第43話 (コンフィの章)女の意地を賭けた真剣勝負、開幕
ついに始まる、闘技場での真剣勝負。
女騎士学部の代表として、
男子騎士学部の上半期優勝者と対峙する
アンビジョーネ。
槍と大剣。
リーチの差という圧倒的不利の中で、
彼女はどう戦うのか。
そして――
なぜか飛び出す妖精(?)
プチメーベ。
闘技場は予想外の展開へと突き進みます。
・⋯━☞闘技場☜━⋯・
「「「「ワァー! ワァアアーー!」」」」
「ああ、ええっと……アンビジョーネ嬢?」
(恐る恐るコンフィに話しかける王子)
「………………(恥)」
(王子に背を向け、女の子座りで
両手で顔を覆うコンフィ)
「あはは……私は、どうすれば?」
(いたたまれないスピアー先輩)
・⋯━☞観客席☜━⋯・
「ああ……お可哀想なアンお姉様ぁ~
どうか、お耐えになってくださいましぃ~(泣)」
(ハンカチを噛み、
我が屈辱かのように耐えるフリージア)
「相変わらず、脳みそタランチュラな
ナルキザ王子様ですなの」
「ノーミソ~タランチュラなの~」
(相変わらず王子には容赦がないメーべ)
「「「「(;゜;ж;゜;);゜;ж;゜;);゜;ж;゜;);゜;ж;゜;)ぶふぉ!」」」」
(笑いを堪えるアン様をお慕い申し上げ隊)
・⋯━☞闘技場☜━⋯・
シェンブリィ王子の爆弾発言に、
恥ずかしさのあまりに死にたくなるコンフィ。
「アンビジョーネ嬢? もしかして……
僕のことを、怒ってるのかい?」
「ええと、まあ、王子?
さっきの発言には色々と問題が……」
《確かにシェンブリィ王子の発言は大問題っ!
いや、公開処刑にも等しいー!!
さあ、アンビジョーネ嬢、王子に一言!》
「……くっ! 殺せっ!!」
「「なんでっ?!」」
《でたぁーー!! 出ましたぁーーー!!
アンビジョーネ嬢の、クッコロー!!》
「「「「どぉわははははははははっ!!」」」」
「いゃああああああ~~~!!
わたくし、もう生きて行けませんわぁ~~!」
「そんなぁっ!! それは困るっ!
ああ、いや違うっ! ええと……(汗)」
《これは酷いシェンブリィ王子!
その物言いでは、アンビジョーネ嬢のとこを
政治の道具としか見ていないと、
思われても仕方がございませんぞぉー!》
「「「「ブゥー!ブゥー!ブゥ~~~!!」」」」
《きたぁ~~~! ギャラリーからの
盛大なブーイングぅ~~~!!》
「なんっ?!……ああ、今のは失言だった」
「うむ 謝るしかないよね……(汗)」
「アンビジョーネ嬢、許してくれないかい?
僕は、君のことを本気で……」
と、シェンブリィ王子が何かを言いかけたら、
故意なのか、それとも、天然KYのか、
リーファー教官が割り込んできた。
「ま、いくら婚約者でも、あれはないわな?
とにかくこれから、アンビジョーネ嬢と、
ま、スピアー子息との対戦が控えている!
ま、ここは身を引いてくれますかな王子?」
「……はい リーファー教官」
「うむ……」
………………
…………
……
その後、リーファー教官が間に入り、
なんとか立ち直ることができたコンフィ。
シェンブリィ王子は、渋々闘技場を出ていき、
ようやくコンフィとスピアー先輩、
上半期優勝者との親善試合が始まった。
この十数年、女騎士学部が無かったせいか、
実際、女騎士をあまりよく思わない
男子騎士生徒が居るのも事実。
騎士の中で最強と言われた、
「女騎士団団長リリー」の存在はもう過去の話。
ここは、コンフィが女騎士学部の代表者として、
ある程度の実力を見せられたなら、
廃れたと見られがちな女騎士そのものの態勢も
整えられるというもの。
なので、コンフィもいいところを、
見せておきたいところではある。
••✼••上半期優勝者対戦••✼••
《はいー! 皆さん、大変長らく
お待たせいたしましたぁーー!
いよいよ、上半期優勝者対、
女騎士学部最強のアンビジョーネ嬢との
真剣対戦試合が始まりまぁーーっす!》
パァアアアーーーーーン!
パンパンパンパァーーーン!!
本日のメインイベントを報せる、
ファンファーレが鳴る!
