第45話 (コンフィの章)アンビジョーネ嬢、大ポカからの全員忘却
今回は保健室回。
闘技場で暴走したプチメーベですが、
どうやら「妖精」には不思議なルールがあるようです。
信じない者には見えない。
信じる者には見える。
そんな妖精の秘密が少し明らかになる回です。
……のはずだったのですが、
コンフィとメーべが
盛大にやらかします。
そして最後には――
まさかの魔法が発動!?
・⋯━☞保健室☜━⋯・
ザァーーーバァン!!
「「「「きゃああっ!!」」」」
突然、保健室のスライドドアが、
荒々しく力任せに開かれた!!
「まっ! もう大丈夫かアンビジョーネ嬢!」
「「「「リーファー教官!?」」」」
「「「キッ!!……」」」
(リーファー教官を、
睨みつけるリアとメーべとプチメーベ)
「えっと……あ、はい リーファー教官」
「ま、そうか! そうかそうかー!
ま、面白いものを見せてもらったぞ!」
「は、はあ……(汗)」
「ま、それより、あれは妖精……だよな?」
「「「「!!??……」」」」
「な……なぜ、それを?」
どうして、リーファー教官が、
プチメーベの存在を知っているのか?
この時、コンフィと、
アン様をお慕い申し上げ隊は、凍りついた。
「あはは……あははははぁ~~~
なぁ~にを言ってるのかなぁ~?
今朝は、とても良い天気でぇ~~~」
「ま、もう、そろそろ下校時間だぞ?」
「…………(汗)」
「「「「………………(汗)」」」」
ちと、苦しい誤魔化し方のコンフィ。
自分でも何を言ってるのか?と疑問になる。
だがここで、妖精について新しい定義が、
発覚することとなる。
「ま、それより、その妖精はベルドランデ嬢に
ま、すっごく似ているよな?」
「!!……ええ~~~とぉ~~~」
コンフィは、どう答えようか考えていたが、
KYなプチメーベが、喋ってしまう。
「そうなのー! ママは、ベルドランデ!
メーべ・キユン・ベルドランデなのー!」
「私は、悪くないなの!
勝手に喋ってるのは、プチメーベなの!」
「メーべは(萌え)、キユンは(きゅん)、
ベルドランデは(愛でる)って意味なのー!」
(もう、暴走が止まらないプチメーベ)
「しゃ、喋りすぎですなのぉー!!
あ!……なのですなの……(焦)」
「「「「くぁwせdrftgyふじこlp~~~!!」」」」
(パニくるアン様をお慕い申し上げ隊)
全員で、誤魔化そうと喚いていたが、
しかし、時既に遅し……
「まっ! やはり、そうか!
ま、顔、ま、ソックリだもんな!」
「そう~なの~~!
ソックリなお~~~!」
「「「「ああああああああ~~~!!」」」」
「まっ! あははははははははっ!
ま、構わん! 構わん!
ま、それより、なんだな?
スピアー令息には、この妖精は、
ま、見えてはいなかったようだな?」
「「「「?!……」」」」
「え? あの、リーファー教官、
それって、いったい……」
「ま、ああ、私が直接聞いてみたんだがな?
ま、どうやら彼には、
妖精が見えてなかったらしい」
「「「「?!……」」」」
「ええっ?! どうしてでしょうか?
あんなに、すぐ傍にいたのに!」
「ま、ううむ……そこなんなんだがなぁ?
ま、私の仮説では、どうやら妖精とは、
ま、信じていない者には、
見えない存在……らしい」
「「「「ええええ~~~?!」」」」
そうなのだ。
コンフィとスピアー先輩との対戦の時、
プチメーベが飛び込んで来たのに、
スピアー先輩は、何か気配のようなものには
気づいてはいたようだったが、
それが、何か?
までは、わからなかったらしい。
なので、あの時コンフィが、プチメーベに
話しかけていたのも、コンフィが独り言を
言っているように見えたと、スピアー先輩は
リーファー教官に話していたとのこと。
つまり、妖精とは、滅多に人前に姿を
現さないという定義が、
少し変わってくることになる。
「人前には滅多に姿を現さない」
のではなく、
「信じていない者には、妖精は見えない」
のでは、ないだろうか?と……
まるで、某有名な海外長編アニメ、
子供たちと一緒に、海賊と戦う、
「空飛ぶ少年と妖精」
の、ファンタジーストーリーのようだ。
信じない者には、妖精も見えなければ、
空を飛ぶこともできない……。
まさに、ソレだった。
どうりで、あの対戦の時に、
スピアー先輩がコンフィに、
プチメーベについて、何も聞かれなかった
のも当然なわけである。
なぜなら、スピアー先輩は、
「妖精を信じていない」
のだから。
実況も、プチメーベについては、
何の突っ込まなかった。
実況もまた、プチメーベのことが、
見えてはいなかったのだ。
そう言えば、観客席でも、
プチメーベについて、誰にも聞かれなかった。
まるで、誰にもプチメーベが、
見えてはいなかったかのように。
だが、リーファー教官によると、
「そこに居る」
と強く思いながら見ると、
たとえ妖精を信じてはいなくても、
見えるかもしれない、とのことだった。
ならば、あの闘技場の観客席では、
いったい、どれだけの人が、
プチメーベが見えていたのだろうか?
