苦手な飲み物
それはいつものようにお昼ご飯を食べている時だった…
【姫がピンチ。一階の自販機まで来て】
風紀委員長の三浦先輩からだった。
私は急いでそこへ向かうと佐倉先輩が自販機の前に居た。
私は少し離れた場所からそれを見守る三浦先輩に何があったのか聞きに行った。
『先輩、どうしたんですか?』
『松井さん。見て。姫がピンチなの。』
私は佐倉先輩の様子をうかがうと、上のボタンを押したいのか、背伸びしたり、ジャンプしたりする先輩…
『と…届かないんだ…可愛い…』
『でしょ!…じゃなくて、助けてあげて。』
『私はこの前助けたから行けないんだ。』
『は、はい。わかりました。』
私はさりげなく、ジュースを買うフリをして佐倉先輩に近づいていった。
『あっ、さ、佐倉先輩。どうしたんですか?』
『え?あっ…じ、ジュース…買おうと…』
『何買うんですか?』
『あ、えっと…』
佐倉先輩は慌てて下の列にあるコーヒーを押した。
『(あっ…無糖コーヒー…)』
その瞬間、三浦先輩から着信が入った。
【姫は苦いコーヒー飲めないからフォローして。】
『(うそっ…私も苦手だよ…)』
『じ、じゃあ私も…』
『(確か佐倉先輩上のオレンジジュース買おうとしてたな…)』
『あっ。ヤバっ間違えちゃった…』
『あっ…』
羨ましそうにそれを見つめる佐倉先輩。
『(うわっ、めっちゃ見てる…可愛い…)』
『佐倉先輩、私これ苦手で…(本当は好きです…)』
『よかったらそれと交換してくれませんか?(本当はしたくないです…私もブラックコーヒー飲めません…)』
『えっ…えっと…』
表情が明るくなる佐倉先輩…
『(わかりやすいな〜)』
『で、でも…私これ欲しくて…』
『(なんでここで嘘つくの?)』
『(じゃあここは…泣き落としで…)』
『先輩。ダメ…ですか?』
『私…お金が…』
『(そういう事か。先輩は200円入れて100円コーヒー買ったからお釣りは100円玉…)』
『(私は150円入れて150円のジュース買ったから…そんな事まで気にしてくれるんだ…佐倉先輩。)』
『お金なんていいですよ…私のわがままなんで…』
『で…でも…』
『やっぱり、私が買ったジュースなんて嫌…ですよね…』
『い、嫌じゃないよ!交換しましょ。』
『やった!ありがとうございます。』
『あっ…で、でも、ちゃんと…差額のお金は返すので…』
『あ…明日、もってきます…』
『えっ…あ、はい、分かりました。』
『じゃあ、私、教室戻りますね。ありがとうございました。』
そして私は三浦先輩の元へ向かった。
『よくやったわ!』
『先輩、でも私、これ飲めないからあげます。』
『あっ要らない。私コーヒー嫌いだから…じゃ私、姫のあと追わないと…』
『えっ?ちょっと待ってください!』
『私も行きます〜』




