第77話 (コンフィの章)甘味と再会の香り
今回のお話は、ちょっと一息…と思いきや、
しっかり物語が動き出す回ですの!
コンフィの日常と、
彼女を追う者たちの想い。
甘い香りが導く先にあるものとは……?
ぜひ、最後までお楽しみくださいませ✨
・⋯━☞學園生徒会室☜━⋯・
「よぉし! よおーーしっ!
ついに! ついに見つけたよアン!
待っていてくれ! すぐに行くからね!」
「ううむ……今は、そっとしておいてやれよ」
「何か言ったかい?」
「いや、何も……」
ついに!
コンフィの潜伏場所が、
シェンブリィ王子にバレてしまった!
まだ、この事を知る由もない
コンフィは、どうするのか……
・⋯━☞飲み屋ベリタス2階☜━⋯・
「ふぁ~~~ひぃ~~~ふゅう!」
伸びをして大きなあくびをするコンフィ。
「ふぁあぁあぁあぁ~~~ん」
「はぁ~~~ふっ!」
コンフィの真似するかのように、
大きなあくびをするプチコンフィとクロフィ。
しかし、もうとっくに二の鐘が鳴った頃。
そう。もうお昼すぎである。
コンフィは、5日間は毎日三の鐘から、
鐘一つ(約6時間)ほどまで仕事をして、
次の日の昼間で寝ている。
そして、2日間の休みをもらう。
そんな生活が、ようやく、
当たり前になってきた頃だった。
••✼••御着替四つ後••✼••
(約2時間後)
「ほら! できたわよ? ふぅ~~~」
「わあ! ありがとう!」
今日、また新しく作った……
いや、クロフィに作ってもらった魔導具とは、
「大魔女ラカ」が開発したという、
「スライム餅」
という、まるでスライムのように、
プニプニクニュクニュしていて、
冷んやりとした白く半透明なオブジェの、
とても甘く美味しい菓子だそうだ。
いわゆる、「わらび餅」である。
コンフィは、繁華街でスライム餅を食べて、
それはそれは、もう感動!!
この世の中に、こんなに甘く美味しい物が
存在するのか……と大絶賛!!
ただ、冷やされた甘味なので、
その場で食べることを勧められたのが残念。
そこでコンフィは考えた!
「お餅だけに、お待ち帰りできる」
仕様にするぞと意気込む!
そして、これも大魔女ラカが開発してという、
「冷蔵箱」
と呼ばれる小さな箱を利用して、
長時間冷やせる魔導具を使わせてもらった。
「冷蔵箱」
繁華街などでも、どこにでも売られている。
氷属性に変化させた魔石の、
2mm玉を使用。
4~6℃に設定しているので、
割と魔力消費はゆるやかで、12時間持つ。
何日も冷やしたい場合は、1日に2回ほど、
魔力とチョイと込めるだけでOKらしい。
ただ、150万チャリンと、
小さな箱だが、お高い代物。
家や店などで使う、
「冷蔵収納箱」(冷蔵庫)
なるものは、
800万チャリンもするのだから、
冷やす物が少ないのなら、
「冷蔵箱」は、お勧め!
なにせ、これを一つ買っておけば、
いつでも冷えたスライム餅が食べられる!
これはただ、コンフィが食べたかったから、
思いついただけだったのだが、
もう、大流行りとなる。
そして、「スライム餅」。
スライム餅を作る魔導具の開発だが、
本体は、「小さめのお鍋」を使用。
名前を、
「スライム餅の鍋」(まんま)
と、名付けた。
スライム餅の材料。
デンプン粉(片栗粉)50g。
砂糖30g。
魔力水250cc。
粉砕豆(きな粉)一掴み。
作り方。
「スライム餅の鍋」に材料をぶっ込む!
デンプン粉、砂糖、魔力水を混ぜて
攪拌しながら、
火属性の魔石(カーネリアン2mm玉)で
加熱させて半透明になった状態になる。
次に、
風属性の魔石で、
砂糖と粉砕豆を攪拌。
最後に、
氷属性の魔石(クリスタル2mm玉)で
4~6℃に冷やされ完成!
なんとこの工程を、ほんの、
「御目覚め(約3分)」でできちゃう!
約2人分ほどの、スライム餅が作れる仕様だ。
本来なら、蜜を作るときには、
加熱しながら色が変わる頃合いを見て、
火加減を調整しなきゃなのだが、
そこはやはり、
「ご都合主義な何でもありの異世界!」
これで出来ちゃうのだから、羨ましい限りだ。
クッキーを作る魔導具の、
「クッキー屋さん」
よりもお安く作れたので、
300万チャリン販売する予定。
高いじゃん!
と、言うなかれ?
魔導具一つで、あとは材料さえあれば、
大人気な甘味が作れるのだ!
店を持たずに商売ができるのだから、
300万チャリンなら、お安め価格である。
(本当かよ?)
••✼••スライム餅完成!••✼••
「んん~~~!! おーいしぃー!!」
「わあ! 甘い! 美味しいですわぁ!」
「んま! マジ美味しい!」
「コンママ、これも売りますの?」
「え? 売ったりしませんわよ?
