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女装剤(ある女騎士の事情)  作者: 嬉々ゆう


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第44話 (コンフィの章)妖精と融合したら魔法騎士になりました

今回は闘技場での練習試合の続きです。


アンビショーネ嬢に突然訪れた、妖精との融合――

それは、一時的に「格」を引き上げる力でした。


魔法騎士としての力を得たコンフィ。

しかしその力は、まだ彼女の身体には早すぎて……


そして今回は、あのリーファー教官の正体も少しだけ明らかになります。


果たして、この力は希望なのか、それとも――。


 ・⋯━☞VIP席☜━⋯・


「叔母上っ! 職権乱用ですよ!」


「まっ! アンタに言われたくないわね!

 ってか、私のことは、”姉上”と呼びなさい

 って、ま、いつも言ってるでしょ!!」


「そそっ……あ、もお! まったくぅ!

 ですが、あの時のアンビショーネ嬢の光、

 あれは、絶対に妖精の光ですよ!」


「ま、分かってるわよ!

 ま、でも、面白いとは思わない?

 アンタの推しのアンビショーネ嬢と、

 ま、あの妖精ちゃんが、ま、どんな事を

 しでかしてくれるのか?」


「推しじゃないですぅ! 婚約者ですぅ!

 ああああ~~~もぉおおお~~~!

 まぁーた姉上の悪い癖がでたよぉ!

 僕の婚約者にキスはするしぃ!

 僕だってまだなのにぃ~~~!!」


「まっ! あははははははははっ!

 ま、いいじゃない?

 ま、減るもんじゃあるまいし?」


「減ります!! アンビショーネ嬢の

 僕への愛がっ!!」


「まっ?! ひどっ!!

 ま、あのに、アンタへの

 愛なんて、ま、あるのかしらねぇ?

 元ストローム騎士団副団長のドゥークぅ?」


「それは言わないでくださぁい!!」


「まっ! あははははははははっ!

 アンタをからかうの、楽しいわぁ!

 アンビショーネちゃんの香り、

 私が独占してあ・げ・るん♡」


「ひどぉーーーーーいっ!!

 絶対に、やめてくださいよね!!」



 ま、相変わらず、

 「ま」

 の多いリーファー教官。

 第一王子シェンブリィでさえ、この扱い……。

 この、ヴェティーン・メニー・リーファー教官。

 いったい、何者なのだろうか?

 

 シェンブリィ王子が、変態・・・げふん!

 おかしくなったのは、この人のせいでは?

 って言うか、どこか似ているかも?


 実はこのリーファー教官の本名とは、

 ヴェティーン・メニー・マイーヤという。

 シェンブリィ王子は、「姉上」と呼ぶが、

 彼女は、国王の実の姉であり、

 シェンブリィ王子にとっては「叔母」である。

 魔導大国マイーヤの王姉殿下おうしでんかなのである。


 ではなぜ、苗字を「リーファー」と変えて、

 女騎士学部の教官をしているのか?

 「リーファー」とは「教官」となるため、

 勝手に名乗っているという事だ。


 実は彼女は、「魔女がえり」であり、

 実年齢は、49歳。見た目は10代半ば。

 なんと、コンフィと実年齢は同い年である。

 王家にも過去に魔女と混じることがあり、

 稀に魔女の要素が色濃く出ることがある。


 とはいえ彼女は、真性魔女ではないが、

 おそらくは、1000年以上は生きるだろう。

 従って、リーファーと苗字を変えたのには、

 今現在では王家を名乗らない意図がある。

 当然ながら、王家としての政略結婚ですら、

 免れてきたので、未だに独身。

 しかも、オープンな「同性愛者」でもある。

 なので、実年齢49歳のコンフィに、

 密かに好意を向けているという訳である。


 つまりは、シェンブリィ王子の恋敵である!