この世界でも、例えば「お化け」にしても、
見える者と、見えない者がいて、
あまりお化けの話をすると、
「不思議ちゃん」
扱いされるものだ。
こんな剣と魔法の、
ファンタスティックな世界でも、
そんなことがあるのだった。
と、リーファー教官は、色々と話してくれた。
「……と、いう事になるな?」
「「「「へええ~~~」」」」
「そうだったのですね!
でも、不思議ですわね?
今もこうして、目の前に居ますのに……」
「ここに、プチメーベは居ますなのー」
「ここに、居ますなの~~~」
「ま、まったく、ま、世の中不思議なことが、
ま、たくさんあるものなんだな?」
「「「「ううむ……」」」」
しかし、普通見えないとされるものが、
見える側から、
「普通は見えないもの」
と思うのもまた、変というか不思議である。
「ま、そんな事よりだな、アンビジョーネ嬢?」
「はい なんでしょうか?」
「ま、今お前には、妖精はいないのか?」
「「「「!!……」」」」
「あ、はい! そうなのですわ!
なので、わたくしも、妖精が欲しくて
メーべにお願いしようと思って
いたところなのですわあ!」
「メーべ……だと?」
「え? あ、はい
だって、妖精はメーべが……」
「妖精が欲しいなら、メーべにお願いする?
ま、それはつまり、メーべがこの妖精を、
ま、作り出した……とでも言うのか?」
「……は、はあ、
…………………………ああっ!!」
(やっと口が滑ったことを自覚するコンフィ)
「「「「アンビジョーネ嬢様ぁ~~~!!」」」」
「ツンデレ萌女神令嬢アン様ぁ!
プチメーベのことは、
内緒の秘密の隠し事の丸秘の、
トップシークレットだったのなのー!」
「トップの秘密なのー!」
「∑ ノ)゜Д。(ヽ はうわっ!!……」
(”ムンクの叫び” になるコンフィ)
「アンお姉様?……(汗)」
コンフィは、プチメーベを生み出したのは、
メーべだと言ってしまったも同然なことを、
ま、言ってしまわれましたわ!
はい! コンフィ上半期最初の大ポカ!
(下半期にもあるの?)
そんな、時だった!
チクリ!
チクリ!
「「はっ!!」」
「「「「?!……」」」」
「ま、なんだ?」
フリージアと、コンフィに、
同時に反応したのは、告具だ。
つまり、シェンブリィ王子が、
今、保健室に近づいて来ているということ。
とは言え、もうリーファー教官に
色々とバレているのだから、
今更、王子にバレるのが、それほどに
警戒しなければならないことなのか?
え? 警戒? 何に対して?
プチメーベ? いやいや、コンフィでしょ!
コンフィは、シェンブリィ王子が苦手だ。
いや、苦手と表現するのは些か違う気が……
「ツンデレ萌女神令嬢アン様! リア姉様!
ナルキザ王子と脳筋子息が、
あと、御目覚めほどでここに来るなのー!
距離は、およそ匂アンなのー!」
「来るなのー! 」
「∑(Ⅲ ̄□ ̄) メーべ!!」
「∑( ̄□ ̄Ⅲ) ああっ!!」
「「「「?!……」」」」
「ま、どうした?」
「え? え? どうしましたの?」
「「(Ⅲ ̄▽ ̄)Ⅲ ̄▽ ̄) あはは~~~(汗)」」
「あはは~なの~」
「「「「…………???」」」」
はあい! メーベも最大の大ポカ!
フリージアとメーべは……
メーべが開発した魔導具の存在のこと。
そして、フリージアとメーべとの間でだけで
取り決めていた時間や距離の暗号のこと。
はい! 特にコンフィには、
知られてはいけないと、されていたのに、
本人の目の前で公言してしまったわよなの!
そこで、切羽詰まったメーべが、
咄嗟にとった行動とは?
「ぇえいっ! なのー!
忘却なのぉーー!!」
「忘却なのぉーー!!」
「「「「?!……」」」」
シパァーーーーーー!……
………………
…………
……
メーべが発動したのは、「忘却魔法」。
この日この時から、遡ること24時間……。
學園全体全生徒たちまで、
今日あった事を全て忘れたとか……
しかも、発動者のメーべまで。
ところが、この忘却魔法とは、
完全効果継続時間は24時間ほど、とのこと。
その後、思い出すか思い出さないかは、
あなた次第です!……とか?
なんだそれ!?
忘却魔法の発動者まで忘れてたら、
じぇんじぇん意味ねーし!
今回は「妖精は信じない者には見えない」
という設定回でした。
そしてコンフィとメーべの
ダブル大ポカ回でもあります。
秘密とは、
守ろうとすればするほど
なぜかバレるものです。
そしてメーべの最終手段は……
まさかの忘却魔法!
しかし発動者まで忘れるって
どういう魔法なんでしょうね?
じぇんじぇん意味ねーし!




