歩み始めた物語
3話目ですねぇ〜。先の展開を考えるのは楽しいですけど、ちょっと思い悩んだりもしちゃいます。
だが、それもまた話を書く上での醍醐味!
今回はちょっと趣向を変えて、メインキャラ達のプロフィールを公開しようと思います。
ソラ
種族:純人間
出身:ピスフリ
性別:男
年齢:17歳
身長:171cm
趣味:冒険、料理を振る舞うこと
好物:パンケーキ
ジョブ:勇者
補足:勇者について→数百年に一度、片目に虹色の輝きを宿して現れる奇跡の存在にして、巨悪に立ち向かう事を運命付けられた者。
この世界の魔法には多様な属性があり、それに対応するようにこの世界の住人にもそれぞれ適正はあるのだが、勇者は全ての属性魔法を扱えるポテンシャルを持っている。そして、己が自覚し、意思が力に追い付くことで、勇者としての権能を扱うことも可能だ。
アス
種族:人間
出身:ピスフリ
性別:男
年齢:17歳
身長:170cm
趣味:自己鍛錬、夜の静けさを楽しむこと
好物:リンゴ
ジョブ:剣士
補足:趣味について→ソラのライバルにして、エリスから一番弟子と認められている彼は、鍛錬を怠ることはない。よく一人で体を鍛えたりしてるが、時たまにソラに対して、タイマンを頼んだりもしている。夜が好きなのは、タイマンをした後に、よく疲れたソラと星を眺めているため。
レイナ
種族:純人間
出身:ピスフリ
性別:女
年齢:18歳
身長:160cm
趣味:読書、ソラの料理を食べること
好物:サーロインステーキ
ジョブ:シスター
補足:好物について→修道女なのに、サーロインステーキというなぜかお高いものが好きなレイナ。しかも、その舌はソラの数々の料理によってかなり肥えている。天に仕えるものとして、どうなのだろうか。
エリティア
種族:天使
出身:天界
性別:女
年齢:21歳
身長:165cm
趣味:好きな人達と一緒に居ること
好物:ミルクレープ
ジョブ:???
補足:エリティアのジョブについて→勇者パーティーの一員として、もしくはそれよりも前、何らかのジョブに属していた。誰かに譲る…継承させたのかもしれない。
「はぁ、風が気持ちいい…アスもそう思うでしょ?」
朝日に照らされ、広くのどかな平原を歩く、四人の影が地面に伸びる。ソラという名の勇者が率いるこのパーティーは、一歩ずつ目的の場所へと足を進めていく。
「まぁな、俺もこうして遠出はすることは少なかったから、新鮮なもんだ。」
眩しげな日の光に一瞬だけ目を閉じ、クールな彼も楽しげに笑っている。
「そういえばレイナ、その首飾り持ってきたんだ。」
レイナはいつも小さな十字架を紐で首に下げているのだが、それと共に、虹色に輝く、とても綺麗な首飾りをかけている。
「うん。私のお気に入りだからね。でも神父様からは、あまり他人には見せたら駄目と言われてる。それに理由もあやふやで、いつかこれに関する重要な時が来るとも教えられてるけど、なんなのかしら」
そんな3人の後ろには、冒険の先輩であるエリティアが微笑ましそうに笑っている。それはまるで、かつての自分を見てるようだったからだ。
「あれエリティア、羽はどうしたの?」
今更ながら、ソラはエリティアの方を振り返ると、あの大きな純白の羽が背から綺麗さっぱりと無くなっている。
「天使の羽はね、体内に収納できるの。いつも出してたら、みんなの隣を歩くのに邪魔になっちゃうでしょ?