「「「「ワアアアーー!! ワァアーー!!」」」」
「ま、アンビジョーネ嬢、ま、やれるよな?」
「はい! ま、リーファー教官! あっ」
「ぷっ! わっはっはっは!
ま、構わんよ! ま、気にするな?
ま、私とアンビジョーネ嬢との、ま、仲だ!」
「うふふ はい! ありがとうございます!
あ、それとリーファー教官!」
「ま、なんだ?」
「わたくし、真剣勝負がしたいですわ!」
「えっ?!……」
「「「「ザワザワザワザワ……」」」」
《なんだなんだぁ?!
アンビジョーネ嬢、突然真剣勝負をしたい
と言い出したもようです!》
・⋯━☞観客席☜━⋯・
「アンお姉様?! なにをっ……」
「ツンデレ萌女神令嬢アン様、
本気ってことなのですなの!」
「本気なのー!」
「え、ですが、真剣勝負だなんて、
危険じゃありませんか!」
「そうですなの! だからこそなの!
ツンデレ萌女神令嬢アン様は、
女騎士学部の誇りをかけての真剣勝負!
それはつまり、男子騎士学部から、
女騎士学部は舐められてるなの!
だからなの! ツンデレ萌女神令嬢アン様は、
女の意地を見せるつもりなの!!」
「!!……女の意地……」
・⋯━☞闘技場☜━⋯・
「ま、よし! ま、いいだろう
もちろん、魔術師による防御シールドは、
規定により張らせてもらうがな
ま、女の意地を見せてやれ!」
「!……女の意地……か……」
コンフィは、本気の勝負がしたかった。
だがそこには男女の差なんて考えてなかった、
この時、リーファー教官から言われた、
「女の意地」
という言葉に、今更ながら、
複雑な気持ちになるコンフィだった。
「この、わたくしが、そのようなお言葉を
口にしても、よろしいのでしょうか……」
「ん? ま、なんか言ったか?」
「い、いいえ! なんでも……」
「ま、そうか……ま、精々励め!」
「……はい!」
「ま、これを、渡しておく……」
「…これは?」
「ま、験担ぎだな ま、その長い髪を
ま、まとめておけ」
「あ……はい」
リーファー教官から貰ったものとは、
「藍色のリボン」
だった。
藍色とは、「誇り高き色」とされており、
勝利の験担ぎとしても、よく重宝される。
「ん……んん……どうでしょうか?」
(自分で髪を束ねるコンフィ)
「……………」
(なぜか頬が赤いリーファー教官)
「……リーファー教官?」
「ん? ま、なんでもないぞ?
ま、頑張ってこい!」
「あ、はい……え?」
チュッ……
「え?……え?……」
「ふふふ」
「「「「ぬぅをおおおおおおおーーー!!」」」」
「「「「ぎゃああ~ぎゃぁああ~~~!!」」」」
「「「「ぶぅ~! ぶぅ~! ぶぅ~!」」」」
(本日一番のブーイング)
《おおっとぉ!? これは、いったい
どういうことだあぁ~~!!
リーファー教官、何を思ったか、
アンビジョーネ嬢の頬にキスをしたぁ!》
「ま、うるさい! これは、女同士の
ま、勝利を願う験担ぎだ!!」
(嘘。)
《なるほど! 女騎士道!
勝利に願いを込めてホッペにチュ!
これは良いものを見られました!》
(どうコメントしていいか
分からないので適当な実況)
この時のリーファー教官のキスの意図は?
もしかしてリーファー教官はコンフィを…
いやいや、今は無用な雑念は排除!
だが、コンフィは、
リーファー教官の応援もあって、
やる気は満々! 闘気は激しく燃えた!
しかも、今回は本日のメインイベント!
と、いうこともあって、真剣勝負!
もちろん、事故を防ぐために、
双方とも魔術師による防御シールドを
張ることにはなるが、致命傷となりうる
一撃があれば、その時点で勝利となる。
その後、魔術師の教官たちがやって来て、
コンフィとスピアー先輩に、
防御シールドが張られた。
防御シールドには、一度だけ、
致命傷に至るダメージを肩代わりする。
つまり、一撃で勝敗が決まる……
かもしれないのだ。
気が抜けないのは、言うまでもない。
シャィイィイィ~~~ン……
コンフィは、意を決しての覚悟の抜刀!
スピアー先輩に向かって相棒の獲物を構えた。
コンフィの相棒、
「大剣エスグリーマ」には、こう記されている。
「騎士たるもの己の剣術にて己を示すべし。」
実はこの大剣は、この国最高と言われる、
凄腕の鍛冶師ファブロが打ったものである。
コンフィのライバル、
「ピオニー女騎士団団長ビオラ」と並び、
共に剣の道を歩むために手にした一太刀。
恥ずかしながらプライドが邪魔して、
ビオラの部下として剣を握る事を、
拒んでしまったが、本心ではビオラを
騎士として団長として認めていたコンフィ。
同じ女騎士として、恥ずかしくない姿を
ここで見せることができなければ!
