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ヒョウゴと呼ばれていた彼が言った「エンチャンター」。

私はログアウト後すぐにその単語を調べた。


『味方にバフーつまり、強くする効果を与えることができ、逆に敵にデバフーつまり、敵の能力を下げたり、状態異常を与えたりするジョブのこと。ただし、術式が必要になる。その術式の中に自分で考えた呪文を閉じ込め、それを模様にする必要がある。ゲーム内では、エンチャンター専用の書に呪文を閉じ込めれば勝手に模様に返還される。考え方次第で、最強の、または最弱のエンチャントが出来上がる。閉じ込めた書の呪文の上に自分が扱う武器を置けば、勝手にその武器に呪文が刷り込まれ、戦闘時自分が発動したい術式を出せるようになる。ただし、書を捨てる、燃やす、破るなど、自身の身から離れると術式は消滅するので注意が必要』


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・むずっ!

というか、ゲームが「暗記」と「知識」を求めすぎちゃう???

つか、これゲームだよね?勉強じゃないよね?なんで知識必要なの?

ここまでする必要あんの、ゲームだけど??

あ??ゲームですけどなんですか?ってか?????

あーーーーーーーーーーーーーーははははっ!ごほげへっ!!!

やったるわ!

やったるで!!!

私はやってみせる!

そして、最強の「闇のエンチャンター」になってやろうじゃないか、女帝!!!


・・・・・・・・・・・・・・・・・・ん?闇?

私すでにあのギルドへ入る気満々じゃね??



それからというもの私は職場で休憩時間中でも、呪文をひたすらに考えた。

初級は決まりに決まった呪文があるので、苦労はしなかったが、自分好みの模様を作るならそれに見合った呪文と内容が必要になる。

だけど、呪文と内容が難しすぎると模様が複雑化しするぎる。

私が危惧することには「難しい呪文や模様を作成することで、ちゃんとした術が発動できるのか」ということだ。

その術を構築する中で、呪文の意味が変形し自分が思っている「効果」が現れないのではないかと。

だから、私は単純明快・簡潔に考えることにした。

与えたいエンチャント、つまり付与術が「火」を扱えるにしよう。ならば、呪文は「ファイヤーアロー」や「ファイヤーボール」など「火の形が弓矢であったり、球であったり」。つまり、火に形を伴わせるのだ。そして、その火に別のエンチャント、たとえば「強火(つよび)」などを組み合わせしたらよいのではないかと考えた。


それよりも「強火」って料理みたいなので「業火(ごうか)」にしよう。


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