第37話 (コンフィの章)王妃様のもの
王妃様からのお茶会に呼ばれてしまったコンフィ。
謹慎中にも関わらず王宮へ向かうことになり、
彼女を待っていたのは――
想像とはまったく違う、王妃様の姿でした。
案②(コメディ寄り)
今回は王妃様のお茶会回です。
……のはずだったのですが、
なぜかコンフィが王妃様の膝の上に座らされております。
果たしてこれはお茶会なのか。
それとも捕獲なのか。
お楽しみください。
・⋯━━☆★☆━━⋯・
・⋯━☞王宮庭園☜━⋯・
「……来てしまった 来てしまいましたわよ」
ドキドキドキドキ……
コンフィが居る場所というと、
王宮の庭園なのですわ!
どうして、こうなったぁ~!!
いやぁあぁあぁ~~~ん!
国王謁見より怖いよぉおぉ~~ん!
『ってか、わたくし謹慎中なのですけどー!
いやいや、謹慎を言い渡した人が
呼び出したのだから、関係ないのか?
いやいやいやいや!
今は、そんな事など、どうでもいい!』
コンフィは過去、男のドゥークの頃に、
地龍単独討伐の功績を讃えてとのことで、
「男爵の地位の叙爵」
の件により謁見の経験がある。
そう。ドゥークは、一応
「男爵」
なのである。
とはいえ、今は少女のコンフィ。
男爵とは、ドゥークであり、
コンフィは生まれてすぐ何者かに攫われ、
ここ最近になって見つかり、
侯爵家へ戻ってきた…
という設定らしく、ドゥークとコンフィ
今となっては別人となっている。
では、ドゥークは何処へ?
それは、触れてはいけないことだと。
コンフィのお母様が言っておられたので、
コンフィは触れちゃいない。
聞いちゃいけない……
「お母様」とは、はっきり言って-
コンフィにとって尊敬はしているが、
怖い存在でもある。
しかし!
王妃様の方がめちゃくちゃ怖い!
謁見の時に、ずっとひれ伏せていて
なかなか見れなかったが、
チラリとだけ見たことがある。
……冷えた。
あの頃のドゥークに対する王妃様と言えば、
血の通わないビー玉の目をした……
バジリスク・サーペント・クイーン。
我ながら、この例えは適当だと思う。
適当とは、
「いい加減」
という意味ではなく、
「適して当てはまる」
という意味である。
そんな過去から、
王妃様への印象は最悪だったが、
今日、女として初めて会った王妃様は…
「!…………………(照)」
『なんとお美しい…(照)』
が、第一印象だった。
正確な年齢は不明だが、
たぶんアラフォーのはずである。
「20代半ば」にしか見えない……
「うふふふふ……♡」
「……(汗)」
『笑ってるぅ?!
王妃様が、この俺に向かって笑ってるぅ?!
いったい、何が……(汗)』
そして、国王陛下からのお言葉……だが
「よくぞ参られ…」
「会いたかったわ! コンフィ♡」
「!!……(汗)」
(豆鉄砲を食らった顔の王様)
王妃に、言葉を遮られた王様。
おお……お労しや……
「は、はい! 王妃様
ご機嫌麗しゅうございますか?」
『俺をコンフィと呼んだ?!
皆、アンビジョーネと呼ぶのに』
「ええ もちろん!
貴女がここへ来るのを、一日千秋の想いで
ずう~~~っと、待っていましたのよ?
会えて本当に嬉しいわ
それと、うちの愚息が蛇足な事をしでかして、
本当にごめんなさいね?」
「母上……(汗)」
「い、いえいえ、そんな!
王妃様からそのようなお言葉を頂けるなんて、大変恐れ多く恐縮至極に存じます!」
『いやぁ! 王妃様! そのようなお言葉、過分にございますわ!ってか、王子いたのかよ?
ん? 王子のあのリアクション……
ってことは、今回の首謀者はやはり
……王妃様?』
「あら、どうかしたの?」
「ひぃえ! いえ、何も……(汗)」
「そう?
なら、こちらへいらっしゃい」
「!…………はい」
ドキドキドキドキ……
コンフィは、恐る恐る王妃へと近づく。
すると……
「ごめんね!」
(いきなり抱きしめ!)
ドキィイィッ!!
「へえっ?!……
ああ、あの、王妃……さま?」
ドック!ドック!ドック!ドック!……
「わたくし、本当に、本当に、
貴女の事が気に入ってるのよ?
うぅん! 好きなのよね♡」
「はっ!……すっ……すっ……すき?」
「母上!
もう少し節度を持ってください!」
「うるさいわねぇ。
そう言うあなたこそ、なんなの?
學園内でブルワーの坊やと暴れ回って、
挙句の果てには、コンフィを泣かせるなんて、
王族の子息の取る行動や振る舞いとは
思えませんわねっっっ!」
(マジ切れの流し目)
「!!……も、申し訳……ありません」
「…………」
『あれま? 王子、たじたじ……』
「…………」
(王様、空気)
「ところで、コンフィ?」
「あ、はい なんでしょう?」
「貴女、わたくしのものにならない?」
「みゃあ?!
