老人の回想
どうも
今回は回想です
たぶん次回も回想です
〜〜〜〜〜〜〜〜
わしは、かつて長老じゃった。
それも、あまり良くない意味で名を残すことになった長老じゃ。
エルフの里は、人間共の国とは不干渉の、聖なる地。
我らエルフは、精霊たちの遊び場でもあるこの森を、木々を、代々護り育ててきた。
この森に住まうことで、日々大地に、精霊たちに魔力を与え、我らは森と精霊の加護を賜る。
エルフが栄えれば、森が栄える。
森を育て、森に護られる。
森の守り人。
それがエルフ。
だというのに、里一番のわんぱく者共が、揃いも揃って冒険者なんぞになる為に里を出ていった。
それを見送った長老、それがわし。
無論、反対はした。じゃが、あのわんぱく共は強かった。素直に言うことを聞くような奴らでもなかった。止められる者もおらん。
いや、あの頃の若いのが束になってかかれば、或いは止められたかもしれん。
ただ、奴らは里の若いのに好かれていた。カリスマというやつじゃろう。
歴代でも指折りと言われたこのわしも、奴らを止めることは敵わなんだ。
甘さも捨てきれなんだ。
殺すつもりで止めれば、もしかしたら止めることができたのかもしれん。
じゃが、できなかった。
奴らは、わしが育てたのだから。
まあ、じゃから強いというのもあるのじゃが。
あ奴らは皆、才に恵まれ、努力もする良い生徒じゃった。
それがまさか里を出るなどと。
あの頃は想像もしとらんかった。
ふむ、、
そういえば、里の歴史の講義はあまり真面目に聴いとらんかったか。
サボっとったのもおったな、、。
はあぁ。
教え方を間違えたかのぉ。
あのまま里に残っておれば、間違いなく、歴代で見ても最強の世代となっておったろうに。
いや、現に今、最強と謳われておる。まぁ、わしより上のじじ共は、頑なに認めようとせんかったがな。
じゃが、どういうわけか、しばらくしてひょっこり戻ってきおったんじゃ。
あの時は本当にびっくりしたわい。
里中大騒ぎじゃった。
若いもんは大いに喜び、話を聞きたがり、じじ共は頑として追い出そうとしておったな。光の大魔法まで使って。全く、周りの迷惑も少しは考えてほしいもんじゃ。
まぁ、一撃で吹っ飛ばされておったが。
100年近く里を留守にしておった奴らじゃが、戻ってきてさらに強く逞しくなっておった。
外へ出て、それなりの経験をしてきたのじゃろう。わんぱくさはまだまだ抜けきらんが、少しは思慮深さと的確な判断力っちゅうもんを身につけておった。顔つきも大人らしく、中々に良い目をしよる。
一応、手加減ゆうもんも覚えたようでの。
吹っ飛ばされたじじ共も、大して怪我もしとらんかった。
あれだけの大魔法を、完全に打ち消し、その上で怪我をせんように吹き飛ばしておったのじゃ。無駄に器用になりおって。
あのわんぱく共が、本当に大きくなったものじゃ。
そうして、あ奴らが里に戻って30年、40年と、時が経つに連れ、いつしか、あ奴らが里の中心、長老のような役割を担うようになっておった。
元から若いもんらには慕われておったからの。当然といえば当然じゃ。
わしももう齢500のじじになっとった。
里を背負う責も、そろそろ重くなっての。
次の世代へ里を託した。
あの、わんぱく共へ。
上のじじ共も認めはせんかったが、反対もせんかった。
長いようで短かった。
大変じゃったが、本当に楽しかった。
あ奴らのおかげじゃ。
あ奴らなら、安心して任せられる。
まぁ、もう少しくらい大人しくしとってくれてもいいんじゃが。
ただひとつ、あ奴らには渡したくはなかった責。それだけが心残りじゃ。
無論、手は尽くした。
あれが目覚めることだけは、あってはならん。
徹底して可能性を潰した。
同胞を手にかけても。
何かが起こることは、ないじゃろうと思っておった。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
少しでも面白いと思っていただけたら嬉しいです。
それではまた次回!
会えるといいなぁ




