第31話 (コンフィの章)アザミ女騎士団、始動
第31話です!
学園生活の中で、ついにコンフィの目指す騎士団の形が見え始めます。
その名も――「マイーヤ王宮アザミ女騎士団」。
さらに、アンお姉様を慕う女生徒たちが続々と集まり……?
果たしてコンフィの理想とする騎士団は本当に作れるのか。
今回も楽しんでいただけたら嬉しいです!
••✼••夜••✼••
・⋯━☞女騎士学部寮棟☜━⋯・
・⋯━☞コンフィの部屋☜━⋯・
「…………フリージア?」
「はぁい! アンお姉様ぁん♡」
「湯浴みくらいは、
一人でよろしいのでは?」
「いんえっ! 明日も、か・な・ら・ず、
御一緒させていただきますぅわん♡」
「…………(汗)」
「決してアンお姉様から離れません♡」
「……そうですか。
それと、まさかとは思いますが、
今日もまた、わたくしのベッドで、
寝るおつもりなのですか?」
「はぁい! アンお姉様の言いつけどおり、
”決してアンお姉様から離れません”♡」
(こればっかり)
「……これは、致し方ありませんわね
わたしく自身が言ったことですものね。
一度言った事を、覆すような怠慢は、
許せる事では御座いませんわね……」
(↑言い出しっぺ)
「はぁい! これで、堂々と、
アンお姉様と同じベッドで、
寝ることができますぅわぁん!
あぁあ~~~アンお姉様ぁん♡」
(確信犯)
「…………そうですわね
では、おやすみなさい、フリージア」
「はあぁいん! おやすみなさいませ
っはぁあぁあぁ~~~アンお姉様ぁん♡」
(コンフィの背中に、
ぴとっとくっ付くフリージア)
『どうしてっ!!
どうして、こうなったぁ~~~(悔)』
この日から、コンフィとフリージアは、
同じベッドで寝ることとなった。
••✼••その夜中••✼••
・⋯━☞トイレの個室前☜━⋯・
「アンお姉様ぁんっ!
わたくしも中へ入れてくださいましっ!!」
ドンドンドンドン!
《フリージア! いい加減になさいませっ!
いくらなんでもトイレの中までは……(汗)》
「ぉあん! アンお姉様ぁ~~~ん!
そんな事、仰らずにいぃいぃ~~~
”決してわたくしから離れないように”
と仰ったじゃありませんかぁ~~ん!」
《た、確かに……言いましたけども
言いましたけどもぉ~~~(汗)》
「アンお姉様ぁあぁあぁ~~~ん!」
ドンドンドンドン!
《もお~いやぁあぁあぁ~~っはあ(汗)》
(助けてお母さまぁ~~~(汗))
この日、初めて、
コンフィの悲鳴に似た叫び声(泣き声?)を
寮の皆が聞いたとか聞かなかったとか?
あの、騎士として厳格で名高い、
アンビジョーネ・コンフィ・バリヤージュを
泣かせたフリージア・ツェニー・ライナーは、
一目置かれる存在となったとか?
それは、女騎士学部だけの秘密だとか……
••✼••次の日••✼••
・⋯━☞學園正門前広場☜━⋯・
コツッ…コツッ…コツッ…コツッ…
「「!!……」」
「「「「おはようございます!
バリヤージュお姉様っ!!」」」」
「!……お、おはよう皆さん」
「おはようございます!」
「「「「おはようございます!
リア姉さまっ!!」」」」
「りああねさま?」
「はぁい! 我が、
”アン様をお慕い申し上げ隊”での、
序列一位のわたくしは、
”リア姉様”と呼ぶことに決まりましたの!」
「そ、そうだっのですね?
まあ、お頑張んなさいな……(汗)」
「「「「…………♡」」」」
コンフィは、自分の知らない内に、
自分にとって、小っ恥ずかしい
親衛隊が生まれていることに、
もはや、
「知らぬが仏」?
「触らぬ神に祟りなし」?
を、押し通すことに決めたのだった。
「ところで、バリヤージュお姉様?」
と、一人が聞いた。
「貴女、アン姉様には、
”あ・ん・ね・え・さ・ま”と、お呼びなさい
お間違えのなく……ね?」
「はっ! 失礼いたしました リア姉さま」
「うむ よろしい」
「…………おほほ(汗)」
『フリージアよ、君は何者だ?』
「さ、ご質問なさいませ」
「はっ! アン姉様は、女騎士団を
開設なさるとお聞き致しましたが、
それは、事実なのでしょうか?」
「ええ、もちろんですわ
正式には……
”マイーヤ王宮アザミ女騎士団”
……と、なりますわね」
「「「「マイーヤ王宮アザミ女騎士団!?」」」」
「!!!!……」
(ビククッ!)
女騎士学部の女生徒たちは、
両手の拳を握りしめて、瞳を輝かせ、
なにやらモノ欲しげな表情をしている。
「ところでアンお姉さま?
アザミとは、どんな意味がありますの?」
「うふふ 流石はフリージア
いいところに気が付きましたわね?」
「ひゃはっ! ありがとうございますわ!」
(めちゃくちゃ嬉しそう)
「「「「流石はリア姉様ですわぁ!」」」」
(持ち上げ上手隊)
「ふっふっふぅ~~~ん♪」
(手を腰に当て、得意げのフリージア)
「皆様、よぉくお聞きになって!
