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「でしょうね~~~。あ~~んなバカ丸出し発言しちゃったらね~~~」
ゲラゲラと笑う目の前の女、いや女性は昨日俺に殴られそうになったがやり返してきた「一条臨」という超ゴリラな人間だ。
見た目はただの年増なのに、力は「ゴリラ」って詐欺だろう!と口に出ていたらしく、背負い投げをマジで食らいました。
「いてーーーなっ!何すんだよっ!」
「女性に対して、なんたる言葉!許すまじ!!!」
「って、自分で言うなーーーーーーーーーーーー!」
箸を持ってワラワラと震えながら怒りを抑えているのかと思いきや、ただただ笑いを堪えているだけらしい。
「くそっ!!!」
なんでこんな状況になっているかというと、昼食時間になった途端、今までだといろんな女が俺に寄ってきては一緒に楽しくランチタイムを過ごしていたが、今日は皆俺を遠巻きに見て、そして誰も近寄ってこなかった。
俺は今までいろんな女が「用意してくれていた弁当」(※←これ重要だからな!!!)を、本心を隠して「美味い」と言いながら頬張っていたのだ。
実際は、あんま美味くなかったがな。
俺は初めてこの会社で「社食」を食べようと足を向けた先で、昨日見事に伸してくださったこのゴリラなお方と出くわして、強制的に裏庭のあまり人の来ないスペースに連れ去られたのだった。
「ま、美味くないかもしれないけど食べなさい!多めに作ってきたから」
「・・・・・・・・・・」
目の前には家庭の料理と言って良い食べ物が入った大きな重箱がどかりと置かれていたのだ。
これまじで食って良いのかと尻込みしていると、
「げっ!何でこいつ連れてきたんですか、姉さん!!!」
と、昨日まで俺の『餌食』となっていた同僚が、どかりとゴリラ女の横に座る。
「だって~~~一人で寂しそうに社食に行こうとしてんのよ?しかも、財布持たずに。ぷっ・・・・・・・あっはははははははっはははは!ゴホッげほっ!」
「あ~もう!爆笑しすぎ!てか、財布持たずに?まじで?バッカじゃねー-の????」
二人にバカにされるのに我慢ならなかった俺は、目の前の重箱を引っ繰り返そうと手を出した瞬間、誰かに手を押さえつけられたのだ。
「貴様、今何をしようとした????」
「っ!!!!!!!」
な、何でここに社長が!ウチのボスが現われんだよっ!!!
「こっちに場所を変えたって連絡を受けたから、急いできてみれば。危うく『女神のご飯』を食べ損ねるところだったよ」
「キモッ!女神って・・・・・・このゴリラおん、イッテーーーーーーーーーーーーーー!!」
「あんたもうちょっと考えてから言葉を発しなさいな。だから、嫌われんのよ」
「っ!!!!!うっせーーーー!もう俺には誰も、ブベフッ!!!!」
いきなりゴリラ女に親にも殴られたこと・・・・・・あるわ。よくあったけど、大人になってからはない顔をマジもんの「グー」で殴ってきやがった。
おかげで鼻血ブーだわ・・・・・・・。
あ、これ止まらんやつだ。両鼻の奥、切ったわ。
片鼻だけでなく両鼻からドクドク、脈々と流れ落ちる赤い血。
これ貧血で俺倒れるんじゃないかな?????
「ご飯を粗末にする奴、私大っ嫌いなのよね。一人は寂しいだろうと思って誘ってやったのに、逆に『超絶丁寧に』お断りされるとはね~~~。心配してやって損したわ」
「姉さん、今日のこいつの行い、言動見てて大体判るだろう?反省なんて全くしてないんだから。心配するだけ損だって、俺始めから判ってたけどな」
「あら?そんな事くらいわかってたわよ?ただの自己満足よ。可哀想なこいつに手を差し伸べてやるっていうね」
「・・・・・・一条さんは結構酷いお方ですね」
「あららららら?そうかしら?誰だって『復讐』はしたいと思うものではなくて?ねえ、『ぼ・う・や』?」
ゴリラ女は俺を冷たい目で蔑みながら、口元を綻ばせている。
本当のサディストがここに降臨している状況に、俺の玉はシュンと縮こまり、
「俺を馬鹿にしやがって!!!誰がお前らの自己満に付き合うかよっ!二度と声かけてくんな!」
そんな言葉を投げ捨てて、すっ飛ぶように俺はその場から離れた。
投げつけるじゃなくて、何故投げ捨てたのかというと、既に俺の足はあいつらから距離を取っていたからだ。
「つける」位置ではなく「捨てる」位置にまで、後退していたということだ。
決して、あいつに恐れを感じて逃げたわけでも、自分が恥ずかしくて、後退したわけでもない!
ただ、関わりたくなかっただけだっ!
絶対に!!!!
「姉さん、ちょっと酷かったですかね?あいつの扱い?」
「え?いんじゃない、あれくらいで?人の厚意仇で返すってどんなことか身に沁みたら良いのよ」
「さすが女帝!俺では対処しきれなかった」
「料理を護ってくれただけで感謝よ!というか、いい加減「女帝」止めてください。私は『一条臨』です!」
「いやいやいや、職場では名で呼ぶが、休憩の時くらいは私の好きなように呼ばせて貰えないか?」
「仕方ないですね~。許しましょう!」
「・・・・・・・姉さん、段々「悪役」が板に付いてきたな」
「あんたも一言多いのよっ!」
ガインという何かを殴る音が裏庭に響き、若い(?)男の子の頭上に大きなタンコブが出来上がった理由はこの場にいる数人しか知らないことになった。
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