それに、この姿なら、一見すると普通の人間に見えるからというのもあるわ。」
そんな風に他愛もない会話をしていると、遠くの方に湖が見えてくる。その時、村を出てから何も食べていなかったソラの腹の虫が騒いだので、パンパンと手を叩いて3人に呼びかける。
「おっといけない…さぁ、朝ごはん作るよ!近くで薪とか、水とか集めてきて」
その指示を聞いたアスとレイナはすぐさま動いた。
アスは近くにある木を剣で素早く切り裂いてバラバラにし、レイナは湖の方に移動し、桶で水を掬っている。
ソラはリュックの口を開き、その中から普通は収まりきらないような鍋を取り出した。この彼らの持つリュックやカバンは魔法の布で作られたマジックパックである。中は一定の広さのある四次元空間へと繋がっているため、物を詰め込みやすく、重さも感じない。この世界の旅人たちにとっては、必需品である。
数百年も前にはこのような便利品は無かったらしく、エリティアは目を見開いていた。
「すごいわね…見ない間に、随分と世界の当たり前は変わってるようね」
「便利な時代でしょ?技術はしっかりと有効活用していかないと。エリティア、中からベーコンとか、野菜とか取って。」
エリティアは頷き、リュックの中から厚切りのベーコンやら、袋に入ったじゃがいもやトマトなどを取り出し、ソラへと手渡す。それらを受け取ったソラは、食材のいくつかを空中に投げ、それらを一瞬でポケットナイフを用いて綺麗に切り分け、鍋の中へと入り込ませた。
何かリアクションを待つようにソラが鼻を鳴らしていたので、エリティアはクスリと笑みを浮かべ、パチパチと手を叩いてあげた。
「おーいソラ、持ってきたよ」
桶に満タンまで水を入れたレイナ、ゆっくりと溢さぬように二人の所へ歩いてくる。
それと同時に、斬った薪や石を持ってきたアスは、一足先にソラの隣に置くと、レイナが少し重そうにしていた桶を、ひょいと持ち上げてやる。
「後は休んでろ。まだ水は要るか?」
「あぁ、あと二、三杯は持ってきて」
ソラに言われたアスは、体幹でも鍛えようとしているのか、桶を手で支えず、頭の上に乗せ、さらにはポケットに手を突っ込み、すました顔で湖の方に向かっていた。手の空いたレイナは、微笑みながら手招きをしてくれていたエリティアの隣に腰を下ろす。
「どうも、エリティアさん」
「さん付けじゃなくても、エリティアでいいのよ?」
彼女達が微笑ましいガールズトークを交わし始めたところで、ソラは集めた薪や石を整え、その上に乗せる。その次に指先に小さな炎を灯し、乾いた木に伝播させた。そうこうしてるうちに、アスは水の3杯を、鍋の中に入れてくれた。
その後は鍋をかき混ぜたり調味料などを振ったり、時折小皿に掬って味見をしたらもする。最後に少量のパセリなんかもかけて、ソラのスープは出来上がった。
アスは4人分の容器を取り出すと共に、リュックに入れていた食パンを取り出し、皆にスライスして膝の上に置いた。ソラはみんなの分のスープを均等にケチることなく入れてやり、朝ごはんの場はこうして整った。
「「「「いただきます。」」」」
皆は丁寧に手を合わせると、温かなスープを胃に流し込んでいく。舌でスープと具材を転がした後に飲み込んだエリティアは、満足げにソラに微笑む。
「美味しいわよ、私の仲間にも負けてないわ」
伝説の勇者の仲間の料理、それを口にしていたエリティアからお墨付きを貰えたのだから、この上なく嬉しい。
「ちなみに、誰が作ってたの?」
「スレイナ、あの最高の大魔導女は、いつも私たちの胃袋を掴んで離さなかったのよ。」
大魔導女スレイナ、勇者のパーティーの一人にして、魔法の技術を100年以上も早めたと言われる、魔法使いにおいての最高峰だ。彼女によって、様々な魔法やポーション、魔道具が開発されたらしい。
ソラ達は、その透き通る声が楽しげに語る話に、パンを頬張りながら耳を傾ける。
「ふふ…いつも人数分よりも多く彼女は作ってくれるんだけど、フレクスが皆の分まで食べちゃって、よく叱られてたわ。」
大戦士フレクス、彼もまた語り継がれる伝説の一員だ。パーティーの豪快な盾と矛であり、一人で五万もの魔族を相手にした伝説がある。旅が終わった後は、ある国の姫に求婚され、王となって国を治め、その地で生涯を終えたとも知られている。
「伝説の人物だから、たまに自分達とは違う生き物だと想像しちゃうけど、一緒に旅をしてたエリティアから話を聞いてると、やっぱりそんなことないんだ」
「あらあら、私は天使だけどね?」
爆笑するようなものでは無いが、3人は思わず一瞬だけ、口元を綻ばせた。ソラは残りの食パンを咀嚼し終えて、みんなの前にここら一帯の地図を広げる。