そ、そそ、それはいったい、
ど、どの様な、ご、ご、
ご意向なので御座いますでしょうか?」
「そのままの意味よ?
わたくし、本気で貴女が欲しいの!」
「ひゃい?!……」
『やぁーん!
なにこれなにこれなにこれーー!
助けて王子ーー!』
「………………」
(王子、俯き上目遣いで、
じっと耐える)
「………………?!」
『おおーじぃいぃいぃーーー?!』
「んふふふ ほんっとに可愛らしい娘!
食べちゃいたいくらいだわ!」
ドッキューーーン♡
「きゃいん?!」
『おーじー! おーさまぁー!
わたくし食べられちゃいますぅ!』
「「…………………… (汗)」」
(そっぽを向いてる王様と王子)
「!?……(焦)」
『国王陛下ぁ~~~~~~!!
第一王子様ぁ~~~~~!!
助けてくださいましぃ~!!』
コンフィの心の叫びは届かず…
この、この国の国王陛下、
テイダー・レビイ・マイーヤ
とにかく名前からしても、
テイダー(温厚)、レビイ(温和)だ。
とにもかくにも、見た目もそうだが、
超が付くほどに優しい王様だ。
そして、この国の本当の支配者……
と、コンフィが勝手に思っているのが王妃、
プミレーニェ・マハーレ・マイーヤ
とにかく名前からしても、
プミレーニェ(懐柔)、マハーレ(手際)だ。
手玉に取られそう……。
おお、恐ろしい。
とにかくコンフィは、王妃の為すがまま。
王妃に操り糸を掴まれたマリオネット。
このとき王妃は、
コンフィをくるりと回して、
自分の膝の上に座らせる。
くるりんぱ!
「きゃはぁん!」
ストン!
「え?……え?……え?」
(状況が理解できないコンフィ)
ドックン!ドックン!ドックン!……
「いい子ねぇ~~~いい子~~~」
(コンフィの首を後ろから抱きしめ
優しく頭を撫でる王妃)
「…………………………(汗)」
『どうしてこうなったぁー!』
ドキドキドキドキ……
「「…………………………(汗)」」
(超複雑な顔色の王様と王子)
「コンフィ?」
「は、はい」
(ビクッ!)
「學園の門を、
斬っちゃったんですってね?」
「ぴゃあ?!
ご、ごめっ……
大変申し訳…御座いません(汗)」
「うぅん いいのよ。
でもね? どんな状況下でも
平常たる騎士のする事では
ありませんでしたわよね?」
「ごっ…ご最もで御座います(汗)」
「でも、うちの愚息がやらかした故の事だから、
仕方ないのかも知れないわね?」
「さ、左様で御座いますか……
あ……有難う御座います……(汗)」
「でも、貴女は何かしら?」
「わたくし……ですか?
わたくしは……女騎士で御座います」
「うん! そうね。そうよね!
貴女は、女騎士を続けたいのでしょう?」
「!?……それは、はい、勿論で御座います」
「なら! 尚更ですわ
わたくしのものに、なりなさいな?」
「!!……で、でも……(汗)」
「貴女の悪いようにはしませんことよ?
きっと、貴女にとっても、
貴女のお母様にとっても」
「?!……わたくしの……
お母様……に、とっても?」
「ええ、そうよ?
もう、これ以上言わなくても、
貴女になら分かるでしょう?」
ドクンッ!………………
「!……………………………(泣)」
『断れないじゃなぁ~~~い(泣)』
そして王妃は、そっとコンフィの耳に、
息を吹きかけるように囁いた……
《貴女の剣は、わたくしが守るわ》
(コショコショ……)
ドッキューーーーーン♡
「はら……はらほろ……ひろはれ……♡」
(やじろべえの様にふらふらなコンフィ)
生まれて初めてハートを撃ち抜かれた!
コンフィは、王妃にメロメロ。
これが、恋するという事なのだろうか?
見た目は、悪役令嬢。
中身はオジサン。
扱いは、王妃の可愛い娘。
複雑なのは、王様と王子。
特に王子は、気が気ではなかった。
『アンビジョーネ嬢があんな顔を?!
僕にさえ見せた事が無いのにぃ~~!
母上、酷いです……』
《わたくしの可愛い娘として……ね?》
(コショコショ……)
「……お、仰せのままに……(汗)」
『もう~~~好きにしてん……♡』
コンフィは、王妃のものになった。
王妃のその言葉は、
冷たくもあり、暖かくも感じた。
・⋯━━☆★☆━━⋯・
ここまでお読み頂きありがとうございます。
王妃様がついに本格登場です。
書いていてとても楽しいキャラクターでした。
そしてコンフィは王妃様に気に入られてしまいました。
王子とアロガンスの運命やいかに……。
次回もよろしくお願いいたします。
王妃様からのお茶会のお誘い。
コンフィは震えながら王宮庭園へ向かいます。
しかしそこで待っていたのは
冷酷な王妃ではなく――
とんでもない人物でした。




