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今、始まりの町の東にある草原にいる。

アーチャーにしてはお粗末な技量を、何とか使えるまでにレベル上げするためだ。

ならば動くもので、強くないモノ、つまり低級魔物で頑張らせてもらう。

が、角うさぎってこんなにすばしっこかったっけ?と思うほど、俊敏に動くのだ。

これが本来は当たり前で私が馬鹿にしていた魔物の力なのだろう。

ほんと、私って「下」に見ることに慣れているのかも・・・・・・・・。

何度も何度も角うさぎを狙うがどれも外れてしまう。

本当に大学時代アーチェリー部に入部していたのかと思うほどに、酷い有様だ。しかも始まりの町では最弱のスライムすらにもかすらない。「打ちぬいたっ!」と思って喜んでも、それは所詮ぬか喜び。スライムはどこかにある「核」を壊さない限り生き続ける。だけどその「核」はスライムと同色でどこにあるのか一目見てもわからない。しかも個体ごとにある場所が違うのだ。あと、的が小さい!!

叩き潰す方したり燃やしたりする方が手っ取り早いが、私はアーチャーだからそんなことはしない。

けど、さすがにここまで低級魔物ですら倒せないとなると、落ち込むわ~~~~~~。

地面に「のの字」を書いて、気持ちを落ち着かせていると背後から

「あらあら才能ないようね、あなた」

闇女帝と下僕たちが現れました。

「スライムすら倒せないのか」

「っ!!!」

「腕は良いようだがな」

「えっ??」

「「「「ん????」」」」

あれ、私「腕はいい」と言われました?貶されるかと思いきや、違いましたか???

「もしかして、あなた動くものに当てるのが苦手なんじゃないの?」

「そうかもしれません・・・・・・・・・・」

「ならば違うジョブを考えた方がいいかもね、このゲームではさ」

たしかにそうかもしれません。

このままではこのゲームで楽しむことはできないと思います。

「ただ筋はいんだよな~~~。あのさ、動くものを殺すことは出来なくても助けるために「当てる」ことはできるんじゃないのかな?」

ガーディアンの彼が私の何かに気づいたようです。

私でもわからない「何か」に。

「あ、それならいいジョブありますよ!!!」

「えっ?あるんですか?」

私はシーフの彼に食いつくように縋りました。

「お、おうっ!じょ、女性にここまで近づかれるなんて姉さん以来じゃねーのか俺」

シーフの彼の表情は真っ赤で、目がキョドッています(笑)

さらに近づくと一歩二歩と後退する彼。

面白すぎます!!

闇女帝はさすがに怒るかなと思いましたが、杞憂でした。ガーディアンの彼に背中を摩られるほど、大爆笑しております。

「姉さん、咽るほど笑わなくてもよくないっすか??」

「いや~~あんたほんと、女慣れしてないのね~~~WWW」

「おいっ!最後(草)が生えてただろっ!!もうっ!!」

「さて、ヒョウゴ、とりあえず本題に戻りなさい」

「・・・・・・・・・・・・めっちゃ普通に『普通』に戻るんかい。ま、それが姉さんですけど。ごほん。君さ記憶力に自信ある?」

シーフの男性が突然真顔で私に迫ってきます。迫ってくるといっても体全体じゃなくて「声」でですよ。あ、誰か変な想像しましたね?この人にそんな度胸なんてないの、さっきの行動からわかるでしょうに!(←普通に失礼ですよBYナレーション)

とりあえず、その声の迫力に負けないように、

「私、記憶力と暗記には自信があります!!!」

「じゃ、『エンチャンター』つまり『付与術師』なんてどう?」

「「「付与術師???」」」


「そう、『付与術師―エンチャンター』」


私は初めて聞くその単語に、憧れを抱いたのだ。


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