第38話 (コンフィの章)また来たナルキザ王子
今回は女騎士学部の日常回。
……のはずが、
フリージアの
「魔法を習いたいです!」
という一言から、
なぜか――
「アンお姉様ん♡と魔法を勉強する会」
が発足することに。
そしてそこへ、
あのナルシスト王子が登場してしまい……?
さらにこの回では、
後に大きな存在となる
ある人物が登場します。
・⋯━☞女騎士学部教室☜━⋯・
「え? 魔法を習いたい?」
「は……はい、アンお姉様(汗)」
「「「「………………(汗)」」」」
(ガクガクブルブル……)
それは、突然の事だった。
フリージアが、
「間法を習いたい」
と言い出したのだ。
コンフィにとっては、青天の霹靂。
騎士たるもの己の剣術にて己を示すべし。
それは、コンフィ自身がいつも自分に
言い聞かせていた言葉。
もちろん、フリージアも聞いた事がある。
だからこそ、フリージアは、
コンフィに否定されると思い、
ビクビクしていたのだ。
そんな、フリージアの後ろに控えていた
アザミ女騎士団員たちも。
だが……
「ふむ よろしいのではなくって?」
「えっ?!……」
「「「「?!……ザワザワザワザワ」」」」
「確かにわたくしたちは、騎士。
ですが、だからとて剣術一筋に
拘らなくても構いませんことよ?」
「え?……え? よろしいのですか?」
「ええ、もちろんですわ
フリージア? 貴女はわたくしと
志を共にした仲……とはいえ、
何も全てを、わたくしと、
同じにならなくても構いませんことよ?」
「アンお姉様……♡」
「「「「~~~……♡」」」」
「わたくしには、
わたくしの特技があるように、
フリージアには、
フリージアの特技がある」
「アンお姉様ぁん!!」
「「「「きゃあ~~~ん♡」」」」
「貴女たちもよ?
わたくしに無理に合わせなくても、
貴女たちには、貴女たちにできる
アザミ女騎士を目指しなさいな」
「アンお姉様ぁあぁあぁ~~~ん♡」
(いきなり抱きつき!!)
ガツン!
「あいたっ!」
いきなりコンフィに抱きついたフリージア。
勢余って、頭をコンフィの顎にヒット!
「つつつっ……もう、この娘ったら」
「アンお姉様ぁあぁあぁあぁ~~~ん!
うわぁあぁあぁあぁ~~~ん!!」
「「「「~~~……(泣)」」」」
(全員涙ちょちょぎれ!)
みんな、コンフィには、
正直ついていけなかった。
コンフィが、あまりも強すぎたからだった。
なので、先日のシェンブリィ王子が、
闘技場で見せた「魔法と杖」による、
騎士と対等に戦う姿を見たことにより、
「魔法騎士」という概念が開拓されたためだ。
「あのですね、アンお姉様!」
「はいはい……」
(フリージアを膝の上に座らせ、
頭を撫でながら話すコンフィ)←(王妃の真似)
「「「「いいなぁ~~~……♡」」」」
「一応この事は、教官にも話しておりますの!」
「あら、そうでしたの?」
「はぁい! ですが、教官も教科内容まで
手を入れる訳にもいかないとのことで、
シェンブリィ王子に、
相談してみてはどうかと……」
「ひぇ?!……お、王子……」
「……アンお姉様?」
「「「「……????」」」」
ようやく謹慎が解けたのに……
これまで毎日のように王妃様に呼ばれ、
その度に王子と顔を合わせることになり、
王妃様にまでひやかされて、
あたふたしっぱなしだった。
そして、やっと学園に通えるようになれば、
少しでも王子と離れられると、
思っていたのに……(泣)
フリージアのばかん=3
ところが……
「アンお姉様?
わたくしたちに、お任せくださいませ!
必ずアンお姉様をお守りしますわ!!」
「「「「うんうん!」」」」
「!!……貴女たち……(感涙)」
(うるううる……)
この頃、少々涙脆くなったコンフィ。
ーーーってな訳で、
フリージアを始め、
アザミ女騎士団副団長率いる、
「(臨時)アンお姉様ん♡と魔法を勉強する会」
……が、発足!
