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女装剤(ある女騎士の事情)  作者: 嬉々ゆう


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88/90

第76話 (コンフィの章)繁華街から始まる奇跡

市井生活を始めてから、しばらく——。


慣れない日常、初めての買い物、

そして、ちょっとした衝動。


だがそれが、思わぬ才能を呼び覚ます。


これは、ひとりの少女が“普通”を知り、

そして“普通ではない何か”を生み出してしまう物語。


 ••✼••市井生活2週間後••✼••

 

  ・⋯━☞繁華街☜━⋯・


「おーい! ミーシャちゃ~ん!」

 (アクセサリー屋から声を掛けられる)


「あ! おじさ~ん こんにちは~」

『俺の方がおじさんなのになぁ……』


「今日、ミーシャちゃんにピッタリなの

 入ったんだけど、欲しいなら安くしとくよ?」


「ホント!? どんなの? どんなの?」

『おお! 見たい! 見たい!』


「あと、大魔術師ミスティリオが作ったという、

 ︎︎゛空間拡張型オムツ︎︎゛︎もあるよぉ~」


「あ──それ、いーです……」

『ミスティリオって、メーべじゃない!』



 メーべは、「ミスティリオ」という名前で、

 様々な魔導具を開発しては、商業ギルドなどで

 販売していると聞いていた。

 メーべの作った例のオムツが、まさか、

 こんなところにも流れてきているなんて……



「ミーシャちゃん! コッチにもおいでぇ~」

 (コスメ屋から声を掛けられる)


「え~なに? 後で行くねぇ~」

『なんだか最近よく声を掛けられるなぁ?』


「大魔女ラカ様の発明したリップだよ!」


「リップって、唇に塗るアレ?」


「そうそう! ミーシャちゃんに似合う

 ピンク色のがあるよぉ~

 あと、爪に塗るタイプもあるよぉ~」


「ほしい!! 後で絶対行くからぁ~!」

『おお~! ほしい! ほしい!』


「絶対だよ! 待ってるからねぇ~」


「おいおい! コッチが先だぞー!」


「わぁーってるって!」


「あ、どっちも行くから喧嘩しないでね?」


「「喧嘩しない! 喧嘩しない!」」


「ほっ……」



 この頃のコンフィは、誰が見ても、

 普通の女の子をしていた。

 コンフィ本人には、自覚は無いが……



 ・⋯━☞飲み屋べリタス2階☜━⋯・


「はぁ――……疲れた(汗)

 12000チャリンも無駄遣いを

 してしまった……」


 結局……

 4mm玉の魔石のブレスレットと、

 ピンクのリップと、

 ピンクと、水色のマネキュアと、

 甘い実の香りの香水を買ってしまった。


 魔石のブレスレット8000チャリン。

 ピンクのリップ1000チャリン。

 ピンクのマネキュア500チャリン。

 水色のマネキュア500チャリン。

 

 買いすぎた……(汗)


 飲み屋べリタスでは、毎日給料を貰える。

 日給制というやつだ。

 コンフィの日給は、15000チャリン。


 硬いパン1つで、約50~100チャリン。

 大きさは、直径30cmほどで中々大きい。

 コンフィなら、1つでお腹いっぱいになる。


 玉子1つで、約100チャリンと、結構高い。

 オーク肉ベーコン1切れで、200チャリン。


 なので、コンフィの1食分は、

 約350~400チャリン。

 節約して、3食とも同じにして、

 1日の食費は、1050~1200チャリンとなる。


 しかし、虹のキノコは1つ、

 1500~2000チャリンもする。

 特殊な魔法薬の材料にもなるので、

 虹のキノコとは貴重品なのである。


 なので、コンフィ1日最低でも、

 自分の食費代の1200チャリンと、

 プチコンフィとクロフィの食費は、

 12000チャリン。

 コンフィよりも、10倍となる。

 うええええ~~~?!


