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女装剤(ある女騎士の事情)  作者: 嬉々ゆう


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第51話 (コンフィの章)コンフィ49歳の誕生日

今回はコンフィのお誕生日回です。


祝われたくない本人の思惑とは裏腹に、

周囲は全力で祝う気満々。


果たしてこの誕生日は、

平穏に終わるのでしょうか……?


     ••✼••7月26日朝••✼••


 ・⋯━☞アザミ女騎士団施設☜━⋯・


   ・⋯━☞施設内食堂☜━⋯・


 本日、7月26日は、コンフィの

 49回目の誕生日だった。

 ああ、とうとう50へのカウントダウンが……

 だがコンフィは、誰にも言わなかった。


 なぜなら、49歳にもなって、誕生日を祝って

 もらっても、正直あまり嬉しくはない。

 でも、アンビジョーネとしては、

 王妃との話し合った設定上は17歳となる。


 普通の17歳の少女なら、誕生日ともなれば、

 嬉しくて仕方がないのだろうけども、

 コンフィは実年齢49歳。

 小学生くらいの孫がいても普通の年齢。


 って言うか、今の見た目は悪役幼女だぞ?

 こんな49歳オジサンなんてどこにいる!?

 いねーよ! そんなヤツ!

 いや、ここにいるだろ!

 ああ、そうですか! そうですわね!

 でも、ドゥークの頃からも、まともに誕生日

 なんて祝ってもらった経験なんてない。


 この世界の常識なのか分からないが、

 バリヤージュ家では誕生日を祝う習慣はない。

 仮に、誕生日だからと言ったとしても、

 「騎士のくせに、何を子供染みた事を言う!」

 などと言われてしまいそうな気がする。


 他の令嬢(団員)たちは、どうなのか?


 聞けない……。

 そんな事を聞いたら、祝って欲しいのかと、

 思われてしまいそうで、とても聞けない。


 いやいや、本当に誕生日なんて、祝ってなど

 欲しくはないぞ!


 だが、こんな取るに足らぬ些細な思いが、

 コンフィの知らぬ間に静かにフラグが

 立つこととなるとは、思いもしなかった……。


 シャー! シャシャー!


「おはようございます アンビジョーネお嬢様」


「おはよう ディア」


「おや? これは、お珍しい

 わたくしが起こしに来る前に、もう既に

 起きていらっしゃるなんて……」


「……なのね? 俺をなんだと思ってんの?

 一応、今日で49歳になるんだよ?」


「見た目は、悪役幼女ですけどね!」


「それ言う?! ハッキリ言う?!」


「ほらほら、素が出ていらっしゃいますよ?」


「おっと! いけねぇ……ではなくって、

 これは、いけませんわ はしたない!」


「……ふっ」


「はん?! なに、その、ふっ……て!」


「ほらまた! ドゥーク様が出ていますよ!」


「んっ?!……はいはい

 はぁ……ドゥーク……か」


「……ドゥーク様に、戻りたいのですか?」


「え? いやいやいや!

 今更、もう戻りたいなんて思わないよ

 せっかく若い体になれたんだし、

 女とはいえ、騎士団長にもなれたんだ

 それに、今の方が強くなってるみたいだし!」


「左様で御座いますか……」


「あ! 信じてないでしょ?

 なら、今のわたくしと対戦してみます?」


「……良いのですか?」


「ひっ! ごめんなさい! 嘘です!!」


「……はぁ~~~

 さあ、つまらない事を言ってないで、

 さっさと出かける用意をしてください!」


「つまらない?! ひどっ!!

 って、え? 用意? なんの?」


「!……はぁ~~~もぉ~~~

 本日は、アンビジョーネお嬢様の誕生日。

 なので、王妃様がわざわざ王宮で、

 アンビジョーネお嬢様のお誕生日会を

 開いてくださると、お伝えしましたよね?」


「∑(Ⅲ ̄□ ̄)!!……忘れてましたわ」



 忘れてた! そうだった!

 王妃様が、お母様との話し合いで、

 わたくしの意見も聞かずに、

 勝手に決められたのでしたわ! そう勝手に!


 うわぁ~~~行きたくねぇ~~~(汗)

 絶対に、王子も居るだろー?

