えた。


「もう一度言う、貴様は自分の力に追いつけていない。それに足る野心も、犠牲を積み重ねる覚悟もない。空っぽだ、空っぽの相手と戦うほど虚しい事はないぞ、ベノムドミネーター」


先程と同じ姿で俺に剣を向ける魔王が、俺にそう言った。

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