「ここに来る道中にも話したけど、俺たちの目的は、俺の父さんが待つリジリエンスに向かうこと。その道中で、いろんな場所にも寄ってく。そして、ここが最初のチェックポイントだ」
地図にはいくつかの小さな丸が付けられており、そのうちの一つを彼は指差す。丸の上には"forging steel"という街の名が記されている。
「鍛冶屋の街、フォーギングスチール。ここにはギルドの支部があるから、俺たちの名前を登録させてもらって、正式な冒険者になるんだ。」
ギルド、これはほぼ全ての冒険者達が所属している、超巨大組織である。魔物の討伐や素材の収集を依頼し、それを達成した冒険者に相応の報酬を与える。他にも様々な王家や貴族、金持ちなどからの資金援助を受け、街や国などでの治安維持にも務めている。
リディウス達といた頃はそんな組織はまだなかったので、3人の中でエリティアが一番興味深そうに聞いていた。
「そのギルドに登録することで、何かメリットはあるのかしら?」
「良い質問だね。まず、登録した冒険者にはE〜Sまでのランクがつけられるんだけど、それによって待遇が違ってね。高ランクになるほど、宿とか店の料理の値段が割引されたりして、A以上の奴なんて、殆ど無料になるんだよ?」
それに付け加えるようにして、アスもまた説明する側に回る。
「そのギルドのランク基準なんだが、EからD、これは一般人、もしくはそれより少し強いくらい。Cになるような奴らは、10くらいを一人でねじ伏せ振られる。Bになると100人も相手取れる。そしてAは、一国の兵力と同等の強さを持っていて、Sになるような奴は国なんか簡単に滅ぼせる。文字通りの天災だ。」
国を滅ぼせる。その水準がわざわざあるということは、きっとそれ程の実力を持った奴がこの時代にもいるのだろうと、エリティアは息を呑む。
「あと、これは師匠の見立てなんだけど、今の俺とアスはBランクの中間には行くんじゃないかって言われてる。レイナは…よくて、Dだね。」
「仕方ないのは分かってはいるけど、なんか悔しいわね…」
3人の幼馴染の中で、唯一の一般人であるレイナは特に劣等感を感じではいないが、ため息を吐いていた。その肩にエリティアは優しく手を置いて語りかける。
「ううんレイナ、人の強さは、そういう物理的な力だけじゃないのよ。大事なのはここ。」
そう言って、彼女は柔らかな谷間に手を当てて笑った。
「そそ、それにレイナの回復魔法、あれはこの先役に立つって。よく師匠との修行の後だって、お世話になってたくらいだし。」
エリスの特訓はとにかくハードなものであり、実践練習で半日程扱かれることなんてザラにある。なので、怪我をする度にソラとアスは、よく教会に行ってレイナに治療を頼っていた。
「毎日傷だらけだったもんね。だから、いつか大事になるんじゃないかってヒヤヒヤしてたわよ?」
ソラとエリティアの二人から励まされたレイナは、如何にも嬉しそうな笑みを浮かべていた。
腹も膨れたので、みんなで片付けをして荷物を詰め、再度出発する。しばらく歩いていると、明らかに人の手が加えられた道を見つけたので、それに沿って歩みを進めていく。だが、何やら前方から何かに追われる人と、それを追うナニかがこちらにやって来た。
「ぎよぇー!たっ、助けてくれぇ!」
その逃げていた人は、大きなカバンを背負った恰幅の良い商人の男で、背後には木の姿をした魔物"人面樹"が、露出した根を足代わりにして、すごい剣幕で迫っている。
「みんな下がってろ、俺がやる…」
やれやれと言うようなため息を吐きながら、アスが皆の一歩前に出てきた。彼が静かに深呼吸をすると、彼の体には魔力が満ち、右手には風の槍のようなものが握られる。
「そこのお前、横によけろ!風速尖槍…!」
まるで嵐の際に吹く風のような音を出しながら、その風槍は魔物の体を容易く貫いた。
それを見ていた商人の男は、その場に腰が抜けたようにへたり込んで、だらだら垂れる額の汗を拭っていた。
「さっすがぁアス!おじさん、大丈夫?」
「いやぁ助かりましたさぁ、見たところ、冒険者ですかな?」
商人の男は慣れた人懐っこい笑みを作り、息を整えながら、自分を助けてくれた一行をまじまじと見つめる。
「ううん、これからなるとこ。だからフォーギングスチールに向かうとこなんだ。」
そう聞いた商人の男は、おおっとわざとらしく感心するように頷いてきた。
「つまりこれからライセンスを登録しに行くと、そいつは良い事でさぁ。私も今からその街に商売しに行くんで、よけりゃあご一緒させてくださいよ〜。そうすりゃあ、またモンスターに襲われても、旦那達が守ってくれるんですから」
