ep4 - 消えかけのSOS
順調?に浮島を渡っていたその時だった。
「っう……っう……。」
どこからか子供の啜り泣きの声が聞こえてきた気がした。
「なあ、この泣き声──」
「あながつくりだしたげんちょう。」
少女は食い気味に答える。
「……そうか。」
不思議だらけな穴のことだ。
自分には知らないこともあるんだろう。
そう納得していた。
「ママ……パパ…えっぐっ……どこ?」
妙に生々しい泣き声がまた聞こえてくる。
気になるが……いちいち足を止めているとあの子に置いていかれる。
「誰か……誰かっ……。」
「なあ、嘘ついてないか?」
「なぜ?」
「だって、寂しそうな顔してるんだもん。」
「してない。」
そう強がるが、泣き声が聞こえるたびに顔が引き攣っている。
「これは、本物なんだろう?」
「──そう。」
やっぱり。
「なら、助けないと!」
あたりを見渡す。
泣き声は近くの浮島にある家の裏から聞こえる。そこにいるのかもしれない。
進む方向とは違うが……穴をいくつか消せば行けそうだ。
「なあ、そこの穴を消してくれ。」
「だめ。」
「は?」
「だから、だめ。」
何を言ってるんだ?
「何でダメなんだよ!」
「……?誰かそこにいるの?」
泣いていた子供が呼びかける。
「ああ!ちょっとそこで待ってて!」
「わかった……。」
安心したような声で子供が答える。
「なあ?何でダメなんだ?」
小さな声で少女に聞く。
「えねるぎーはゆうげん。」
「……?」
「これはえねるぎーでうごく。」
そう言って少女は穴を消す道具を見せる。
それを見て、自分は察する。
「そうか……怒鳴ってごめん。」
「だいじょうぶ。」
その返事を聞いてから、さっきの子供を思い出す。
その子がいる方向に大きな声で言う。
「聞こえてるかー!」
「う…うん。」
「今は助けることが出来ない!でもすぐに何とかする!」
「ママとパパに会えるの……?」
「ああ!だからそこで待ってて!それと、その黒いやつには触れないでくれ!」
「……うん。わかった。」
強い子で助かった。
自分は振り向き、少女の方を見る。
すると、少女が微笑み、口を開く。
「ありがとう。」