 とはいえ、リーファーにはその資格も権利も

 ある訳ではないのだが、「想うだけ」なら、

 なんの罪もなければ自由でもある。

 しかも、コンフィが元ストローム騎士団の、

 副団長ドゥーク(男)だった事を知っていた。


 コンフィにとっては、めちゃくちゃヤバい

 相手とはなるのだが、彼女自身は、

 コンフィとシェンブリィ王子との婚約を

 邪魔する気などはまったくなく、ただただ、

 楽しんでいるだけであった。


 王族としての公務執行の義務もないので、

 日頃暇を持て余してた。

 王族ではあるが、王族として名乗る気はない。

 なので、王様からも、

「悪ささえしなければ自由にしてもいいよ~」

 みたいな扱いであり、奔放な存在。

 裁量権は無いに等しいが、発言権はある。

 その代わり、問題は起こすなよ~みたいな?

 なんとも、羨ましい限りである。


 嗚呼、なんて複雑な家族事情(汗)

 王妃とも、めちゃくちゃ仲がいい。

 王様と王子の悩みのひとつではあった……


 とにかく、リーファー教官は、

 魔法も得意だが、剣術にも心得がある。

 そして今年になって、女騎士団再興の件で、


 「それなら學園の女騎士学部も再開すれば?」


 と、発言したのも彼女なのである。

 それはそれとして……



「あの妖精ちゃん

 また、何かする気だわよ?」


「えっ?!……何をする気なんだろう?」


「ま、わからない ま、もう何かやってるわ!」


「ええっ?!」



 ・⋯━☞闘技場☜━⋯・


 リーファー教官の言う通り、

 プチメーベは、粘魔力化し、

 コンフィとの融合化に入っていた!



 シュウゥウゥ~~~……


「な、なに? 何なの?!」


「………ははは 冗談だろう?」



 プチメーベは、コンフィに何も言うことなく、

 勝手に粘魔力化し、コンフィの肉体と融合化を

 始めていたのだ!

 

 粘魔力化したプチメーベの体は、

 次には光の粒となって、コンフィの中へ

 溶け込むように、そして充実していく。



「あうっ! 熱い!」


「おおおっ……これは……」


「……うう……うっ!!」


 シパァーーーーーー!


「わっ!……」


「「「「おおおおおおーーー!!」」」」



 コンフィの体は、数秒ほど眩しく光り、

 そしてゆっくりと、光が消えると、

 コンフィのドレスアーマーは、

 タイトなドレスアーマーに、

 スカート部分がミニスカートに、

 そしてプチメーベの膨大な魔力によって、

 コンフィの瞳の色は、魔女のように赤くなり、

 ついには、魔法騎士へと変身したのだ!



「こ、これは……なんて力なのでしょう?!」


 

 コンフィは、自分の身体が変わったと自覚し、

 それと同時にプチメーベの意思が理解できた!



《ツンデレ萌女神令嬢アン様! 今から、

 御安眠(10分)だけ、力を貸すなのー!》


「え?! 御安眠? それ、どういう……」

 (コンフィは、御安眠を10分だとは知らない)



 「御安眠」とは、メーべとフリージアとが

 決めた時間の長さの暗号である。



《説明している時間はないなのー!

 はやく、悪い敵をやっつけるなのー!》


「悪い敵って……あはは(汗)

 敵って訳ではないのですが……

 でもまあ、いいでしょう!

 わたくしもこの力、試してみたいですわ!」


「さっきから、何を言って……」


「さあ! 試合再開でございますわ!!」

 

 タタッ!

  ブォッ! ガツン!

「くうっ! 速いっ!!」



 スピアー先輩は、為す術なくコンフィに、

 懐に入られてしまう!

 それほどに、いまのコンフィの素早さは、

 変身前とは桁違いに速かった!

 

 だが……



 ガランガラン!


「なっ?!」



 スピアー先輩は、槍の柄を二つに分けた!

 そして柄の部分を投げ捨てたのだ。

 なんと槍が、長剣へと変わったわけである。



「ふっ! そうは問屋は卸さないってね!」


「そんな事ができたのですか?!」


「まあ、奥の手……やつだよ」


「ふん! わたくしも、奥の手……

 を、使ったようなもの。

 ならば、これでおあいこですわ……ね!」


 タタッ!