別に悪人には見えないのだが、胡麻をするような手の仕草に、アスとレイナとエリティアは何とも言えない表情を浮かべていたが、ソラは気にすることなく、皆へと手招きをして、先を歩いていた。
「ほら、早く行くよ。ゴーゴー!」
そうして彼らは歩きながら、なぜあの魔物に襲われていたのかを聞くことにする。
「それがですなぁ、道中にちょっと美味しそうなリンゴを実らせた木がありまして、しかも甘い香りも漂って来るんですから…まぁ、そんなとこです。」
人面樹に実るリンゴはとても美味しいと有名で、高級食材として取引される程なのだが、それは獲物を誘い出すための罠でもある。なので、この男はそれにまんまとハマりに行っていたということだ。
「うーーん…ソラ、私でもそれくらいの自制心は持ってるわよね?」
「だよな。食いしん坊シスターのお前でも、余程のことが無かったらな。」
その何気ない会話に、商人の男はバツが悪そうな表情で、苦い笑いを漏らしていた。
「まぁまぁ、そのお陰でこんなにも採れたんださぁ。街で良い値で買ってもらいますよ。よければ、一人ずつ要りますかな?こいつは助けてくれた、お礼と思ってくだせぇ。」
そう言って、男は袋から人数分のリンゴを一つずつ渡してきた。人面樹のリンゴということもあり、とてもツヤのある真っ赤な色で、甘いスメルが鼻へと容赦なく侵入してくる。
「甘い!噂には聞いてたけど、これでアップルパイを作りたいな」
ソラはもう既に貰ったばかりのリンゴに齧り付いており、シャクシャクとした良い音と共に、甘い果汁が喉を通っていく。ソラがリンゴの半分を齧り終えたところで、一行は街の入り口へと辿り着いた。
そこにはギルドから派遣された用心棒の二人が立っており、目的を話すと、すぐに街の中へと入れてもらえた。
街は人々の賑わいと共に小気味良い鉄を打つ音で溢れており、工房の方では職人達の手によって火花が飛び散ったり、型に鉄を流したりとしている。
「見てよアス!大剣作ってるよ!」
「おっ、ほんとか?」
ソラの無邪気な提案に、意外にもアスは乗り気で付いていき、男のロマンというのだろうか、作ってる過程へと、目を釘付けにさせていた。
「ソラ…アス…男の子の好きなものって、分かるようで分からないような…」
「なんだか私も疑似感があるわね…リディウスとフレクスも、こんな感じだったような…」
男子二人が目を輝かせながら見物する姿に、レイナとエリティアは苦笑いを浮かべていた。
「じゃあ、私は行きまさぁ。この街のギルドは噴水のある広場の方にあるらしいんで、そこに向かってくだせぇよ。あと、宿は早めに取っておいた方がいいと思いますよ。それじゃあ、良き旅を希望と共に。」
旅人への決まり文句とアドバイスを言い残し、商人の男は大きなカバンを揺らしながら、人混みに紛れて行った。ソラとアスも満足したようで、女子二人のところに戻ってきた。
「よし、まずは宿屋に行こうか。ギルドに行くのは、それからでも遅くないからね。」
3人も特に断る理由もないので、ソラの言葉に賛成して、泊まるための宿屋を探し始めた。
街の人たちに部屋の綺麗さやら値段などを聞き周り、最終的には普通の宿屋、でも少し値段は安いというような場所を選んだ。
さすがに四人全員で一つの部屋に泊まるのは狭いので、ニ部屋を取ってもらい、男女で別れることにした。
早速部屋に入ったソラとアスは、柔らかいベッドの端に座り、腰に下げている互いの剣を見比べ合う。
「なぁアス、この剣もそろそろ寿命かな」
「俺もだな。だいぶ使い込んでるから。」
彼らの剣はそこら辺で売ってる鉄の剣なのだが、かなりの使い古しで、手入れなども自分達でしているのだが、彼らの流す魔力や魔法によってパッと見だと分からないが、そのガタが来ようとしている。おそらく、次の戦闘で確実に壊れてしまうだろう。
「新しい武器を探すかぁ…でも、最近は武器の値段が上がってるって言うからな」
その値上がりには、鍛冶の技術がある街や村を占領するルクス帝国の影響や、この時期になると、新人の冒険者達がギルドに加入して来る数が多いなどの理由もある。
「「ギルド、行くか」」
村を出る前に渡された金はあるが、これからは旅の途中で食料なども買わないといけないし、このように宿代も払うので、やはり稼がなければすぐにでも無くなってしまいそうだ。
なので、今の彼らの目的は、ギルドの依頼で金を稼ぎ、それを元手に武器を買うことに決めた。
to be continued……
如何でしたかでしょうか?
近頃は周りでインフルエンザが流行っていると聞いておりますので、皆さんも気をつけてくださいな。
それでは、また次のお話で。
よろしければ、ここを直したら良い!とかのコメントがお願いします。