 なので、 コンフィの食費1200チャリンと、

 プチコンフィとクロフィの食費の

 12000チャリンを合わせて、

 13200チャリンが必要になる。


 ギリギリである。

 

 コンフィのお仕事は、俗に言う夜のお仕事。

 約6時間で、1万5千チャリンとは、

 16歳の女の子のお給料としては、

 めちゃくちゃ多い方だ。

 コンフィには、当然ながら自覚は無い。


 女の子とは言ったが、この世界、

 「アストランティア」では、

 15歳で成人扱いである。

 もちろん成人なんて概念は無いのだが、

 一般的に、仕事に出る年齢とされている。


 とはいえ、衝動買いしてしまった。


 でも、欲しくなったんだから、仕方がない!

 今までアクセサリーやコスメになんて、

 全く興味など無かったのに……


 何故?!


 

「ヤバいですわ……マジヤバいですわ……」


「どうしたのコンママ?」

「どーしたのー?」


「貯めていたお金が、一気に減った……」


「あら……」

「あれま!」


「ううむ どうしましょう? どうしましょう?

 どうしましょう? どうしましょう?」

 パタパタパタパタ……



 コンフィは、部屋の中をウロウロと

 歩き回りながら、ブツブツ言っていた。

 

 今までお金の事になど心配した事は無かった。

 貴族令嬢だったので当たり前である。

 今は、貴族令嬢としての身分はあるが、

 一般人(平民)として暮らしているので、

 寝泊まりはタダにしてもらっているが、

 自分の食扶持くらいは自分で稼がなければ!


 いや、いつここを追い出されるか?

 それも、考えておかなければ!

 パンデゥワンの事だから、

 それはありえないとは思うものの、

 最悪の事態は考えておかなければ……!


 さて、もっと稼げる方法はないものか?

 プチコンフィとの最弱の融合では、

 6時間が限界である。

 市井に居る以上は、変装は必須!

 物理的に変装するだけでは、スグバレ!


 あーもーどーしよーん(汗)


 なんて、考えていたら、

 クロフィンが面白い事を言い出した!



「じゃあさぁ!」


「お! クロフィン!

 何かいい案がありますの?!」

 「ありますの?!」


「いい案かどうかは分からないけれども、

 コンママの買ったアクセサリーにさ、

 適当に付与魔法付けて、転売したらどう?」


「え? そんな事ができますの?」


「簡単よ! 私は負の魔力から生まれたから

 ”呪”は外せないけど、きっと良いものが

 作れるはずだわ!」


「……のろい?」

 「……のろい?」


「うん、そっ! 呪って言っても、

 ”一度付けたら浄化するまで外せない”

 これが先ず基本ね!

 MP倍になるとか~

 力が倍になるとか〜

 HPが倍になるとか〜

 全ステータス50%UP!するとか~

 足が早くなるとか~

 まあ、色々できるわね!」


「それ……めちゃくちゃ良くないですか?」

 「良くない? すんごーく良くないですか?」


「でしょ? きっとバカ売れするわよん!」


「うぅーん!……それですわぁ!!」

 「それですわ!」



 コンフィの瞳はもう完全に、

 昭和の少女漫画のキラキラ瞳になっていた。


 つまり!

 コンフィ風~

 メーべ・キユン・ベルドランデ並の魔導具が、

 作れるかもしれない!!

 そしてもしその魔導具が売れたら大儲け!!

 そうなれば、自分の欲しい魔導具も、

 作ってもらいましょう!



「ねぇねぇ? お金いっぱい入りましたら、

 何を買いますか!?」


「わたくしは、虹のキノコですわ~~~!」


「じゃあ、私もやっぱり、虹のキノコかな?」


「なるほど! では、わたくしは~~~

 甘いものいっぱい!!」


「「おおおおおお~~~!!」」

 パチパチパチパチパチッ♪


「では、お金がある程度貯まったなら、

 わたくしの欲しい魔導具なんかも、

 作ってくれますか?」


「もちろんよ! まっかせなさぁーい!」


「「おおおおおお~~~!!」」

 パチパチパチパチパチッ♪


「では? では?

 材料さえあれば勝手(自動的)に甘いお菓子などを

 作ってくれる魔導具などは作れますか?!」


「え?……ああーーうん?……うん!

