ep2 - 理不尽の餌
「まず、あなたはしんでいた。」
その一言に酷く動揺した。
いや、動揺を通り越してむしろ落ち着いていたのかもしれない。
「てんぷれなはんのう。しかたない。」
頭の上にハテナを浮かべたままの自分を気にせず、少女は話し続ける。
「あなたはしんで、くすりでいきかえった。」
「薬?」
「くっきー。」
言われて初めて思い出す。
確かに昨日苦いクッキーを食べた記憶がある。
……やばくないか?自分。
「それで、死んだってのは?」
「いまからすこしまえ、じんるいがぜんめつした。りゆうふめい。」
「全滅?全員死んだってことか?」
「そう。だからこれがあらわれた。」
少女は黒い球を指す。
「これはひとがすべてうごかなくなったときにでてくる。」
「……なるほど?」
「われわれはこれをけすためにがんばってきた。」
「ちょっと一回まとめるね。情報量やばいから。」
えーっとつまり、
・今日の夜に全人類が死んだ。
・その時この黒い球が出てきた。
・その後君たちが人類を生き返らせた。
「──ってこと?」
「そう。そしてこのくろいのは、あなってよんでる。」
「穴、ね。それで何で自分のところに?」
「じんるいはほとんど、あなにすいこまれた。」
「うっ……やっぱり吸い込む系のやばいやつだったのか。」
触ろうとしていた自分が恥ずかしい。
そう思ってると少女が銃のような何かを取り出した。
銃なのに銃じゃ無いと思ってしまう。
少女は近くの穴に向かって引き金を引く。
弾丸のような何かが穴に飛ぶ。
吸い込まれると思いながら呆然と見てると、その穴が消えた。
少女はこちらを見て話す。
「これがあなのけしかた。」
「……ねえ、この状況だと自分が君と穴を消して世界を周ることになりそうなんだけど、合ってる?」
「はんぶんせいかい。はんぶんふせいかい。」
「自分は周らなくていいってこと?」
「ちがう。ちまちまけすより、てっとりばやいほうほうがある。」
「同行者になるのは確定か……。」
落ち込む自分を置いて、少女は話す。
「あなは、じょうほうによわい。だからすべてのあなにじょうほうをとどける。」
初耳な情報に弱った自分は、少女に聞き返す。
「つまり?」
「うちゅうから、じょうほうをひろげる。」