「ちょっと、お待ちなさい!!」
「はい? どうかされましたか?
アンお姉様ん♡」
「どうしましたか~じゃありませんことよ!
どうして、わたくしの名前が、
使われていますのかしら?!
わたくしは、関係ないはずで御座いましょ?」
「「「「えええ~~~?」」」」
「えええーじゃありませってばぁ!」
「アンお姉様ん? 怒ったお顔も、
お可愛らしいですぅわぁん♡」
「「「「お可愛らしいですぅわん♡」」」」
「お黙りなさいっ!!(汗)」
(声が裏返るコンフィ)
……と、そんな事をしていると?
コンコンコン!
「「「「!!……」」」」
「おいーーーっす!
おっ! いたいた!」
(片手をポッケに手を入れるアロ)
「やあ! アンビジョーネ嬢。
可愛い怒鳴り声がしたかと思ったら、
やっぱり君だったんだね?」
(キザにドアにもたれかかる王子)
「ひゃっ……」
バサッ!…ガンッ!
「きゃん!」
ガタタッ!
(王子を見て思わず机の下に隠れるが、
机の天板に頭をぶつけるコンフィ)
「「クスクスクスクス……www」」
(顔を逸らして笑う王子とアロ)
『いやあああああ~~~ん!!
きたぁあああああーーー!!
ナルキザ王子ぃいぃいぃ~~~!!
脳筋連れてやって来たぁ~~~!!
やっぱり、来ましたわぁ~~~!!
「可愛い怒鳴り声」
って、なんなんですのぉ~~~?!
頭痛いですわぁ~~~ん!!』
(パニック状態のコンフィ)
「……あの、アンお姉様ん?」
《しぃーっ! わたくしの事はご内密に!》
「ああ~~~でも、もうバレでますわよ?」
《フリージア! 貴女、わたくしを
王子から守ると仰ったじゃありませんか?!》
「ええ、確かにそう言いましたけども、
流石に今回のは、隠しきれないかと……(汗)」
《?!…酷いっ! 嘘つきっ! 人でなし!
いじわるっ! フリージアのばかぁん!》
(目に涙をうるうるにいっぱい浮かべて、
上目遣いでフリージアを非難するコンフィ)
「はぁん~~~アンお姉様ん可愛い♡」
「「「「はぁあぁあぁ~~~ん♡」」」」
《なんなんですのぉ! 貴女たちまでぇ!
ひいぃいぃいぃ~~~ん(泣)》
(もう完全にギャン泣きモードのコンフィ)
「「(;゜;ж;゜;);゜;ж;゜;)ブッブッ……」」
(一部始終を見ていた王子とアロは、
とうとう吹き出してしまう)
もう、今更出るに出られないコンフィ。
このまま、王子とアロが、
教室から去るまで、絶対に!
机の下から出ないと硬く決意したのだった。
と、その時、
反対側のドアの陰に、
他学部の一人の少女がいた。
その娘の名前は、
メーべ・キユン・ベルドランデ
ベルドランデ伯爵家の三女であり、
陰ながらコンフィを激推しする、
いわゆる……
「アンビジョーネ嬢の熱狂熱烈ファン」
であった。
誰にも知られることなく、
手作りのコンフィの3等身フィギュアを
常に持ち歩き、コンフィたちには、
決して離れすぎず近寄らすぎずの、
究極のスーパーストーカーである。
だが彼女には、そんな自覚は全くなし!
そして彼女は、コンフィたちとは他学部にて
「アンビジョーネ様萌え萌え会」
を、発足するととなり、
やがて學園の過半数がメンバーとなるとは、
このとき誰も知る由もなかった。
そしてまた、コンフィにとっては、
無くてはならない存在ともなるのだった。
今回は、かなりコメディ回でした。
アンお姉様大好きな
アザミ女騎士団のみんなと、
王子に見つからないよう
机の下に隠れるコンフィ。
そして最後に登場した、
謎のコンフィ激推し少女。
実は彼女――
今後かなり重要なキャラになります。
そして学園では、
新たな恐ろしい組織が誕生します。
その名も
「アンビジョーネ様萌え萌え会」
……コンフィの平穏な学園生活は、
まだまだ遠そうです。