 たぶん、作れると思うわよ?」


「おおおおおおお~~~!!」

 パチパチパチパチパチッ♪


「「…………(汗)」」



 コンフィは、盛り上がっていた。

 取らぬ狸の皮算用で……。


 しかしどこからか、

 「変身魔導具じぁねぇーのかよ!?」

 と、聞こえてきそうだ。

 どうやらコンフィは、ドゥークの頃よりも、 

 随分とオツムが弱くなっているようである。


 そして、この日。

 コンフィが繁華街の店で買った、

 「魔石のブレスレット」に、

 「一瞬で御着替ができる魔導具」

 を、試しに作ってみたら、これが大成功!

 

 魔石のブレスレットには、

 4mm玉の魔石が38個繋がったもの。

 10個のラベンダーアメジストに、

 他の28個はクリスタルとなっている。

 

 ラベンダーアメジストに、

 「空間拡張収納魔法」が付与されていて、

 全部で10個の着替えの服などが収納できて、

 他のクリスタルは、魔力の電池の役割だ。

 

 4mmには、8魔力充填できるので、枯渇したら、

 自分で魔力を込めることで回復できる。

 電池の役割をするクリスタル魔石は、

 全部で28個あるので最大蓄積魔力は224となる。


 服を1枚着替えるためには、2魔力消費する。

 着ている服を脱ぐためと、

 収納されている服を着るためである。


 仮に、一度に10枚の衣服を着替える場合は、

 20魔力消費することになるので、

 単純に計算すると、魔力の補充無しでなら、

 11回使用可能という代物だ。


 この、魔導具には、

 「御着替えブレスレット」

 と、コンフィは名付けた。

 そしてなんとこの、御着替えブレスレットが、

 一つ20万チャリンで買い取ってもらえたのだ。


 しかも、欲しいという人が沢山現れて、

 追加で作成注文が入り、

 1日に5個しか作らないが、即完売だそうだ。

 なので、コンフィの日給は、

 なんと、100万チャリンとなったのだった。


 その後、ウエストポーチを雑貨屋で購入して、

 クロフィに空間拡張収納魔法を付与してもらい、 

 コンフィは手ぶらで、最大級コンテナ2個分の

 収納が可能となった。

 容積で言うなら160㎥。

 水だけなら160tまで収納できる優れものだ。



  ••✼••更に1週間後••✼••

   ••✼••お昼頃••✼••

 

 ・⋯━☞1階厨房☜━⋯・


 コンフィたちは、1000万チャリン近くの

 小金持ちになっていた。

 もちろん夜の飲み屋の仕事も、

 キチンとしている。

 仕事は、5日働いたら、

 2日お休みをもらえる約束だ。


 そして、今日はお休みの日。


「このお鍋に、調理魔法を付与しろと?」


「うん! そういうこと! できる?」


「ううん……できるのは、

 できるんだけどぉ~~~」


「難しいですか?」


「うぅん! 簡単……とは言わないけど、

 できない事もないわよ? ただ……」


「「ただ?」」


「消費魔力が、すんごい事になるわよ?」


「「ええー?」」



 コンフィがクロフィに作成をお願いしたのは、

 クッキーを自動で作ってくれる魔導具だ。


 魔導具の本体となるのは、

 なんの変哲もない、ただの鉄製のお鍋。

 作るクッキーとは、簡単レシピなもの。

 

 ここで必要なのは、

 「大魔女ラカ作成」の計量カップを使用。

 (カップ)と記する。

 カップに物を入れると、AR表示で、

 物の重さが表示される便利魔導具。

 これを使用基準とする。


 ・⋯━━☆★☆━━⋯・

 材料は、クッキー30枚分。


 小麦粉を、カップで200g。

 砂糖を、100g。

 バターを、100g。

 卵黄を1個分。


 上記の材料を、クッキーの生地にする工程。

①バター、砂糖、卵黄を合わせて、

 魔法で攪拌かくはん。生地生成。

 10魔力消費。


②真空魔法で、できた生地から空気を抜く。

 3魔力消費。


③時間魔法で(御着替分)経過させる。

 5魔力消費。


④適当な大きさ形に分解。

 5魔力消費。


⑤火魔法で170℃の温度で焼き、

 時間魔法で(半御着替)経過。

 10魔力消費。


⑥水魔法で常温にまで冷却。

 2魔力消費。

 

