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佐倉先輩は人見知り


『(あっ…来た。)』

『先輩、おはようございます。』


『お…おはよう…ございます…』


俯きながら小さく挨拶を返してくれたのは佐倉しずくさん。3年生の先輩で、かなり人見知り。


『(今日も可愛かったな〜)』


私が初めて先輩の魅力に気づいたのは私が一年生の時…

2年生の課題で私にインタビューをしに来た時だった…


みんなのインタビューがほとんど終わったのに私だけはまだ先輩が聞きに来ていなかった…


『(先輩…今日も休みなのかな…?)』


そんな事を考えて廊下を覗いていると、遠くの方でプリントを持った先輩がチラチラと私の教室と紙を何度も目線を行き来させていた。


『(あの先輩…めっちゃ可愛い…)』

『(じゃなくて!!もしかしてあの先輩なんじゃ…)』


私は先輩の方にゆっくりと歩いて声を掛けてみた。


『先輩、もうインタビュー終わりました?』


『えっ…あっ…』

『いやっ…その……ま…まだ…です…』


目を泳がせて挙動不審になる先輩はたまらなく可愛かった…


『(かっわい〜)』

『(ちがう、ちがう。)』


頭を振って冷静になる私…


『(きっとこの先輩、勇気がなくて行けないんだ…)』


『なんて人ですか?私呼んできてあげますよ。』


『えっと…松井…海波…さん…』


『あっ。それ私です!』


『あっ…えっと…お、遅くなってすみません…』


『よ…よろしく…お願い、します…』


その瞬間、チャイムが鳴ってしまった…


『あっ…鳴っちゃいましたね…』

『じゃあ、次の休み時間にまた…』


そう言って別れ、次の休み時間に先輩は来てはくれなかった…


私はその次のお昼休みに2年生の教室へ行く事にしたーー


『失礼しまーす…』


『あっ。1年生。どうしたの?』


『あっ…えっと…』

『(名前聞くの忘れてた…)』


『私インタビュー受けに来たんですけど…』


『ちっちゃくて人見知りっぽい…可愛い先輩なんですけど…』

『(何言ってんの私…)』


『あっ、それしずくちゃんだよ。』

『ほら、あそこ。あの子かなり人見知りだから時間かかると思うけど許してあげてね。』


『しずくちゃんの前、私の席だから使って良いよ。』


『ありがとうございます。』


私は先輩と分かれて、しずく先輩の元へ向かった…


『先輩?』


『あっ…えっと…ご…ごめんなさい…』


机の上に置かれていたプリントを見つめていた先輩…

きっと約束を破ってしまったから来れなかったんだ…


今にも泣いちゃいそうな先輩…

『(「待ってた」なんて言ったら追い討ちかけちゃうんだろうな…)』


『先輩、さっきの時間何かあったんですか?』


『せ…先生に…呼ばれちゃって…約束、守れなくて…ごめんなさい…』


『(あっ…泣いちゃう…)』

『先輩。気にしないでください。先生に呼ばれたんだからしょうがないですよ。』


『私が…断れば…行けたのに…』


『(あーもぅ!何これ?今すぐ抱きしめたい!!これが尊いって言うのか!!)』


『本当に気にしないで下さい。そんなに気にされたら私の方が申し訳ないので…』

『それより、インタビューお願いします。』


『あっ…はい、じゃ…じゃあ……』


『お誕生日は?』


『(ん?誕生日?)』

『えっと…2009年7月3日生まれです。』


先輩は丁寧にプリントに記入していく…


『(佐倉しずくさんって言うんだ…)』


『つ…次は…け、血液型を教えて下さい。』


『(ん?やっぱりなんか変だ…)』


『O型です。』


『えっと、次は…趣味って何かありますか?』


『(あっ…これって…)』


『先輩?これって何問くらいあるんですか?』


『ひ…100問…あります…』


『(やっぱり…)』


私は教室でみんなは何聞かれたか話してる時に大体が10問くらいで…そこに一緒に居た先輩が『先生に冗談で「最低でも100問は用意しろよ」って言われたけど…できるか!!』って愚痴ってたのを聞いていた…


『(それを真に受けて頑張って考えてくれたんだ…やっぱり尊い!!)』

『が、頑張りましょうね。』


『は…はい…お願い…します…。』


この日佐倉しずく先輩は私の推しになったんだ…


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