 それに、ぽっと出の王姉殿下でもある、

 リーファー教官も居るだろうし。


 あ~~~ん! やだやだやだ!

 マジ、行きたくなぁ~~~い!

 誕生日だからって、別に祝ってほしくない!

 そっと、しておいてほしいのに……

 絶対に、楽しんでるだろあの親子!



「いやだぁ……いぎだぐなぁい……(悲)

 ディア、丁重に断ってくれない?」


「だぁめぇでぇすってば!

 王妃様の、お誘いをお断りするなんて、

 とんでもない! 下手をすれば、

 ご家族全員のクビが飛びますわよ?

 もっと悪くすれば、アザミ女騎士団の解散…」


「それは、ダメ! 絶対にいやだ!!

 騎士を辞めるくらいなら、死んだ方がマシ!」



 コンフィにとって、死罪よりも、

 騎士団解散の方が悪い事らしい。



「でしょう? なら……」


「はいはい! わかりましたわよ!

 さあ、行くか!」


 ポン!

「あれれ?!」

 「あれま!」



 なんとまあ、少し気が引き締まったからか、

 チビコンフィの体が大人の体に変化!

 この体では、今日から17歳になるから?

 まあ、理由はどうあれ、気の持ちようで、

 体が変化するようだ。



「ふむ……なるほど そういう事か」


「何か、ご理解になられたのですか!」


「たぶん……ね? 気の持ちよう……?

 つまり、気が引き締まると、肉体年齢が少し

 変わるようですわね?」


「ふむふむ なるほどなるほど……

 では、夜になるとお子ちゃまに変身するのは、

 わたくしが恋しくなるからでしょうか?」


「……ま、そういう事にしておくわね?」


「お気遣い、ありがとう御座います」


「あはは……(汗)」



 ディアは、あまりジョークに乗ってこない。

 そのまま受け答えされるので、調子が狂う。

 自分はジョークを言うくせに。

 いや、ジョークではなく本気なのかな?

 深く考えないでおこう……。


 コンフィは、いつものドレスアーマーではなく

 お茶会用のドレスに着替える。

 実はこのドレスは、ナデルがコンフィのために

 作ってくれたものだ。

 とはいえ、今は学園通いなので、ほとんどは

 ご両親が作ったようではあるが。


 ナデル・ニーヤ・ローパ。

 ナデルは、アパレル店経営の平民である。


 今では、バリヤージュ候爵家の、

 御用達のようなものだ。

 なのでナデルのご両親も、大喜びだそうだ。

 それに、ナデルが學園を卒業して、正式に

 騎士となれば、ナデルは騎士爵となり、

 お貴族様のお仲間入りとなるのだ。

 確かに騎士ともなれば命懸けの職業のため

 心配もあるようだが、今は誇りに思うらしい。



 ・⋯━☞食堂☜━⋯・


「皆、おはよう!」


「皆様方、おはよう御座います」


「「「「おはようございます!」」」」


「アンお姉様!

 そのドレス、着てくれたのですね!」


「うふふ うん! ありがとね! ナディ」


「いえ、どう致しまして! えへへ♪」


「ふふふ……♪」

『この~可愛いなもぉ~

 わたくしのために…大切にしますからね~』


 彼女の名は、ナデル・ニーヤ・ローパ

 愛称がナディだ。


 ナディを筆頭に、次々と団員たちから、

 プレゼントを貰える。

 あれ? 今日は、わたくしの誕生日だとは、

 誰にも話してはいないはずですわよね?

 まあ、いっか。



「アンお姉様 これ、どうぞお使いください!」


「ありがとうエディ これは?」


「はい! 風の魔石のペンダントですわ

 アンお姉様は、風の魔法を利用して、

 大技”真空斬り”を使います

 なので、少しでも技に磨きがかけられたなら

 と、思いましたのでわ」


「ほおお! ありがとう!

