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鳴門海峡の渦潮はあらゆるものを吸い込む

ヴェンチャーネ「すくえばいいのか!」

宇治山「そうだ!ヴェンチャーネ!おれがタッパーを持つ!そして蓋を開けて米をすくう!そして蓋を閉める!こうすれば一つのタッパーにコメが収納出来る!これを繰り返せば米はどんどんと減っていく!」

ヴェンチャーネ「わかった!じゃああとは、宇治山!実行してくれ!」

宇治山「わかった!」

宇治山は近くにある大きなタッパーを見つけて、タッパーを持ち上げて蓋を開けた。

宇治山「ヴェンチャーネ!今から米袋にタッパーが突入する!衝撃に耐えてくれ!」

ヴェンチャーネ「あぁ......」

宇治山「いくぞ!」

米袋の中にタッパーが勢いよく突入する。

ヴェンチャーネ「ああっ!んがっ!!!」

宇治山「おい!大丈夫かヴェンチャーネ!大丈夫だ!中に入ったタッパーは無事米に侵入!今から引き出して蓋を閉める!」

ヴェンチャーネ「うぁ」

米袋の中のタッパーが勢いよく袋から飛び出し、その刹那に蓋が閉まる。

タッパーには米が満ちる。

宇治山「やった!沢山入ったぞ!しかも大きいサイズだ!」

ヴェンチャーネ「何グラムだ......」

宇治山「すまん、大きくて近いって理由で適当に取ったんだ!それで、今からそのサイズを確認するんだ!ちょっと待っててくれ!」

宇治山はタッパーのサイズを確認する。

宇治山「特大お得用タッパー......内容量1000グラム。」

宇治山はタッパーの商品名を読み上げた。

宇治山「1000グラム!つまり1キロだ!おいヴェンチャーネ!1キロだったぞ!今その米袋から、1キロ米が減ったんだぞ!」

ヴェンチャーネ「なんてことなの......まさか1キロも減らすことが出来るなんて。」

宇治山「そんな信じられないような顔するなって!これが現実なんだ!同じようなサイズがこの辺をゴロゴロしているんだ!だから、これを繰り返せばあっという間に10キロの米はなくなるんだ!」

ヴェンチャーネ「それはとても素晴らしいことだ、早く、早く米をタッパーに」

このまま、宇治山はタッパーに米を移す作業を何回も繰り返した。

そして......

宇治山「おい、これで、最後だ、最後のタッパーだ。」

宇治山はタッパーの蓋を開ける。

宇治山「ヴェンチャーネ、もう軽いだろそれ、もう量は少ない、見た目は恐らく500グラムあるかないかぐらいだ、だからもうこれで最後になるんだ。」

ヴェンチャーネ「うれしい、おわれる、うでが、きついよ。」

ヴェンチャーネは米を持ち上げ続けて、ついに腕を壊してしまったようだ。

宇治山「後で、治癒で治してくれ。」

宇治山はヴェンチャーネを治療しない、宇治山はタッパーで移す作業の途中ヴェンチャーネからあることを聞いていた。

~ちょっと前に回想~

あれは四回目だっただろうか。

宇治山「おい、ヴェンチャーネ、持ちすぎだ!それ腕が、おかしいじゃねぇか!」

ヴェンチャーネの腕は血管が丸見えになっており、腕の5割ほどが、赤色に染まっていた。

ヴェンチャーネ「だ、大丈夫よ。」

宇治山「とても大丈夫そうには見えないぞ!」

ヴェンチャーネ「正直言うと、きつい。」

宇治山「やっぱりそうじゃねぇか!病院行くか!?」

ヴェンチャーネ「嫌。私は優れた自己治癒能力があるの、治すのに30分掛かるけど、それが経てば完全に治るわ。だから、米を移し続けて、お願い。」

宇治山「ヴェンチャーネ!わかったよ!」

~こうして、宇治山はヴェンチャーネから自己治癒能力について聞いて、治癒が可能なので、治癒を待つことにした。~

宇治山「行くぞ、ヴェンチャーネ......!」

宇治山は最後のタッパーを米袋に突っ込む。

ヴェンチャーネ「あががががっ!!!」

宇治山「くっ......やはり最後は強敵だな。」

宇治山は最後の最後に悪魔と遭遇した、米をすくう以上どうしても避けることの出来ない、不可避の存在、こればっかりはすくえない、不可能だ。

最後の最後で諦めるしかない、だが、ここで諦めていいのか、何か突破口がある、思い出せ、日本の米を思い出せ、米はどこにある、田んぼだ、田んぼには何がある、泥だ、泥は何で出来ている、土と水だ、水は何だ、液体だ、自然の水は何がある、川だ、池だ、沼だ、湖だ、海だ。

海だ、雄大な自然、しかし自然は豊かとは限らない、災害もあるが、それは災害ではない。

こうして考えを巡る内にあることを閃いた。

鳴門。

宇治山「そうだ、鳴門だ。」

鳴門、地名として有名だが、他にも有名なものがある、渦。

鳴門は四国で、四国と淡路島の間にある渦潮。

その渦潮は、何がある?渦潮だ、渦潮は回っている。

つまり、回ればいい。

宇治山「そうか、渦になればいいのか。」

そう言うと、宇治山はタッパーを高速回転させた。

宇治山「鳴門海峡の渦潮は、あらゆるものを吸い込む魔の渦潮だ、あそこには魔物が潜んでいてもおかしくない、だからその鳴門海峡の渦潮の如くタッパーを回せば、米は空気の渦潮に巻き込まれて自然と渦潮の中心であるタッパーに入る。」

その言葉のとおりにタッパーに面白いように米がはいり、ついには終わる。全て入ったのだ。

そして、宇治山はタッパーの蓋を閉め、全てのタッパーに米を収納することに成功した。

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