ライバルに認めてもらうためにも、
己自身も本物の女騎士として認めるためにも!
「ぃぃいやあああああーーー!!」
ブォン! フォオォン!
「つえええええーーーーいっ!!」
ブォブォブォン!
「むんっ!!」
「「「「おおお……」」」」
コンフィの振るうエスグリーマの風圧で、
コンフィを中心に円を描くように砂が舞う。
一瞬で静まり返る観客席。
コンフィは、大剣エスグリーマを、
我が体の一部かのように振り構えた!
「「「「うおおおおおーー!!」」」」
「「「「アンビジョーネ嬢様ーー!!」」」」
「ははは……流石だね、アンビジョーネ嬢
その剣さばき、只者ではない事を思い知るよ」
『なんだこの剣さばきの馬鹿げた速さは?!
こりゃあ、懐に入られたら負けるな……』
「お褒めのお言葉、痛み入りますわ」
「でも、私も3年連続で學園最強の地位を
得たことを、我ながら誇りにしていてね?
まだまだ捨てる気はないのだよ。
手加減はする気はないけど、構わないよね?」
「ええ、もちろんですわ!
もし先輩が、わたくしが女だからと侮って、
手を抜くような御仁なら、このアンビジョーネ
一生無礼な仇として恨んでさしあげますわ」
「おお、それはできることなら、
御免こうむりたいものだね……」
『うわぁ……怖え……この人本気だよ』
「ならば、ご遠慮なさらずに、
本気でいらしてくださいませ!」
「ああ是非、そうさせてもらうよ」
『本気……だけでは勝てそうにないな』
「うふふふふ……」
「ふふふふふ……」
プゥアアアアアアァァーーーン!……
パパパパッパパァーーーン!……
パッパパァーーーーーン!……
「「「「うおおおおおおおおおおおーーー!!」」」」
「「「「きゃああああああああああーーー!!」」」」
「「「「ワイワイガヤガヤワイワイガヤガヤ!」」」」
ドドドドドドドドド……
試合開始のファンファレーが、
再び鳴り響く!
歓声の大きさに、闘技場全体が
まるで地震のように揺れ鳴り響く。
そして、リーファー教官が二人の前に、
ゆっくりと歩み寄る。
その様子を見ている観客席も、
再び静まり返る。
そして……
「すぅ~………………始めっ!!」
「むんっ!!」
(いきなりの突き!)
ビュッ!
「はっ?!」
ブォッ!……
「!!………………つっ」
しぃーーーーーーーーーん……
闘技場全体が、今何が起きたのか
誰にも分からなかった。
それほどに、スピアー先輩の突きが、
瞬きをするよりも速かった!
「ほぉ? これを避けるとは……なかなか」
「つうっ!……」
コンフィの右頬に、薄い一筋の切り傷が……
リーファー教官の「始め」の掛け声が
放たれた瞬間に、スピアー先輩の槍の穂先が、
コンフィの目の前にあった!
コンフィは、間一髪で体を無理な体勢に
なりながらも槍の穂先を捻りかわす!
穂先がかすったコンフィの金髪が、
音もなく飛び散った!
「「「「きゃああああーー!
アンビジョーネ嬢様ぁーーー!!」」」」
「「「「ぅうおおおおおおーーー!!」」」」
「んんっ!…………くっ!……」
『マジかよ!? 重さ重視の素早さのない
男の体だったら、避けきれてねぇぞ!
今の一撃で、終わっていた……?!』
ザッ!
「くっ!……」
コンフィは、無理やりに体勢を崩しながらも
スピアー先輩の攻撃を避けたので、
斜めになった体の軸を足の力だけで、
なんとか踏ん張り転倒は免れた!
「んんん…………」
『マズイぞ? わかっちゃいたが……
スピアー先輩の槍と、俺の大剣では、
リーチの長さで俺が不利だ!
なんとか、懐にさえ入れたなら……』
「ふふふ……まだまだいくよ?」
「んんっ!」
「へあっ!!」
ビュ!!
「くあっ!」
「せあっ!」
ビュ!
「っ!!」
「つあっ!」
ビュ!
「うっ!」
スピアー先輩は、槍のリーチの長さを活かした
突き突き攻撃の雨嵐!