 ガチーーン!



 と、今度は剣と剣との弾き合い!

 いわゆる、チャンバラである。

 コンフィは、大剣!

 しかも! 大剣は妖精剣へと変化!

 そしてスピアー先輩は、ロングソード!

 得物の使い勝手としては、スピアー先輩が

 有利に見えるかもしれないが、

 妖精と融合したコンフィとスピアー先輩とでは

 力の差は歴然だった!


 コンフィが、スピアー先輩を圧倒していた!



「むん! むん! むん!」


 カィーン! ギャン! ガシャーン!


「ぐっ! かっ! こっ、このっ!!」


 ガキィーーーーン!!

  フワッ……

   シュタタッ!


 大きく打ち合い、

 互いに跳ね返されるように、距離をとる。



「くっ! ははっ…やるねぇ?」


「あなたこそ! うふふ……」



 もう、コンフィは楽しくて仕方がない。

 もっと!もっと!剣を交えたい!!

 今のコンフィには、それしかなかった。



「さあっ! もっといきますわよぉ?」


「もっとだってぇ!?……マジかよ」


 バンッ!

  前のめりになって、飛び出すコンフィ!


「!!」

「てぃっやぁーーー!!」

「うおっ!!」

 

 カカカキキカカコココカカキキカンッ!


「ぬあっ!」

「はあっ!」


 シュタタッ!


 一旦、激しく打ち合い、

 また距離を取るコンフィもスピアー先輩。



「ぷはあっ!!……やっべぇだろこれ!!

 はっ…はっ…早いってもんじゃねぇーぞ!

 はっ…はっ…はっ……」


「まだまだですわよぉ~!

 あははははははっ!!」

 タタッ!

 

 笑いながら間合いに飛び込むコンフィ!


「くうっ!! 戦闘狂かよ!!」

「どうとでもっ!!」


 ガガガガガガガガガガガガガガガッ!



 もう、

 コンフィとスピアー先輩との攻防は、

 思わず笑ってしまうほどに早く、

 まるで、太鼓の乱れ打ちのようだった。


 剣と剣が打ち合うと同時に火花も飛び散る!

 まるでネズミ花火が、高速回転しながら、

 火花を散らすかのように。


 その様子は、実況が実況を忘れてしまうほど

 無駄に言葉を並べるよりも、

 瞬きすら惜しいと思うほどの、

 一瞬たりとも見逃せない光景だった。

 

 コンフィのバカげた早さの剣さばきに、

 ただ受け流す一方のスピアー先輩の防御。


 プチメーベの融合化でパワーアップ

 しているコンフィには、これでも、

 まだまだ物足りないほどだった。

 コンフィは、もっともっと、

 激しい攻防がしたい!


 しっかり視線が追いつく!

 視界が広がった気がする!

 思考もハッキリ追いつく!

 二手三手先を予測できる!

 

 そんな感覚が楽しくて堪らない!


 コンフィは、くっそ重いはずの大剣を、

 まるでプラスチック製の軽いモノサシを

 振り回すかのように、軽々と振り回す!

 しかも! プチメーベがコンフィの

 体の芯を魔力で支えてくれるので、

 コンフィはただ、力任せに大剣を振るだけ!



 パワーが断然上がっていたのだ!


 流石にコンフィに押され始めるスピアー先輩。

 コンフィの剣さばきを、弾くのが精一杯!



 シュカカカカカカカカカカッ!


「ゔっぐぐぐぐぐぐぐぐっ!!」

『こ、この人、狂ってる!?』


「はぁあああああははははははっ!!」


 シュカカカカカカカカカカッ!!



 だが、それも長くは続かなかった……







 ドクン!







「ぐはっ!!……」


「?!……なんだ?」


「「「「ザワザワッ……」」」」



 コンフィは、長い間水泳していたあとに、

 急に外へ放り出されたかのように、

 全身に一気に体重がのしかかる!

