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【6】
ワンボックスカーで教会を出た勝利とシスターベロニカ、そして教会のシスター二名は、昨夜の現場に近い金属加工工場にやってきた。
日中こそ高出力の電力を使用しているが、異界獣の出没する夜中には可動していない。地元警察を通じて協力を要請し、敵のおびき出しに利用する算段だ。
「好物がはっきりあるってのは、かえって処しやすいね」
助手席でガリガリ君をかじりながら、勝利が言った。出がけに食堂の冷蔵庫からくすねてきたものだ。
「まだ好物と決まったわけではないが、あまり手がかりもないからな。防犯カメラの画像を本部に送ってはいるが、特定にはまだ時間がかかりそうだ。やはり、新種だろうな」
シスターベロニカとシスターたちは、工場周辺にセンサーを配置して敵に備え、勝利は工場を出て、昨日の変電施設の方角に向かって進んでいた。
途中で鉢合わせることが出来れば、それに越したことはない。防ぎたいのは人的なものだけではない。インフラや工業施設だって、護るに値するものだ。
「あー、あそこちゃんと封鎖出来てないじゃん、もー。連絡しねえと……」
ぽんぽんと、遊んでいるかのように電柱の上を跳ねていく勝利。
だが遊んでいるわけではない。移動しながら、高い場所から周囲を警戒しているのだ。その途中で、警察による駆除区域の隔離が完了していない場所を見つけた。万一市民に入り込まれては被害が拡大してしまう。
この間の遙香の件は、小さいターゲットを掃討中に、たまたま中型クラスに出くわしてしまったのが原因の一つだった。一発で仕留めようと大型用の武器で攻撃したところ、射線上に飛び出してきた遙香が、まともに喰らってしまったのだ。
最初から大型がいる、あるいは何らかの危険度が高いと分かれば、駆除地域を隔離閉鎖することで被害を最小限に食い止めることも出来る。
だがあの夜は……。
「ああ、イヤなこと思い出しちまった。しごとしごと。仕事に集中しないと……」
雑念を追い払うべく頭を左右に振ると、勝利は足下の電柱の先端を蹴り、軽やかに闇に舞った。