せっかく作ったの勿体ない!」
「「なんで?!」」
「ええー? だって、
私は、スライム餅が食べたかったから、
使った魔導具なのですもの!」
「「ええ~~~?」」
「あのね、コンママ?
これを開発するのに、
500万チャリンも使ってるのよ?
その元を取らなきゃ!!」
「……それも、そうですわねぇ?
わかりましたわ!
また新しく作ればいいですものね!
では、売りましょう!」
「「いえーーーーーい!」」
プチコンフィとクロフィが、
なぜここまで利益にこだわるの?
それは……
「お金がたくさんあれば、
虹のキノコもたくさん買えるから!」
これに限るのであった。
今では、コンフィよりも世情に詳しい、
プチコンフィとクロフィだった……
「さて……スライム餅は、
もし売るとしたなら、幾らにしましょう?」
コンフィが、
プチコンフィとクロフィに聞いてみた。
「1人分なら、5つくらいでいいのでは?」
「そうね! なら、1人分を5つとして~
5000チャリンではどうかしら?」
(とんでもなく高く設定するクロフィ)
「?!……(汗)」
「ちょっと、高くないかしら?」
「…………うんうん(汗)」
「少しくらい高くてもいいのよ!」
「え?……少し?」
(額に指を突いて考え込むコンフィ)
「そうでしょうか? では、それで!」
「…………あの、貴女たち?」
「「なに?」」
勝手に、値段設定までし始める
プチコンフィとクロフィ。
「スライム餅5つで、5000チャリンというのは、
流石に高すぎはしませんか?」
「「ええーー?」」
「だって、わたくしの1日のお給料は、
15000チャリンですのよ?」
「「うん! 知ってるー」」
「……ですわよねぇ?
そこで、もしわたくしがスライム餅を
買うとしたならば、わたくしのお給料では、
スライム餅がたったの3人分しか、
買えませんのよ? おわかりかしら?」
「「わかってるわよ」」
「…………なら、もっとお安く……」
「はぁ~~~……わかったわよ!
じゃあ、5つで4500チャリンでは?」
「ええっ?! あまり、変わって……」
「5500チャリンならどう?」
「ええ?! 高くなってる!!
500チャリンで、売りますわ!」
「「ええええええ~~~?!」」
「もう、決めましたわ! 異論は認めません!」
「「ええええええええ~~~!!」」
少々、金銭感覚が麻痺してきた、
プチコンフィとクロフィであった……。
そして、次にコンフィが気に入ったものとは?
ズバリ!
「腐り豆」
であーる!!
いわゆる、納豆であった。
「見て見て! プチコンフィ! クロフィ!」
「「なに?」」
「これ!これ!
繁華街で、食べさせてもらったのですが、
とぉーっても美味しいですの!!」
「「?!……(汗)」」
「ほら、こうやって~こうやって~~~」
コンフィは、腐り豆をスプーンでかき混ぜ、
ヒョイと持ち上げて見せる。
すると、みょ~~~んと、糸を引く。
「クロフィ?
この、腐り豆を作る魔導具も、
作ってほしいのだけれども……?」
「「いやあぁあぁあぁ~~~!!」」
何を思ったのか、突然悲鳴をあげて、
慌ててコンフィから距離をおく、
プチコンフィとクロフィン。
腐り豆を左手に持ち、
右手でスプーンで糸を引いた腐り豆を
持った姿勢で固まるコンフィ。
「…………え?」
「「蜘蛛の巣! 蜘蛛の巣~~~!」」
「あはっ! これは、蜘蛛の巣ではなくて……」
「「くっっっさぁーーーーい!!」」
「ええ……(汗)」
うん。確かに腐り豆(納豆)は臭い。
だが、とても美味しい食べ物には違いない。
しかし、プチコンフィとクロフィには、
いわゆる納豆の臭いがダメなようだ。
香りに敏感な妖精だからなのか?
「た、確かに、独特な臭いはしますが、
でもでも! とても美味しいですのよ?
少し、食べてみます? ほら!」
「「ぎゃああああああああーーーー!!
近づかないでぇーーーーーーー!!」」
ピューーーーン……
とてつもない速さで逃げる、
プチコンフィとクロフィ。
「∑(Ⅲ ̄□ ̄)!!…………_| ̄|○ il||li」
ガクッ……
コンフィは、その場に、
脱力人形のように、崩れ落ちた……
今まで、
「甘くいい匂いがする」
と言われていたのに
「臭い」
と言われて、思考が停止するほどの
ショックを受けたのだった……
コンフィは今後二度と、
「腐り豆を食べてはいけない罪」
に、処されてしまったのだった。
第77話、お読みいただきありがとうございます!
今回は、
・スライム餅(わらび餅)
・腐り豆(納豆)
と、食べ物ネタ多めでしたが、
書いていてとても楽しい回でした♪
そしてついに――
コンフィの居場所に、あの人たちが……!
次回、いよいよ再会なるか!?
引き続き、応援よろしくお願いいたします✨