 今まで軽かった体が、突然重くなった!

 そんなような、感覚だった。

 そして、激痛!



《おおーっと! どうしたーアンビショーネ嬢!

 急に動きが悪くなったぞ!!》


「いっ、痛い! な、なにがわたくしの体で

 起こっておりますの?!」


《ツンデレ萌女神令嬢アン様! 大変なの!》


「……?!」



 その時、コンフィの頭の中に直接話しかける

 ようにプチメーベの声が響いた!



《私は、ママの分身の妖精なのー!

 だから、ツンデレ萌女神令嬢アン様とは、

 相性が悪いなのー!

 体に負担が大きすぎるなのー!》


「はあい?!

 まだそんなに経ってないのに……」


「?!……」



 そうなのだ。

 プチメーベは、メーべの分身ともいえる。

 なので、コンフィの分身ではない

 プチメーベとでは、相性が合わないのだ。

 なので、一時的には融合化による

 パワーアップはあったのだが、

 今コンフィの中で起きているのは、

 

 「拒絶反応」


 だった!

 ただでさえ、妖精融合による無理な

 パワーアップには、生身の肉体に、

 過剰な負担んがあるためだ。


 プチメーベも御安眠(10分)しか、

 融合はできないと考えていた。

 なぜなら、プチメーベ自身にも

 かなりの負担になるからだった。

 相当な量の魔力消費である。


 まして、相性の悪い融合となると、

 体にどんな影響を与えるかさえも、

 まだ何も、わかってはいないのだ。



 フラフラ……バタッ!


「くはっ!!……はぁ…はぁ…はぁ……」


「!!……アンビショーネ嬢?!」



 コンフィは、ついに跪く!

 体中に激痛が走る!

 足のサイズに合わない靴で、

 全力疾走するようなものである。

 体に負荷がかかるのは当たり前だ。



「痛いっ! きゃはっ!!」


 ガクッ!…


「アンビショーネ嬢!! だ、大丈夫か?」


「せっかく……せっかく、実戦に近い対戦が

 できたといいますのに……」


「何を言っているんだ?!

 これ、絶対にヤバい状態だろ!!

 今何をしているのかわからないが、

 それを今すぐやめるんだ!!」


「い、嫌です! せっかく……せっかく……」


「くっ! まったく、頑固なお嬢様だな!」


 

 コンフィは、実戦に近い対戦ができると、

 今回の練習試合をずっと楽しみにしていた。

 なので、今度はいつできるかわからないため、

 今は思い存分真剣を振るいたかった。

 なのに……



「ああ……くふうっ! こんなところで……」


「まだ、そんなことを言ってるのか?!

 救護班! 今すぐ……」


「お待ちになって!」


「?!……しかしだなぁ……もうこれ以上は」


「あと、もう少し…あともう少しだけ……

 うぐうっ! かはっ!!」

 びしゃ!


「?!…吐血?! まずい!!

 救護班! 何をやっている!!」


「「はい!……(汗)」」


 パタパタパタ…

 (駆けつける救護班)


「ああ……なぜ……無念ですわ……」


 バタッ!


「アンビショーネ嬢ー!!」


 

 コンフィは、とうとう倒れてしまった。

 意識がブラックアウトする。

 そして、既に変身も解けていた。

 プチメーベは、逃げるように観客席の

 メーべのもとへ飛んで行った。


 この試合、結局は互いに失格扱いとなり、

 勝負はつかなかった……



 ・⋯━☞保健室☜━⋯・


「かはっ!……みなさん……ここは?」


「保健室ですわ アンお姉様!」


「保健室?!……わたくし……

 試合の勝敗は……」


「試合の勝敗は~ありせんでしたわ」


「!……そう……そうなのですね」


「「「「…………」」」」

(コンフィを心配げに見守る

 アン様をお慕い申し上げ隊)