 有難く、使わせていただきますわ!」

『ありがとう! 貴女も大切にするからねぇ~』


「うふふ……♪」



 流石は、魔石に詳しいエディだ。

 彼女の名は、ピエディ・ミネラ・マギカ。

 愛称はエディ。

 魔石鉱山を所有する男爵家である。

 エディらしい、プレゼントだ。



「アンお姉様! これを」


「え? もしかして、マジック・バッグ?」


「はぁい!」


「ええ~~~(汗)」



 マジック・バッグとは、見た目の大きさよりも、

 多くの物が収納できる便利な魔導具である。

 でも、コンフィは既に一つ持っていた。

 母親から貰ったウエストポーチタイプのもの。

 二つも、必要ないのだが……



「キリヤ? わたくし、既に……うぅん

 ありがとう! 普段使いに使わせてもらうわ

 でも、大丈夫なの? こんな高価なもの……」


「はぁい! 大丈夫ですわ!」


「……(汗)」



 キリヤがくれたマジック・バッグは、

 小さな可愛らしい、ショルダーバッグタイプ。

 おそらく、普通なら8㎥ほどのもので、

 水だけなら、8tも入る優れもの。

 しかも、「所有者設定」できるタイプのもので、

 設定すれば本人と製作者以外は使えなくなり、

 「リターン」の発動句で、手元に転移される、 

 盗難や置き忘れなどに役立つ安全設計なもの。

 値段も、200万チャリンはするだろう。



「そんな、顔をなさらないでください!

 本当に、大したことありませんわ」


「あはは……(汗)」

『いや、絶対、そんなことないわよね?

 絶対、無理してるわよね?

 貴女も、大切にするからねぇ~~』

 

 その後も、各々からプレゼントを貰った。


 アモーニー・ドルチェ・ブルワリー

 愛称は、アニー。

 アニーからは、高級ワイン。


 アルティジャーノ・バーニー・ブレザー

 愛称は、アル。

 アルからは、パンのお城を。


 リーズ・オリオ・オリーバ

 愛称は、リズ。

 リズからは、オリーブオイルを樽で。


 セーラ・マリー・パラサー

 愛称は、セーラ。

 セーラからは、塩50kgを。


 ミオ・フィー・モンタニヤ。

 愛称は、ミオ。

 ミオからは、鉄製のペンタクル。

 

 アロテッサ・パラボー・ボッティーリ

 愛称はロッテ。

 ロッテからは、ガラス細工のペン。


 ファルティー・リスモ・ガータングラター

 愛称はルティー。

 ルティ―からは、千代紙みたいな紙いっぱい。


 ペネピフィオ・マオ・アルカポイ

 愛称はフィオ。

 フィオからは、お酒を樽で。


 ホーリエ・バウワー・ボンボレー

 愛称リエ。

 リエからは、アンビショーネぬいぐるみ。


 ドーラ・ペッパー・スパニオス

 愛称ドーラ。

 ドーラからは胡椒30㎏。


 農家のフロール。

 愛称はフロール。

 フロールからは、アザミいっぱい。


 商家のジャスネン。

 愛称はジャス。

 ジャスからは、小物いっぱい。


 陶器生成商家のセラミカ。

 愛称はミカ。

 ミカからは、魔石を練り込んだポット。


 魔術師のメーべ。

 メーべ・キユン・ベルドランデ

 愛称はメーべ。

 メーべからは……



「ツンデレ萌女神令嬢アン様!

 私からは、新しい空間拡張型オムツなのー!」

 「オムツなのー!」


「ええええ~~~……(汗)」


「今回のんは、バージョンアップしたなの!

 お(ピー!)を浄化して飲料水にできるなの!

 いざと言う時に、便利なのー!」

 「便利なのー!」


「要らない……」


「ど、どどどどどおーーしてぇなのぉ?!」

 「なのーーー?!」


「あ、うん、ありがとう でも、要らない」


「くぁwせdrftgyふじこlp~~~!!」

 「くぁwせdrftgyふじこlp~~~!!」


「はいはい! メーべさんは、こちらへ」

 ズルズルズルズル……

 (メーべを引きずるディア)


「ツンデレ萌女神令嬢アン様のいけずなのー!」

 「いけずなのー!」


「……(汗)」


「「「「…………(汗)」」」」



 メーべは、ディアにどこかへ連行された。

 いったい、何を考えているのかいないのか。

 お(ピー!)を浄化して飲料水にって……

 宇宙ステーションにでも行く気か?