コンフィは、体の軽さを活かした素早さで
槍の突き攻撃を避けるだけで精一杯!
しかも、顔ばかり狙っている?!
『コイツっ……俺の顔を……正気か?!』
「「「「ザワザワザワザワ……」」」」
《こ、これは、アンビジョーネ嬢!
避けるだけで手一杯か!!》
スピアー先輩は、なぜかコンフィの顔ばかり
狙っているかのように槍を突く!
だが、コンフィはこのとき気づいた!
『この野郎! 俺のスタミナを先に削る気か!
コイツの実力なら、今ごろ俺の顔面に一突き
あっても、おかしくない 舐めやがって!!』
そうなのだ。
スピアー先輩は、わざと本気で突いていない。
わざとコンフィの顔面を狙っていれば、
コンフィは、避けるしかない。
もし、足や胴を狙ったとしても、
コンフィが、その気になって捨て身で
突っ込んできたなら、スピアー先輩だって
素早いコンフィの動きに反応できるのか……
懐に入られたら、確実に負ける!
と、スピアー先輩は確信していたのだ。
だから、先に顔を狙えば、
コンフィは、避けるしかない!
顔目がけて飛んでくる穂先を避ける
だけを続けさせられたなら、
本気で避けなければならないコンフィな方が、
先にスタミナも気力も早く減るはず……と。
コンフィに、懐にだけは、
入られてはいけない!
だからこそ、周囲からは卑怯に見えるかも
知れないが、これもスピアー先輩が、
コンフィを侮ってはいないという、
意志の現れでもあった。
スピアー先輩は、最初からコンフィを
女騎士団団長として認めていたのだ。
「おらっ!たあっ!やあっ!たあっ!」
ビュ!シャ!ジャ!シャ!ビュ!
「んっ!くっ!うっ!んっ!むっ!」
こんな異様な攻防が2分以上も続いた。
流石にコンフィは、スタミナも気力も、
そろそろ限界に近づいていた。
なにしろ、本気で避けなければ、
自画自賛だが可愛い顔に傷がつく。
いくら防御シールドがあり、回復魔法で
少々の傷なら跡形もなく消えるとはいえ……
顔に傷がつくのは、いやだぁ~~~!!
「つああっ!!」
キャイィィィ~~~ン……
「!!……」
しぃーーーーーーーーん……
「「「「おおお………………」」」」
コンフィは、大剣で槍の穂先を弾くと、
大剣そのものが視界の邪魔となると思い、
体一本で穂先を避けていたが、
もう頭に来て、思い切り大剣を振り切った!
それが想定外だったのか、穂先を弾かれた
スピアー先輩は放心……
その隙に、思い切り後ろへジャンプして、
コンフィはスピアー先輩から距離をとる!
タタッ!
「はぁ…はぁ…んっく! はぁ…はぁ…」
(大きく肩で息をするコンフィ)
「……ふふ……ははははっ!
驚いたよ! そんな事ができるなんて」
「はぁ…はぁ…これくらい…当然ですわ」
「ふふふ でも、随分とスタミナは
減っているようだね?」
「はぁ…はぁ…はぁ…
作戦通りってことでしょうか?」
「!!……くふっ! あっはっはっはっ!
なんだ、バレてたのか?
流石は女騎士団団長を、
名乗るほどのことはあるよね?」
「ふぅ…ふぅ…舐めてもらっては困りますわ
ふぅ…ふぅ…わたくしは物心ついた頃から、
はぁ…はぁ…剣一筋で…ございますの!」
「……それは、私だって同じこと!
さあ、第2ラウンドといこうか!」
タタッ!
「くっ!…」
スピアー先輩は、第2ラウンドと言いながらも、
また、突き突き攻撃の雨嵐!
もう、コンフィはマジギレ寸前だった。
その頃、観客席では……
・⋯━☞観客席☜━⋯・
「もう、見てられないなのーー!!」
「あ”っ!! プチメーベ!?」
「プチメーベちゃん! どこへ行く気なの?!」
「ツンデレ萌女神令嬢アン様んとこぉーなの!」
「「はあっ?!」」
なんと!
プチメーベが、コンフィの傍へ行くと言って、
闘技場の中へ飛んで行ってしまった!
・⋯━☞闘技場☜━⋯・
「たあ!よあ!せあ!るあ!いや!」
ビュ!ギュ!シュ!シャ!シャ!
「んっ!くっ!くっ!くそっ!もっ!」
流石に突きばかりを避け続けると、
スタミナもそうだが、もう気力がもたない!
本気のマジギレ寸前なコンフィ!
だがその時だった!
