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回避出来た令嬢は?  作者: 明月 えま
第1章・新しい生活の始まり
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魔術の技量と重い束縛

侍従のクリスを屋敷まで使いに出し、リオンの帰宅にあわせて来る馬車にレイローズを乗せて来るように指示した。

同時に、執事にタリスのいる魔道具研究所に寄るため、帰りが遅くなる旨も伝達させる。


指定時間は6時半。通常通りの時間だ。


帰城後すぐに騎士団へ寄り、救援砲のテストとその評価を2日以内に終わらせるように要請する。

あとは、普段通りだ。事務処理をして、早めに執務室を出る。


クリスと御者のガットは真面目な為、約束時間の5分前には来るだろうと見越して、王城エントランスへ向かう。正面エントランスでの馬車の使用が認められているのは、王族と宰相他、要職に就く者、公爵家だけだ。ちょうどエントランスへ到着する時、クリスがリオンを呼びに城内へ入ってくるのが見えた。

「お着きでございます。」

「ああ。私が乗ったらすぐに魔研に向かえ。」

「はっ。」


着いてすぐに私が馬車に乗り込んだことに、レイローズが驚いたような顔をしている。馬車がすぐに動き出す。

「ただいま、ローズ。」

「おかえりなさい。お疲れ様です。リオン、待ってらしたの?」

ふわりと笑う。メイドに着飾らせろと指示した割には質素だ。

「いいや。いつも通りの馬車の時間に合わせて出てきただけだ。」

「そうですの。・・・で、どこに行かれるんです?」

「私の友人の所だ。」

「友人?初めて聞きましたわ。」

「魔道具研究所に学院時代からの友人がいる。タリスという男だ。そいつに会いに行く。」

「私、ご挨拶に連れて行かれるということ?」

「少し違うな。君は、メイドに着飾ってもらったのではなかったのか?」

「ああ。申し訳ありません。連れて行かれるのが夜会ではないようだと執事に聞いていましたので、過剰な装飾は外させましたの。そのままが、よかったのかしら?」

「いや。かまわない。むさ苦しい所に行くだけだ。」

キョトンとした表情の彼女が可愛らしい。

「むさ苦しいって・・・。」

クスクスと笑う。

「事実だからな。昼に1回、行ったが足の踏み場もないぐらいに散らかっていたぞ。」

「えっ?では、今日は2回目?」

「まあな。話を通しに行ったから。」

「話って・・・、私にわかるように説明してくださいませ。」

困惑が見てとれる。さて。彼女はどうするのか。

「昨日話していた術を使える者が、今から会いに行く者だ。だから、君が私と一緒に直接行く必要がある。術を受けるかは、着くまでによく考えるといい。」

驚きに見開かれた目は、綺麗な蒼で。

そっと、唇に触れるようなキスをする。

「考えが、そう簡単に変わるわけないでしょう。」

「ああ。わかっている。すぐに着くよ。15分程度しかかからない。」


馬車は舗装された道を外れ、研究所の入り口に入ると、ガタガタと揺れる。


「着いたよ。」

「ええ。」

彼女は、幾分緊張しているようで、言葉少なだ。


研究所は変人の巣窟で、門番も誰もいない。 各自、研究室を持っているだけだ。だが、所内に入るのには、許可または鍵となる魔石がいる。魔石を扉にあて、扉を開く。

クリスはエントランスで、御者はいつものように馬車で待機を命じる。


「こっちだ。」

薄暗い廊下をタリスの部屋に向かって歩く。


ガチャリと戸を開け、

「連れてきた。」

とだけ、言えば、

「用意は出来てるよ。」

と、奥の机で何かを書きながら、顔も上げずにタリスが答える。

「・・・こんばんは。」

おそるおそる、といった様子でレイローズが挨拶する。

タリスが顔を上げて、ニコリと笑う。

「ああ。こんばんは、リオンの奥さん。初めまして。タリスだよ。よろしくね。」

そうだった。この男、女には異常に優しいのを忘れていた。

この数年の間、研究所にこもりっきりで変人に埋もれていた友人は、苦労した母親の影響で、やけに女性に甘いのだった。

「レイローズです。よろしくお願いします。」

安心した様子で、挨拶を返す彼女。

「二人とも、実験室に移動してくれるかい?」

タリスの促しに従う。

全く。足下に紙が散乱していて、どう歩けというのだ。

「お前、何で片付けていないんだ。」

「んー。いや、夕方、1回上げたんだけどね。さっき崩れた。バサバサーって。こう、道具の調整してたら、波動が飛んじゃって。踏んじゃうくらい大丈夫だよ。」

「もうちょっと、気にしろ。」

「キリがないからなあ。」

そう言って、タリスが笑う。


昼間も1回訪れた実験室内は、昼間は無かった白い砂?が床に撒かれていた。ガチャリと扉が閉められ、結界が発動する。


「さて。僕の準備は出来ている。リオンに話は聞いた。レイローズさん、本当に、君は魂結びの術をリオンとの間に結ぶの?」

タリスが静かに、優しくレイローズに尋ねる。

「お願いします。」

「わかった。じゃあ、さっさと済まそう。二人とも、この白い砂の上に立って。」


「向かい合って両手を繋いで。」

タリスの指示に従う。


「じゃあ。いくよ。」


白い砂が流動し、虹色に光る。魔法陣が立ち上がり、包まれる。


「っつっ!!!!!」

タリスが声を上げると、急に魔法陣が消える。

「お前っ!!!!」

タリスは、いきなりリオンを殴った。

レイローズと繋いだ手が、離れ、彼女がよろめく。


「何だ?」

リオンの返答に、タリスが怒って胸ぐらをつかむ。