 これでクッキーの出来上がり。

 消費魔力は30。


 ・⋯━━☆★☆━━⋯・


 これらの工程を、たったの数秒でできる、

 超便利な魔導具だ。


 コンフィは、この魔導具を、

 「クッキー屋さん」

 と、名付けた。


 確かに便利なのだが消費魔力が半端ない。

 ノーマル状態のコンフィなら、

 一度使うだけで、ヘトヘトになってしまう。


 なので、6mm大の魔晶石を使用。

 魔晶石なら、どんなに魔力を消費しても、

 しばらく待てば魔力は回復するのだ。

 

 ただ、6mm大の魔晶石でも、

 買うとなれば、600万チャリンもする。

 そして、魔導具本体の価値は、

 300万チャリンだそうだ。

 なので、クッキー屋さん一つで、

 900万チャリンもする代物。


 そして、クッキーは、

 1枚100チャリンである。

 高っ!!


 こんなクッソ高いもの、誰が買うんだよ?


 とは思うでしょう皆様?

 買う人が居るのですよ! 本当に。

 当然ながら、お貴族様ですけどね?


 それより、コンフィはどうやって、

 魔晶石を手に入れたのか?

 

「聞かないでくださいませ……(汗)」


 そして、このクッキー屋さんが、

 飲み屋ベリタスで、フル回転させる事となる。



   ••✼••更に2週間後••✼••


 ・⋯━☞學園生徒会室☜━⋯・


 いつもの生徒会室。


 だが、生徒会員のはずの、

 フリージア、メーべの姿は無かった。

 コンフィの居ない場所になど、

 居る意味が無いと、気力なく落ち込み、

 来なくなっていたのだ。


 初めは、生徒会員としての責任放棄だと、

 いろいろ言われたが、シェンブリィ王子が、

 彼女らの気持ちを汲んであげていたのだ。



「ふぅん……これが今、この王都で流行ってる

 クッキーなんだね?」


「はい そのようですね」


「ふーん……君、食べたことはあるかい?」


「いえ まだありません」


「そうか……」



 コンフィの作ったクッキーが今、

 シェンブリィ王子の手にある。

 大きな皿にチョコンと2枚だけ乗せられ、

 その上にガラスのボウルを被せていた。

 

 貴族の手に渡ったのは十日ほど前で、

 お茶会などで爆発的に一気に広まり、

 今では大枚を叩いても入手が困難なほどの、

 大人気な甘味になっているとのこと。

 王妃ですら、未だに食べた事がないそうだ。

 

 そしてこの日、やっとの思いで、

 シェンブリィ王子は、たったの2枚だけだが、

 手に入れる事ができたという。


 しかも、1枚25000チャリンにもなっいた。



「おいおい、そんな一見質素な菓子がなんだ?

 たった1枚が二万五千チャリンって、いったい

 その菓子にどんな秘密があるってんだよ?」


「そうだよね? どう見てもただの甘味だが、

 一つ食べるだけでも、

 数日間もとても幸せな気分になるそうだ」


「はあ? なんだぁーそりゃあ?

 なんかヤバい薬でも入ってんじゃねーの?」


「僕も、それを疑ったよ

 でもね、あのバリヤージュ夫人がだね、

 つい先日このクッキーを食べたと言うんだよ」


「ほお……それで?」


「ふむ それがさ、確かに数日間も、

 とても優しく幸せな気分に包まれたんだとさ

 だがしかし、このクッキーを食べたという

 他の貴族の者たちには感じなかったらしいが、

 バリヤージュ夫人は、涙が止まらなくなるほど

 甘く切ない気分にもなったんだそうだよ?」


「はっ! 本当かよ?

 ただのクッキーだろう?

 バリヤージュ夫人ともなれば、

 そんな質素なクッキーなんかよりも、

 もっと豪華な甘味が手に入んじゃねえの?」


「そうなんだよ だからこそ、そこなんだよ!」


「はぁん? なんの事を言ってんだ?」


「王都一の甘味好きと言っても過言ではない、

 あのバリヤージュ夫人がだよ?