 気がつくと、保健室のベッドの上だった。

 皆、心配げにコンフィをただ見ていた。

 そんな中、一人……二人だけ泣いていた。

 一人と、小っちゃな一人。



「ごめんなさいなの……ごめんなさいなの……」

 「ごめんなさいなの~~~すんすん」


「!……メーべ、プチメーベちゃん?」



 見ると、メーべとプチメーベの頭には、

 超特大のタンコブができていた。

 きっと、しこたま怒られたのだろう。

 二人して、涙でグシュグシュになって、

 泣きじゃくっていた。

 コンフィを心配するあまりとはいえ、

 勝手なことをして、コンフィを、

 この状態へ追いやったのは事実なのだから。


 でも、コンフィは……



「メーべ」


「ひゃい!」


「プチメーベ」


「ふぁい!」


「二人とも、こっちへいらっしゃいな?」


「「……はい」」

 トボトボ……

  パタパタ……



 メーべとプチメーベは、ブルガタ震えながら

 コンフィの寝るベッドへ近づく。 

 また、タンコブの上にタンコブを作る

 ことになるのかも?と怯えていた。

 そして……



 パシッ!

「「あきゃあ!!」」

 (手を握られ驚くメーべとプチメーベ)


「素晴らしかったですわ!」


「「……え?」」


「「「「?!……」」」」


「凄く痛かったけど、凄いパワーでしたわ!

 あれは、妖精と一つになる事ですわね?」


「は、はう、はいなのです

 あれは、プチメーベが勝手にやったなの」


「違うなの! ママだってぇ!」



 メーべとプチメーベは、そう言うが、

 ここに居る全員は知っている。

 メーべとプチメーベは繋がっている。

 どちからがコンフィに助けに向かうと考えれば、

 きっと、同じことが起きていたはずだと。



「お待ちなさい! わたくし、あなたたちに

 怒ってるわけではありませんわ!

 わたくし、とっても興奮しておりますのぉ!」


「「「「……はぁい?」」」」


 

 保健室にいる全員が「はぁい?」だった。

 「きっとアンビショーネ嬢は怒っている!」

 そう思っていたし、冷たくされる覚悟さえ

 持っていた。

 なのに、褒めてる?



「ねぇ、詳しく教えてくださらないかしら?

 あれは、なんだったのですか?

 プチメーベちゃんが光になって、それから

 光の粒になったと思ったら、わたくしの中に

 入ってきたのはわかったのですが、

 そのあとが、とっても気分が良くて、

 まるで自分が妖精さんになったみたいで、

 なんて言えばよいのでしょう?

 とにかく、気分も体感の素晴らしくて、

 それから、それから……」


「「「「…………(汗)」」」」



 皆、コンフィの突然のマシンガントークに、

 揃って口をパックリ開けて、

 もう、ただただ、唖然……



「ああ~できることなら、もう一度……」


「アンお姉様、落ち着いてくださいませ!」


「「「「アンお姉様あっ!!」」」」


「!!……ごめんなさいね?

 わたくし、とっても楽しかったのですの!」


「「「「えっ?!」」」」


「それはもちろん、最後には体中に激痛が走り、

 立ってはいられなくなりましたけれども、

 本当に! 本当に楽しかったのですわ!

 ああ、あれはいったい……うふふふ♪

 もう一度、試してみたいと思うのです!

 そこで、メーべに相談なのですが……」


「「「「…………(汗)」」」」



 また、コンフィのマシンガントークに、

 皆、どう声をかけて良いのかわからない。

 そこへ、メーべがやっと口を開く。



「あれは、擬似妖精の持つ特殊能力の一つ、

 妖精合成による一時的な格上なのですなの!!」


「……一時的な格上? ですって?」


「はいなのです!

 人には、必ず”格”がありますなの

 たとえば、剣士には魔法剣士なの、

 そして騎士には魔法騎士ですなの

 もちろん、上に格の無い人もいるなの」


「はあっ! では、では、わたくしは、

 一時的に、魔法騎士になったと?!

 なれるのですね?! そうなのですね?!

