夏祭りの始まり
夏休みが始まって…待望の夏祭りの日がやってきた。
そして、私は約束の1時間前に紗奈と一緒に待ち合わせ場所にいた。
『お姉ちゃん…やっぱり来るの早すぎだって…』
『そんな事ないよ。先輩に失礼のない様に早めに待ってないといけないし…』
『ねぇ、お姉ちゃん…』
『何?』
『あれ…変態のお姉さん居るんだけど…』
『えっ?』
『ま…まさかあの人が前に紗奈が言ってた人?あの人は私が呼んだ風紀委員でお世話になってる風紀委員長だよ。何かの間違いだと思うから変態のお姉さんって言わないでね。』
『うん…』
『先輩!もう来てたんですか?』
『あっ松井さん。その子は…妹さん?』
『はい、妹の紗奈です。』
『…はじめまして…。』
『私は、風紀委員長やってる三浦千夏よ。よろしくね!』
『よろしくお願いします…』
『紗奈ちゃんが誘ってくれたのね?』
『奏くんのお姉さん、私と同じクラスなんだけどすごく人見知りで、夏祭りとか誰も誘えないんじゃないか?って…私心配だったの…だから、私たちと佐倉さんを誘ってくれてありがとうね。』
『あっ…いえ…お姉ちゃんから仲良くなりたいって言われて…』
『松井さんも佐倉さんを気にかけてくれてるからね…』
『でも佐倉さんには私たちが居るのは偶然って事にしてね。その方が都合が良いから。お願いね。』
『はい、わかりました。』
『ねぇ、お姉ちゃん。ちょっと…』
『何?』
『この人凄い良い人だね。』
『でしょ?だから紗奈たちの勘違いだよ。』
『うん…』
『あっ。居た!』
『紗奈ちゃん、お待たせ。』
『ちょっと、奏!!置いてかないてよ!』
『あっ…佐倉先輩。』
『ひっじゃなくて…佐倉さん。』
『あっ。』
『ま…松井さんに…み、三浦…さん…』
『ん?姉ちゃん?どうしたの?』
『奏…ちょっと…』
佐倉先輩は奏くんを連れてちょっと離れた場所で小声で話し出した。
『奏、なんであの2人が居るの?』
『1人は紗奈ちゃんのお姉ちゃんで三浦先輩と友達なんじゃないかな?三浦先輩は俺もたまに公園で話しかけられて知ってるし、一緒に来るって言ってたから良いよって言ったんだけど…』
『だったら早めに教えてよ!』
『ごめんなさい…』
『佐倉さん?どうかした?』
『もしかして、私たちが来たから…』
『あっ…い…いえ…そんな事は…』
『姉ちゃん?』
『じゃあちょっと早いけど行こうか。』
『う、うん…』
『奏くん、ちょっと…』
『なんですか?お姉さん。』
『何かあったの?』
『なんかさっきから姉ちゃんの様子ががおかしいんです。』
『いつも通りだけど…』
『いつもはあんなにおどおどしてないんですよ。』
『いばりんぼうだし、すぐ怒るし…』
『そんなわけ…(もしかして…)』
『奏くん、ありがとう。』
私は紗奈の耳元で囁いた。
『紗奈。ちょっと予定より早めにはぐれるよ。』
『えっ…でも…』
『先輩が可愛そうだから…お願い。』
『うん…』
『じゃあ8時にあのブランコに集合ね。』
『7時!私もお姉ちゃんと夏祭り楽しみたい。』
『うん…わかった、7時ね。』
そう言って後ろを歩く紗奈と奏くんに背を向けて手を振ると2人は反対方向へ歩いて行った…