 クッキー一つで、幸せな気分になれると、

 涙が止まらなくなるほどに甘く切なくなると!

 あの人がここまで褒めるなんてことは……

 不思議に思わないかい?」

 

「ううん……くっそ甘いとか?」


「はあ……君は本当に興味が無いんだね?」


「はんっ! ある訳ねぇだろ!

 だいたい、クッキー一つ食っただけで、

 幸せな気分ってなんだ? 意味わかんねー!」

 

「ははっ……まあいいさ

 とにかく、僕は一つ食べてみるよ」


「ふん……ご自由に」


「殿下! おやめください!!

 平民の作ったものなど、口に入れるのは……」


「ふふん 君、毒味と称して、

 自分も食べてみたいだけじゃないのかい?」


「うぐぐっ……決して、そのような……」

 (図星)


「大丈夫だよ! 僕には毒など効かないのは、

 君は知っているだろう?」


「……は」



 そう。シェンブリィ王子には毒は効かない。

 潜在魔力が高く、毒物などが中和されるよう

 幼少の頃から訓練されているのだ。


 シェンブリィ王子は、

 クッキーの入ったガラスのボウルを、

 そっと取り外す。

 すると、その瞬間!……



 フワッ……

「うっ!……」


「どうした?! シェン!!」


「殿下!?」


「………………」

 (目をカッ!と見開くシェンブリィ王子)


「なんだよ! 何とか言え!!」


「殿下!! くそっ! やはり毒……」

 バタバタバタバタッ!



 生徒会室では、シェンブリィ王子の反応で、

 大騒ぎとなってしまう。

 シェンブリィ王子が、クッキーの入った皿の

 被せのガラスのボウルを掴んだまんま、

 目を見開き何も言わずに、

 フリーズしてしまったのだ。


 そして……



「皆、静かにしろ!!」


「「「「?!……」」」」


「おい! 何があった?!」


「……見つけた 見つけたぞ!」


「はあ? 何がだ?」


「……殿下、大丈夫なのですか?」


「ああ、大丈夫だ それより……

 このクッキーは、何処で手にいれた?!」


「はっ! 出処は、繁華街にある、

 飲み屋ベリタスとのことです!」


「飲み屋ベリタス?……はっ!

 そうか! そうだったのか!!」


「おおい! 自分だけ納得してないで、

 俺にも説明しろよ!!」


「ほら、上半期の模擬試合のあった日、

 君も覚えているだろう?」


「うん? ああ、あの日のことなら……」


「あの日、アンが學園から飛び出して、

 身を潜めていた場所こそが、この、

 飲み屋ベリタスなんだよ!!」


「はあー?! マジかよ!!」


「ああ、間違いない!

 それに、このクッキーを作ったのは……

 アンに間違いない!!」


「「「「うええええええ~~~?!」」」」

 すっぴょ~~~ん!


 

 生徒会室の全員が飛び上がった!

 今日この日まで、王都に居るという事しか

 分からなかったコンフィの足取りが、

 一気に辿り着いた気がしたシェンブリィ王子。



「は、は? 本当かよ?

 なぜ、そんな事がわかるんだよ?」


「匂いだ!!」


「はあ? まぁた、それかよぉ~~」


「君、今すぐに學園を出る!

 學園長に許可を得てくれ!」


「はっ! ただちに!」

 パタパタパタパタッ! バタン!


「よぉし! よおーーしっ!

 ついに! ついに見つけたよアン!

 待っていてくれ! すぐに行くからね!」


「ううむ……今は、そっとしておいてやれよ」


「何か言ったかい?」


「いや、何も……」



 ついに!

 コンフィの潜伏場所が、

 シェンブリィ王子にバレてしまった!

 

 まだ、この事を知る由もない

 コンフィは、どうするのか……

 

第76話をお読みいただき、ありがとうございます!


今回は、コンフィの市井生活の成長と、

まさかの商売チート回でした!


そして最後には——ついにバレましたね。

王子、動きます。


次回は再会か、それともすれ違いか……?

物語が大きく動き出します。


引き続きお楽しみいただけたら嬉しいです!

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