アザミというお花には、
”独立”、”厳格”、”触れないで”
などの、”花言葉”がございますのよ?」
「まぁ! まぁまぁまぁ!!」
「「「「「んまぁ! 素敵ですわぁ~!!」」」」」
「……!!」
(ビククッ!…)
「アザミ」
この花の名前を騎士団の名前に決めたのは、
たまたま母親のビゼット侯爵夫人との
なんの気もせず話していた中に、
花言葉の話題であったものだった。
そして、その花言葉を知って、
これは良いとコンフィが思ったものだった。
「はっ! わたくしも、アン姉様の騎士団に
入団させてくださいませ!」
(慌てて先頭を切って手を挙げるフリージア)
「あっ! わたくしも!」
「「「わたくしもお願いいたします!」」」
「!……もちろん構いませんわよ?」
「「「「わぁ~~~!!」」」」
パチパチパチパチパチッ!
「おほほ……おほほほほ……(嬉)」
『ふん 案ずるよりも産むが易しだな』
と、心の中でコンフィは安堵した。
始めは、団員の確保は難航するものと、
考えていたからだ。
この様子だと、騎士団設立に規定の人数を
あっさりとクリアできそうだと微笑んだ。
もし、今のコンフィがまだ、
ブクブク髭面デブオヤジのまんまなら、
その面での微笑みはさぞホラーだったであろう。
今のコンフィは、そんな微笑みでさえ、
女生徒たちには、妖艶に見えてしまうようだ。
「うふふふふ……素晴らしいですわぁ♪」
『やったぞ! ついに我が騎士団の立上だ!』
「「「「アンお姉様ぁ!
よろしくお願いいたしますわぁ!」」」」
「わたくしのことは、この、學園以外では、
”アンお姉様”ではなく、
”コンフィ団長”と、お呼びあそばせ」
「「「「はっ! コンフィ団長!!」」」」
「素晴らしいですわぁ♪」
「はぁあぁあぁ~~~ん
アンお姉様ぁあぁあぁ~ん!
一生ついて行きまぁすぅわぁん♡」
この日、コンフィの下に、
フリージアを含めて、
13人もの新入団員が集まったのだった。
教室にチラホラと残る女生徒たちは、
おそらく、平民なのだろう。
羨ましそうな者から、無関係を装う者と、
コチラに視線を向けて、なにやら、
ムラムラウズウズしている様だった。
仲間に入りたいが、入れない……
そんな感じに見えた。
そこで……
「ソチラの貴女たち」
「「「「!!……」」」」
「もし、よろしければ、
わたくしのアザミ騎士団に、
入りませんこと?」
「「「「!!!!……」」」」
平民の女子生徒たちは、
まさか自分にも声がかかるとは、
思ってもみなかった様子で、
オロオロアタフタしていた。
「アンお姉様?
あの者たちは、平民でございますわよ?」
(フリージアが、少し戸惑い言う)
「そうです! 平民など……」
「お黙りなさい」
「「はっ! 申し訳ありません!(汗)」」
「わたくしは、志が同じなのであるならば、
目指す行先も同じだと考えておりますのよ?」
「「「「はい……」」」」
「もし、あの方々も、
わたくしと同じ志を持つのであるならば、
来る者は拒まず……と、思いますの」
「「「「……はぁい!」」」」
「そ、そうですわよ!
分かりましたか? これこそが、
アンお姉様の志すアザミ女騎士団の
あり方で御座います!
お分かりになって?」
「「「「はっ! リア姉様っ!!」」」」
「うむ よろしい」
「…………(汗)」
おぃおぃ、君が最初に言い出したんだろう?
まったく、お調子者だな。
……と、心の声は表に出さないでおこう。
そう思ったコンフィだった。
こうして、學園入学4日目にして、
平民7人のうち4人が入団し、
アザミ騎士団の団員は、
一気に18人となった。
と、そんな時だった。
コンコンコン!
(開いたドアを叩く音)
「少し、いいかい?」
(ドアに体を預け、コチラを見る王子)
「「「「!?……ザワッ」」」」
「あら、シェンブリィ王子ではありませんか
ご覧の通りコチラは女子生徒しか居ません、
生粋の女騎士学部ですわよ。
男性である王子様に、何か御用でも?」
『またお出ましかい王子様? 暇か?』
(皮肉たっぷりのコンフィ)
「ふふふ……なかなか面白いことを
しているなぁ……と、思ってね!」
(口だけ笑い、ビー玉の目の王子)
「面白い……ですか はぁ……
わたくしは、至って真面目なのですけども
シェンブリィ王子には、そのように、
お見えになるのですわね?」
『俺は本気なんだがな 見損なうなよ』
「ああ、ごめんね?
気を悪くしたのなら、謝るよ」
「正直申しますと、極めて心外ですわ
シェンブリィ王子から見ますと、
わたくしたちの、とり行うことは、
”女の火遊び”とでもお思いですかしら?」
『俺たちを、女だとバカにしているのか?』
「そんな風には思ってたないよ
僕は、君のことを何時でも応援しているよ?」
「…………左様で御座いますか
それはそれは、有難い事で御座いますわ」
『……本当かよ? 嘘くせぇ』
コンフィは、
本心をチラリとも見せない王子を、
胡散臭く思えて仕方がなかった。
また、騎士道一筋のコンフィにとって、
魔術師志望のシェンブリィ王子は、
理解し合えない相手にしか映らなかった。
まさか、この王子こそが、
自分の婚約者だとさえ、知る由もなく。
王子がコンフィを次期王妃として相応しいか、
コンフィを品定めしているとは、
思いもしないのであった。
読んでくださりありがとうございます!
今回は、ついにコンフィの目標である「女騎士団」が動き出しました。
しかも思っていた以上の人数が集まり、本人も少し驚いている様子です。
さらに、平民の生徒たちも加わり、アザミ女騎士団は一気に18人に。
これからこの騎士団がどのように成長していくのか、作者としても楽しみながら書いています。
そして最後には、またもや現れたシェンブリィ王子。
どうやら彼もコンフィの動きを気にしているようで……?
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