第39-5話(メーべの章)メーべとプチメーべ
今回はメーべ回です。
三日三晩の研究の末、
ついに誕生した擬似妖精――プチメーべ。
しかし、研究に没頭しすぎた結果、
メーべは三日三晩お風呂にも入らず、
飲まず食わずの状態で……?
果たしてメーべは、
無事に學園生活へ戻れるのでしょうか。
・⋯━☞図書館の秘密部屋☜━⋯・
「流石に、3日3晩も飲まず食わずですと、
フラフラしますですの」
「フラフラですの~~~」
「でゅわ? 先ずは、私が貴女を生み出した訳を
ここでお話しておかないと……」
「はいですの! ツンデレ萌女神令嬢アン様と、
リア姉様を、ナルキザ王子と脳筋の魔の手から
お守りするため、私とママが動きますの!」
「∑( ̄□ ̄;)!!!!…お話する必要なしですわの?」
「そうですわのね! ママの考えることなら、
ずぅえんぶ、わかりますですますのぉ!」
「Σ(゜д゜lll)!!!!……素晴らしい…けど怖いですの」
すこし怖いと感じたメーべだったが、
これも、ツンデレ萌女神令嬢アン様と、
リア姉様を守るためと決意を固めるのだった。
「でも、その前に!
私には、今すぐに絶対に確実に必ず本当に早く
行かなければならない場所が、
あるのですますのっ!」
「そうなのですの!
行かなければならないのですの!」
しぃ~~~~~~ん……
「「御手洗なのですのぉー!!」」
(キャラ崩壊?)
バタバタバタバタッ!
カチャ……バタァン!
一応、トイレに行かなくても良くなる?
「空間拡張魔導オム(ピー!)」は着装済み!
許容量には問題ないのだが、3日間も同じ
オム(ピー!)を穿き続けるのは限界だった。
(なんの話?!)
メーべは、秘密の部屋の中に設置した、
スライムトイレに入りましたとさ。
そして……
メーべは、そっと図書館本館へと出る。
幸い、まだ誰も来ていないようだった。
「むしゃむしゃ……美味しいなの♪」
(甘い実を食べるメーべ)
「はむはむはむ……美味しいなの♪」
(虹のキノコを食べるプチメーベ)
やっぱり、この二人ソックリ!
・⋯━☞図書館本館☜━⋯・
カチャ……パタン!
「ふぅ……誰もいないのですの」
「……ですなの」
「ん?……」
(メーべの右肩に乗るプチメーべに
視線を向けるメーべ)
「んん?……」
(同じくメーべに
視線を向けるプチメーべ)
「…………」
クンクンクン……
「…………」
ヒクヒクヒク……
そして、互いに顔を近づけて……
「「臭あっ! 臭いですなのおーーっ!」」
(ハモった!)
「プチメーべ臭いなの~!」
「違うなの! 臭いのママなの~!」
「くんくん……んぐふっ! うわっ臭あっ!!
うわあ~~~ホントに臭ぁなの~!!
脳天に、コーン!って来たなのぉ~~~!」
(痛恨の一撃だった……どんな臭さ?)
「ぅっわぁ~ママ、くっっっさぁ~なの~!」
(鼻つまんでメーべから離れるプチメーベ)
「う、うるさいなのぉっ!! ぷんぷん!」
(顔真っ赤にして流石に傷つくメーべ)
確かに、メーべは臭う。マジ臭う。ぁあ臭っ。
何日も洗っていない雑巾みたいな臭いと、
ボロ家の湿気の多い押し入れみたいな臭いを、
酢に混ぜたような臭いがした。
(なんだそりゃあ?!)
なぜかプチメーべも臭かった。
メーべとプチメーベは、一心同体。
状態や思考や感覚など、全てを共有している。
……だからなのだろうか?
3日3晩、飲まず食わずでお風呂にも入らず、
トイレにも行かずに、ひたすら魔法陣の中で、
プチメーべを生み出すため頑張ったのだから、
仕方ない事ではあるのだが……
いや正確には、研究研究で、その前も何日も
お風呂には入っていなかった……(アウト!)
流石にこのままでは、人前には出られない。
くちゃいから……
(本当に貴族令嬢なの?)
「「浄化魔法を使いますですの!!」」
(またハモった!)
メーべは、浄化魔法を自分に施す。
「「クリーン……ですの!」」
(2人揃って右手を挙げ人差し指を立てる)
シュッ……パァーーン!
キラキラキラキラ……
メーべが浄化魔法発動句を発言すると同時に、
持ち上げた右手人差し指の先に、
大きなシャボン玉のような光の玉が現れ、
その玉が弾け光の粒となってキラキラと舞い、
メーべの体の頭から体全体へと包み込む!
メーべの体は、みるみるうちに綺麗になった!
なぜ今まで、これを使わなかった?
研究に没頭していたから……
メーべほどの魔術師であれば、
詠唱せずとも魔法を発動できるのだ。
今のメーべは、高位回復や補助魔法、
錬金術、生活魔法まで
ほぼすべての魔術を扱える実力を持っていた。
これらを普通に使いこなすことのできる、
「大魔導魔術師」といえるだろう。
レベルも、寝るのも惜しみ研究や魔導具開発を
続けてきたせいか、お陰か……
今では150を超えている。
レベル150と言えば、勇者を超えるレベルだ。
とは言え戦闘系ステータスは悲しいほど低い。
だが、支援系として後方で大活躍できるはず。
まさに、「非戦闘系大魔導魔術師」である。
でもメーべは、そんな自覚はまったくないし、
大魔導魔術師になど、なる気もさらさらない。
もう、なってるけどね。
しかし、メーべの生み出した擬似妖精。
とにかく、メーべに見た目の容姿も性格も、
めちゃくちゃそっくりだった。
おそらく、メーべの血と魔力が関係していると
思われるが、思考まで繋がっている様子は、
正直メーべにも予想外な出来だった。
それにしても、不思議な感覚だった。
生まれた時から、一緒だったような?
そう。とても不思議な……
さて、メーべは、擬似妖精とともに、
今後どんなドタバタを……
どんな展開を見せてくれるのだろうか。
プチメーべ誕生回でした。
見た目も性格も、
ほぼメーべそのものな擬似妖精です。
「擬似妖精」とは、野生の妖精ではなく、
人口の妖精だから、そう呼んでいるだけ。
しかも思考までシンクロ気味という
なかなか危険な存在になってしまいました。
これからメーべとプチメーべが、
どんなドタバタを起こしてくれるのか。
作者としても楽しみです。
そして三日三晩研究していたメーべ。
さすがに臭かったようです。
魔術師は研究熱心すぎると
大変ですね……。