 

 そして最後に、フリージア。

 フリージア・ツェニー・ライナー

 愛称はリア。

 リアからは……



「アンお姉様ん♡

 わたしくを貰ってください!」


「………………はぁい?」


「「「「…………(汗)」」」」


「わたくしの全ては、アンお姉様ん♡のもの♡」


「……はぁ」


「なので、わたくしに、チューしたり、

 わたくしを抱きしめたり、

 わたくしを抱っこして頭ナデナデしたり、

 わたくしを抱っこしてゆらゆらしたり、 

 わたくしを、は(ピーー!)にして、

 アンお姉様ん♡も、は(ピーー!)になって

 もぉ~ぎゅぅ~~って……」


「リア! 落ち着いて……(汗) 」


「だから、アンお姉様ん♡!

 わたくしを、貰ってくださいな!」


「だからって、なに?!」


「はぁい! だから、貰ってくださいな♡」

 (両腕を広げて抱いてのポーズのリア)


「リア? 申し訳ないけど……

 それは、できませんわ」


「っ……そんな! 皆のプレゼントは

 貰ってくれるのに、わたくしは……

 わた…わたくしは……ひっく!

 貰ってくれないのですかあ!?」


「!?……り、リア?

 お願いだから、落ち着きましょうねぇ?」

『いやぁ~泣き出しちゃったよぉ(汗)』


「「「「…………(汗) 」」」」



 今日のフリージアは、いったいどうしたのか?

 いつもよりも、表現が過激だったり、

 なにかいつもよりも、ソワソワしていたり、

 とにかく、落ち着きがない。


 もしかして、他の皆はプレゼントを

 用意していたが、フリージアはできなかった?

 ふと思った、コンフィの予想が当たっていた。



「ごめんなさい……アンお姉様……」


「……リア?」


「わたしく、アンお姉様に何もプレゼントを

 用意できませんでした……グスン!」


「あ、あ、やっぱ……いえ、そうだったのね?

 うんうん! ぜんぜん構いませんのよ?

 それに……」


「……それに? ひっく」


「リア? 貴女は既に、わたくしのものよ?」


「……え?」


「「「「えええええええ~~~?!」」」」


「わっ! ビックリしたぁ!」



 そりゃあ、そうでしょう!

 各お家から大事な娘さんを預かるんですもの。

 いや、預かるというより……

 リアを含め、他の皆様方も、騎士として、

 お国や、街や、民を守るために、

 命を捨てる覚悟でここへ来ているのです。

 わたくしが、「貰った」と表現したとしても、

 何も問題はないのでは?



「よく聞いてね? リア。

 そして、これは皆様方にも当てはまること!

 わたくしたちは、騎士です!

 お国を、この街を、そして民たちを守るため

 命を捨てる覚悟で、女騎士として、

 ここに居るのではなくって?」


「あ……はい……そうでしたわね」


「「「「…………はい」」」」


「だから、ここに居る皆さま方は、

 みーんな、わたくしのもの!」


「「「「!!……」」」」


「共に、この国一の女騎士団を作りましょう!」


「「「「はい!! コンフィ団長!!」」」」


「うぅん! 素晴らしいですわぁ~~~」


「アンお姉様ん♡ 素敵ですわぁん♡」


「ふふふ……」

『ふっふっふっ これで有耶無耶に……』


「アンお姉様ぁーーん! わたくし、

 アンお姉様ん♡を愛してますわぁ~~ん♡」

 ガバッ!(いきなり抱きつき!)


 ポン!(また、チビコンフィに変身!)


「あ”っ!!」


「「「「あ”あ”っ!!」」」」


「ぁあ! チビアンお姉様ん♡

 わたくしが、貰ってあげますわぁ~~ん♡」


「なんにもわかってなぁーーーい!!

   もわかってなぁーーーい!!

     かってなぁーーい!!

       なぁーい!」(こだま)



 コンフィは、また、チビコンフィに……

 この後、王妃様に会いに行かなきゃなのに。

 リアのばかぁーーん(汗)





誕生日回、いかがでしたでしょうか。


プレゼントの内容は、

各キャラの個性を詰め込んでみました。


そしてフリージアの想いと、

コンフィの団長としての覚悟。


……からの、チビ化です。


次回はいよいよ王宮編です!

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