 この、わたくしは、いずれ魔法騎士にっ!!」

 (もう、興奮が治まらないコンフィ)


「そ、そうなのですなの!

 でも、その人の努力次第で、いつかは

 格が上がりますのですが、一生格が

 上がらない人もいるですなの

 誰でも、努力次第なのですなの!

 これは、文献の受け売りですますなの

 でも、妖精合成で格が上がるということは、

 必ず今の格より上があるとわかったという

 ことなのですなの! だから……」


「「「「………………」」」」

 (ポカーーーン……)


「うんうん! わかったわメーべ!

 そうなのですね! そうだったのですね!

 わたくしにも、今よりも上に格が!

 そう、魔法騎士という格があるのですね!

 素晴らしいですわぁ~~~♪」

 (完全に瞳が昭和の少女漫画の瞳のコンフィ)


「「「「…………クスクスクスクスッ♪」」」」

 (やっと笑顔になるアン様をお慕い申し上げ隊)



 皆、コンフィの言動に驚くと同時に、 

 ホッとして、思わず笑いが漏れたのだった。

 でも、フリージアにしては、

 コンフィが心配で気が気ではなかった。



「アンお姉様っ!

 笑ってる場合ではないですわ!

 そして、皆さんも!」


「「「「!!……申し訳ありません……(汗)」」」」


「ごめんなさいね? リア……」


「すん……すん……(泣)」


「ちょっと、メーべごめんなさいね?」


「あっ!……あ……」

 (手を離されてシュンとなるメーべ)


「リア? こっちへ」


「はぁい……」

 トボトボ……


 ガバッ!

「きゃあ♡」

 (いきなり抱きしめっ!)


「心配してくださって、本当にありがとう!」


「いえ……いえ……っふぅ~~~ん

 へぁああああああ~~~ん!!」

 (いきなり号泣!)


「「「「やぁああああああ~~~ん!」」」」

 (つられて号泣するアン様をお慕い申し上げ隊)


「「わぁああああ~~~んなの~~~!!」」

 (やっばり号泣のメーべとプチメーベ)


「いい子ね~いい子よリア?

 ほんっとに、優しい子ねぇ~~~」

 (そう言いながらフリージアの頭を撫でる)


「うん……うんうんうんうん! グスン!」

 (コンフィの胸に顔を埋め泣くフリージア)


「うふふふふ ほんとに、優しい子たち」



 この時の、コンフィには、

 一切れさえも、”男”の感情は無かった。


 と、せっかくいいモードだったのに、

 その空気をぶっ壊す存在が現れた!



 ザァーーーバァン!!

「「「「きゃああっ!!」」」」


 突然、保健室のスライドドアが、

 荒々しく力任せに開かれた!!

 ガラス割れんじゃねえの?



「まっ! もう大丈夫かアンビショーネ嬢!」


「「「「リーファー教官!?」」」」


「「「キッ!!……」」」

 (リーファー教官を、

 睨みつけるリアとメーべとプチメーベ)


「えっと……あ、はい リーファー教官」


「ま、そうか! そうかそうかー!

 ま、面白いものを見せてもらったぞ!」


「は、はあ……(汗)」


「ま、それより、あれは妖精……だよな?」


「「「「!!??……」」」」


「な……なぜ、それを?」



 どうして、リーファー教官が、

 プチメーベの存在を知っているのか?

 この時、コンフィと、

 アン様をお慕い申し上げ隊は、凍りついた。

今回は妖精融合回でした。


プチメーベの能力のひとつ、「妖精合成」によって、

コンフィは一時的に魔法騎士の格へと到達します。


ただし今回は相性が悪かったため、拒絶反応が発生してしまいました。


それでもコンフィ本人は、むしろ大興奮。

やっぱりこの人、戦闘狂気味かもしれません。


そして最後には、リーファー教官が保健室へ乱入。


妖精の存在を見抜いたこの人、

いったいどこまで知っているのでしょうか……?


次回もよろしくお願いします!

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