「ツンデレ萌女神令嬢アン様ぁーなのー!!」
「「?!……」」
「ツンデレ萌女神令嬢アン様ぁ!
強くなぁ~~~れっ! なのぉ!!」
キュワアアアアア~~~ッ!
「はっ?! なにこれ?! え? え?」
「これは……バフか?!」
なんとプチメーベは、コンフィに、
パワーアップの魔法をかけたのだ!
コンフィの基本ステータスが底上げされる!
「は? は? 体が…軽い?」
「チッ!…それ、反則だろう!」
そうなのだ。
真剣勝負とはいえ、これは親善試合。
互いに正々堂々と行うものが当然である。
そこで、バフ などかけるとなると、
完全に反則行為でしかない。
だが、プチメーベにとっては、
そんなことなど、知ったことではない。
「ツンデレ萌女神令嬢アン様を虐めるな!」
としか、思えないのだから、仕方がない。
メーべも、正直そう思っていたのだから、
そんな気持ちがプチメーベにリンクして、
プチメーベが飛び出すのも仕方がない。
この行為が反則行為とは知らずに。
《ああーっと! これは、いったい
どうしたことかぁーー!!
突然、アンビジョーネ嬢の体が、
光り始めたぁーー!!
この光は、まさかバフなのでは……え?
構わない? あそう?
今、リーファー教官の権限で、
試合は、このまま続行となりましたー!》
(どんな権限? リーファー教官って何者?)
「「「「うおおおおおおおおーーー!!!」」」」
「「…………(汗)」」
コンフィとスピアー先輩は、ワケワカメ。
どうやらスピアー先輩は、プチメーベの
幸いにも気づかれなかったようだが、
コンフィには、バレバレ。
正々堂々と……そうは思っていたが、
リーファー教官が続行と言うのならば、
続けるしかない……のか?
でも、コンフィも正直なところ、
作戦とはいえ、スピアー先輩の卑怯ともいえる
戦法には飽き飽きしていた。
なので、このまま試合続行もありだと思った。
ところが……
ジュルルルルルル……ぷすん!
「あれれ?」
「……ん?」
「「「「?!……」」」」
何が起きた?!
コンフィにかけられたバフが消えた!?
早すぎじゃね?
実は、プチメーベは、
戦闘に不向きなメーべの分身である。
なので、戦闘系の補助魔法など、
覚えているはずがなかった。
たとえ、できたとしても、お粗末なもの。
だから、もうバフは切れてしまったのだ。
「え? ええええ~~~(汗)」
さて、コンフィはどうするのだろうか?
・⋯━☞VIP席☜━⋯・
「叔母上っ! 職権乱用ですよ!」
「まっ! アンタに言われたくないわね!
ってか、私のことは、”姉上”と呼びなさい
って、ま、いつも言ってるでしょ!!」
「そそっ……あ、もお! まったくぅ!
ですが、あの時のアンビジョーネ嬢の光、
あれは、絶対に妖精の光ですよ!」
「ま、分かってるわよ!
ま、でも、面白いとは思わない?
アンタの推しのアンビジョーネ嬢と、
ま、あの妖精ちゃんが、ま、どんな事を
しでかしてくれるのか?」
「推しじゃないですぅ! 婚約者ですぅ!
ああああ~~~もぉおおお~~~!
まぁーた姉上の悪い癖がでたよぉ!
僕の婚約者にキスはするしぃ!
僕だってまだなのにぃ~~~!!」
「まっ! あははははははははっ!
ま、いいじゃない?
ま、減るもんじゃあるまいし?」
「減ります!! アンビジョーネ嬢の
僕への愛がっ!!」
「まっ?! ひどっ!!
ま、あの娘に、アンタへの
愛なんて、ま、あるのかしらねぇ?
元ストローム騎士団副団長のドゥークぅ?」
「それは言わないでくださぁい!!」
「まっ! あははははははははっ!
アンタをからかうの、楽しいわぁ!
アンビショーネちゃんの香り、
私が独占してあ・げ・るん♡」
「ひどぉーーーーーいっ!!
絶対に、やめてくださいよね!!」
ま、相変わらず、
「ま」
の多いリーファー教官。
第一王子シェンブリィでさえ、この扱い……。
この、ヴェティーン・メニー・リーファー教官。
いったい、何者なのだろうか?
第43話でした。
ついに始まりました、闘技場での真剣勝負!
スピアー先輩はかなり強く設定しているので、
コンフィもなかなか苦戦しています。
そして途中で乱入するプチメーベ。
もちろん本人(?)は反則だとは
まったく思っていません。
この試合、どう決着がつくのか。
次回もお楽しみにです。




