風紀委員長
風紀委員である私の日課は佐倉しずく先輩のストー…じゃなくて護衛が主な仕事だ。
朝が苦手な私はそのためだけに風紀委員に無理して入ったのだ…
それは二年生になってすぐの事だった。
うちの学校は風紀委員に入れるのは2年と3年だけだと決められていた…
二年生になった最初の始業式の日。
私は朝早くから風紀委員の委員長に直談判したのだ。
『委員長。私、護衛したい人が居るんです。』
『護衛?うちはそんな委員会じゃないよ?』
『知ってます。でも、いじめを未然に防いで風紀を正したいんです。』
『いじめ?誰だそんな事してる奴は!』
『い…いえ、いじめはされてません。でも可能性があるんです。』
『誰の護衛をするの?』
『3年生の佐倉しずく先輩です。』
バンッ!!
『松井さん。ちょっと2人で話しましょうか…』
明らかに雰囲気が変わった委員長に連れられて私は別室に入った…
『松井さん…姫…佐倉さんがいじめられるってどういう事?』
『(こ…怖い…)』
『いえ…いじめられてる訳じゃないんです…』
『佐倉先輩みたいに内気な人って、ドラマやアニメでもいじめの標的になるじゃないですか…そうならないように、護衛を…したくて…』
『そういう事か…良かった…』
腰が抜けた様に椅子に座る風紀委員長…
『もし、姫がいじめられてたら私、退学覚悟でポコポコにしちゃう』
『姫?』
『あっ…』
風紀委員長は「しまった」と口に手をあてた。
『委員長、姫って…』
『そ、そんな事よりあなた、佐倉さんを護衛する為に風紀委員に入ったの?』
『はい。私は「姫」の護衛がしたくて…』
『うっ…』
『わ…分かりました…ですが、条件があります。』
『あなた、佐倉さんの事、どう思ってるの?』
『私?…私は…その…か…可愛いって…』
『可愛い?どんなところが?』
『えっと…話しかけた時恥ずかしそうにもじもじするところとか…』
『あっ!あと不意に質問とかした時とか目を泳がせて、「あっ…えっと…その…あの…」って挙動不審になるところとかめっちゃ可愛いです…』
『あっ…(つい言っちゃった…)』
『わかる…』
『えっ?』
『あなた、姫の良いところわかってるじゃない!!』
『わかる…わかるわ。』
『じゃあ、この前登校してすぐ自販機で飲み物買って当たった時ニヤついてたの見た?』
『当然見ましたよ!!』
『私、あの時尊死するかと思いましたよ。』
『私、あの時ね、ダメだってわかってた…わかってたんだけど…これだけは…ってこっそり写真撮ったんだ!』
『本当ですか?』
『…見たい?』
『見たい!!見たいです。
お願いします…見せてください!!』
『私も長くは見てられないんだけど…』
『心の準備は良い?』
『はい。』
私たちは一瞬、空から舞い降りる複数の天使が見えた…
『はっ…』
『松井さん…松井さん。気を確かに…』
『い…委員長…私…今…』
『あなた半分昇天してたわよ…』
『すみません…美しすぎて…』
『後であなたにも送ってあげるわ。』
『いいんですか?』
『そのかわり…私と一緒に影で姫を助ける手伝いをしてね。』
『もちろんです!!』
そうして、私は風紀委員として佐倉さんの護衛任務につくことになった。