「なぜ、言わない!なぜ全部言わなかった?君は馬鹿なのか?何の為にこんな事をしている!それとも、そんなに僕は信用できなかったのか?」

いつも、笑っている彼の切羽詰まった怒号。


今まで、こんなに声を上げてタリスが怒ったのを見た事が無い。

「すまない。」

きっと、彼には、彼女も時の旅人であることがわかったのだろう。

彼の力は緩まない。

「馬鹿が!とても繊細な術なんだぞ。僕が気がつかなかったら、術が破綻してしまう所だったんだぞ。君はっ!彼女を殺す気か!!」

タリスが叫んで、突き倒される。

ああ。そうか。そういうこともあるのか。これは、私の落ち度だ。その可能性を考えると身体の芯が冷えていく感じがする。

レイローズは、あまりの驚きに声も出せないでいる。

「彼女も、時の旅人なのだな?間違い、ないな?」

黙ってうなずくのを見て、更に、聞かれる。

「どうやって属性を隠していた。僕が知っている君は、光と水は持たなかった筈だ。」

静かに怒気を孕んだ彼の言葉は真剣だ。

「魔石に抜いたり、水は水源に放出していたからな。」

くしゃりと、泣き笑いのような表情をするタリス。元々、彼はとても優しいのだ。

「こんなに長くいるのに、知らなかったなんて。全く、たいした宰相様だよ。」

「・・・すまなかった。」


「やり直すよ。君たち、1回、そこどいてくれる?」


白い砂が風で部屋の隅に追いやられ、タリスが別の袋から出してきた砂。その白い砂の上にも別のクリーム色の砂を重ねると、タリスの魔力で、サラリとその砂が丸く広がる。


「そこに立って。また、二人とも手を繋いで。」

指示された通りに向かいあって手を繋いで立つと、先ほどと同じように虹色の魔法陣が表れ、包まれる。だが、ああ。確かに、先ほどの物とは違うのだと魔力の波動を感じながらレイローズを見る。

光の帯が自分と彼女に纏わり付く。急に、何かに進入されて、流し込まれる感覚。ギリリと食い込む何か。

息苦しさを覚える。強い、圧迫感。痛いなと、思った。

彼女が徐々に血色を失っていく。

両手を繋いだまま、倒れ込んでくる彼女を支える。

キインという高い耳鳴りを残し、何事も無かったかのように光が消滅する。


「終わったよ。」


タリスが、静かにつぶやく。


「ああ。」


「本当に、よかったんだな?」

念を押すように確認される。


「勿論。」



「・・・君は大丈夫なようだが、彼女は魔力酔いがひどいな。君が全属性持っているから悪い。彼女の身体の負担は重いぞ。」

「そうか。」

抱き上げながら話しをする。

「これは、…薄く開眼していても意識はないだろう。眠らせてやろうか?このままでは、彼女が辛いだけだ。」

「できるか?」

「もちろん。」

タリスに眠りの魔法をかけてもらったレイローズは、静かに目を閉じて眠っている。


タリスによって、ガン!ガン!と置かれた椅子に座る。

「僕は怒っているんだけど?」

タリスがふんぞり返って宣言する。

「そうだな。」

「ああ。色々とね。君には言いたいことが多すぎて、何から突っ込めばいいかわからないよ。」

「すまない。」

「とりあえず、この術を使った以上、彼女が君の弱点になるのは非常にまずい。彼女に危害が加えられたら、君にもある程度のダメージは伝わる筈だ。カイウスには話したのか?」

「まだ。」

「だろうな。・・・とりあえず、今日は彼女を連れて帰りなよ。明日までは、魔力酔いが辛いだろうな。うーん。どうしよう。君、明日も仕事だろう?明日の夕方ぐらいまで寝ておくように、眠りを重ね掛けしようか?」

「そうだな。起きて混乱するよりいいだろう。」

「明後日、休みだろう?カイウスを連れて、君の家に行くよ。どう対処するかはそれから決めよう。後・・・そうだな。君がいない間に、彼女に危害を加えられると痛いな。ちょっと待って。ここに。・・・あった。このブレスレット、とりあえず、彼女につけていて。抗魔のブレスレットだから。これが反応したら、作成者の僕にはわかるから対処しよう。物理攻撃は護衛をつけてしのいでくれ。ああ。あと、彼女が目が覚めたら出来るだけ側にいるんだよ。君の安定した魔力が側にないと、彼女の中で、6属性のコントロールが出来なくて体調を崩すから。」

「ああ。わかった。」

「もう、疲れたから、さっさと帰って。3徹なのに、こんなに魔力使うなんて、思いもしなかったし。もう、寝るよ。」

あくびをしながら急に平常運転な友。


研究所を出るとカエルの声が聞こえてくる。いつの間に雨が降ったのか地面が濡れている。馬車の中で、自分の腕に抱かれたまま静かに眠るレイローズを眺めながら屋敷に戻ったのだった。

自分の妄想に、背景描写が追いつきません。

自分で、力量不足を強く感じます。

(/ _ ; )

頭の中にあっても、書き込めてない事が多くて。

初めて物語を書いてるのですが、最近は、書く事も楽しくなってしまい、読む時間が少なくなって来ているのが、ちょっとジレンマです。笑。


さて。

沢山の方に読んで頂いているので、お休みにパソコンで一気に書いて、チェックを入れながら細々と投稿する方法に数日前より変えました。

スマホで修正する際に文頭のスペースが上手く入らないので、スマホ仕様に合わせてます。

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黎明 ルークスタッドの後日談、連載中 不器用令嬢、騎士になる カイウスの恋愛話、主に嫁視点を書いてます。  こちらもよかったら読んで下さい。
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