ep3 - 非現実の現実
2人の足音がまるでトンネルの中にいるように響く。
青い空に浮かぶ黒い穴は星のようだ。
その穴に光が飛ぶ。
すると穴は消えて、道が開かれる。
光が発射された元を見ると、淡々と歩く少女が目に入る。
その少女は視線に気が付き、こちらを振り返る。
「なにぼーっとしてる。」
「いや……。」
自分は単純な疑問をぶつける。
「宇宙ってどう行くんだ?」
「……。」
少女は呆れたような顔をした後、説明していなかったことを思い出したように口を開く。
「あなはふつうのあなじゃない。がいねんもすいこむ。」
「概念…?色とか?」
「そう。ほかにもじょうしきとか。」
そう言いながら、少女は穴を消し、歩き始める。
常識……か。変なことでも起きるのか?
この見慣れた街が穴だらけになってる時点で変なこと起きてるが……更に?
○
結構歩き、隣町に来た時。
「おお……。」
まるでアクションゲームの世界に来たようだ。
空に島が浮いている。
それも幾つもだ。
本当にゲームならジャンプして宇宙まで登っていけそう。
「これがあなのきほんてきえいきょう。」
「これで基本なのか。まさか、これを登ると?」
「せいかい。」
「正解なのかぁ……。」
運動、もうちょっとするべきだったな。
「どっこいしょっと!」
あまりいいとは思えない声を出しながら浮島を登る。
屋根より高い場所へ来たからか、いつもより景色を気にし始めている。
周りを見渡すだけでも、いい景色だと思える。
あの穴がなければだが。
……。そういえばあの子の姿が見えないな。
「おーい?どこだ〜?」
「ここ。」
一つ下の浮島から声が聞こえる。
そっちの方向を見ると、目で引き上げろと訴えかけている少女がいた。
「ひきあげろ。」
「はいよ〜。」
手を掴んで、登らせる。
「ありがとう。」
「どういたしまして。……やっぱりこのために自分を連れてきた?」
「すこしちがう。」
少女は疲れている表情を浮かべながら歩き出す。
「かみさまがえらんだ。」
「神?」
「そう。かみさまのみちびき。」
「そうなのかぁ。」
と、謎に納得していると、少女は浮島の一つ上を睨んでいる。
そこは壁になっていて、少女の力だけでは登れなそうだ。
「また引き上げ──。」
「ふん!」
少女は高くジャンプする。
高いと言っても到底登れない。
少女は肩をすくめてこちらを見る。
「ひきあげろ。」
少し笑ってしまった。
こんな旅なら、楽しく終われそうだな。
どんでん返しでもない限り。




