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日米転生earth  作者: 照山
序章 2024年
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第21話 カシミール

2024年4月1日 インド・ニューデリー/パキスタン・イスラマバード(共同共同記者会見)


第三次世界大戦の戦火がユーラシア大陸全域へと広がる中、長年にわたり熾烈な対立を続けてきた南アジアの二大核保有国、インドとパキスタンの間で、歴史を根本から塗り替える不滅の大決断が下された。


ニューデリーの会見場ではインドのオディア首相とパキスタンのファルファ首相が並んで壇上に姿を現した。その手は固く握り締められており、スクリーンを通じて世界中にその映像が中継された。


「長きにわたり我が国とパキスタンを隔ててきたカシミール問題を、我々は今、共通の生存と平和のために乗り越える。本日、両国はカシミール地域における『共同統治』を成立させ、即時停戦と永久的な協調体制を構築することを宣言する」


オディア首相の力強い声明に続き、ファルファ首相もマイクに向かい、静かだが確信に満ちた声を響かせた。


「我々の真の脅威は、隣国同士の反目ではない。力による支配を強め、アジアと世界の主権を踏みにじる専制主義の暴走である。我々は過ちを繰り返しはしない」


長年、世界の火薬庫と呼ばれたカシミールにおける歴史的な和解と共同統治の宣言は両国を長年縛り付けてきた最大の懸案を解消し、両国の強大な軍事力を共通の脅威である中国およびロシアの権威主義陣営への対抗へと一本化させることを意味していた。


共同統治の宣言に続き、両首脳は中国にも言及した。


『中国政府は長年にわたり、力と抑圧によって周辺国や自国領域内の人々の自由を奪い続けてきた。台湾への不法な侵攻、東シナ海および南シナ海での一方的な海洋進出、そして武力による現状変更。これらの暴挙を、我々南アジアの自由主義同盟は断じて容認しない!ここに我々は、中国による不当な占領と人権抑圧下にあるチベット、およびウイグルの完全なる解放を宣言する! 自由と自決権を求めるすべての民族と共に、我々は断固として戦う!』


自国の内政問題でもあるチベット・ウイグルの解放を公然と掲げられたことで、中国政府は国内の不穏な動静に対する二重の恐怖に直面することとなった。


さらにオディア首相は日本に向けて極めて明確で力強い連帯のメッセージを発した。


『そして、東アジアの最前線で孤軍奮闘する日本国、および日本国民に告げる。中国は我が国との国境地帯のみならず、日本の固有の領土である尖閣諸島周辺においても一方的な威嚇を続けている。我が国はここに、日本の尖閣諸島における完全な領有権を全面的に支持することを表明する!』


会見場に集まった報道陣からどよめきが起こる中、オディア首相の言葉は熱を帯びていった。


『日本は単独ではない。インドは日本政府、そして日本国民と共に歩む。中国およびロシアからの脅威に対し、我が国はあらゆるリソースを注ぎ込み、海上自衛隊をはじめとする日本防衛のためのあらゆる軍事・補給・情報支援を無限に提供することをここに約束する! インド洋のシーレーンの安全は、我が海軍が責任を持って完全に防衛する!』


日米同盟の米国が消失し、三正面作戦を強いられていた日本にとってインドによるこの全面支援は、戦況の絶望的な闇を照らす一筋の圧倒的な後光となった。


ニューデリーからの共同宣伝の報を受けた北京では、激震が走っていた。


中国軍高官らが顔を見合わせ、言葉を失っていた。カシミールでの両国の衝突を利用して西からの圧力を分散させていた中国の対外戦略は根底から崩壊した。さらに、チベットおよびウイグル問題への公然たる介入と、インド海軍による東シナ海・インド洋での海上自衛隊への全面支援は、人民解放軍の背後と海上補給路を完全に脅かす致命的な痛手であった。


南アジアの二大国の歴史的接近と、日本への強い連帯の意思。大戦の渦中において発せられたカシミールの誓いはアジアの勢力図を激変させ、自由主義同盟の反撃の狼煙を力強く打ち上げたのである。

次回も楽しみによろしくお願いします

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