第30話 (コンフィの章)入学三日目で「お姉様」と呼ばれました
第30話です!
学園生活三日目。
王子に声を掛けられたり、フリージアの元婚約者が現れたりと、朝から波乱の予感……。
そして気が付けば、コンフィは思いもよらない呼ばれ方をされることに――!?
今回も楽しんでいただけたら嬉しいです!
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・⋯━☞學園内大廊下☜━⋯・
「やあ、バリヤージュ嬢
ご機嫌は、いかがかな?」
「「!!……」」
「「「「ザワザワッ……」」」」
そこに、現れたのは、
この国の第一王子の、
「シェンブリィ・アシュ・マイーヤ王子」
だった。
また、王位継承者でもある。
コンフィが知らない訳などなかった。
「これは、シェンブリィ・アシュ・マイーヤ王子
ご機嫌、麗しゅう御座いますか?」
シャラララ~~~ン♪
(見るも見事なカーテシー)
「はっ!……」
(慌ててコンフィを真似して
カーテシーのフリージア)
「うん とてもいいよ
フリージア嬢も、ご機嫌いかがかな?」
(フリージアにも声をかけてくれる優しい王子)
「こ、これは、
シェンブリィ・アシュ・マイーヤ王子
ご機嫌、麗しゅう御座います……か?」
「うん! とってもいいよ」
「「…………」」
王子シェンブリィは、
悩みなど一つも無いだろ?と聞きたくなるほど
ニッコニッコしている。
やりづらい……
実に、やりづらい……
お母様に匹敵する……いや、それ以上か。
こういうタイプが、一番苦手なコンフィ。
下手に振る舞えば我がバリヤージュ家としての
沽券に関わる可能性がある。
ああ、また面倒な童に……
いや、扱いに困る人に出会ってしまった。
嫌な予感しかしない……
「シェンブリィ王子、
わたくしに何か御用でしょうか?」
「君の顔を見なきた……
という理由では、ダメかい?」
「…………いえ、そんなことは御座いませんが」
「ふふふ……」
(目が笑っていない王子)
「………………(訝)」
(何を考えているのか読めない人だな)
「…………(汗)」
(少しコンフィの陰に入るフリージア)
『なんだこの間はっ……(苦)
特に用がないのなら、
サッサと何処かへ行ってくれないかな。』
などと、思ってしまう。
王族から声を掛けられては、
コチラから許可なく立ちされない。
まったく、何にしても面倒な相手である。
そしてようやく……
「また、会いに来るよ」
「あ、はい
では、失礼いたしますわ」
「失礼いたします(汗)」
『『はぁ~~~息が詰まりますわぁ~(汗)』』
この2人、不思議と相性がいいのか、
心の声がハモったコンフィとフリージアだった。
そして、やっと硬く重苦しい雰囲気から解放されたかと思った矢先、また波乱な予感がする相手がエンカウントした!
「フリージア!!」
「きゃあ!」
「!!……」
「「「「ザワっ……」」」」
今度は、なんだ!!
まったく朝から騒々しい。
穏やかではなさげな表情の野郎が現れた。
「お前は俺の婚約者だろ!」
「……?!」
「この度の婚約は、お断りいたはずですわ!」
「なにを訳の分からないことを! 来い!」
「きゃあ!! 痛い! 離してっ!」
「!!……」
この男、名を、
「ナパッド・ノン・クロボーテ」という。
フリージアとは同格の伯爵令息であり、
「元婚約者」でもある。
とにかく女癖が悪く、金の亡者でもあり、
女性をアクセサリーや道具としか思っていない。
誰が見てもフリージアは、
将来きっと美人になるだろう。
コンフィから見てもとても可愛い娘だ。
ナパッドは、フリージアを横にはべらせ、
見た目ステータスにするつもりなのだろう。
ナパッドは、フリージアを、
無理やり何処かへ連れて行こうとする。
あまりに突然のことで、
コンフィも思わずフリーズしたが、
2人の話す内容により、どうやらこの2人、
「婚約者同士……だった」
ようであると理解したコンフィ。
フリージアのリアクションからして、
とっくに婚約は破棄された様子ではあるが、
どうも相手の方は、そうではないらしい。
『まったくもお……やれやれですわぁ。』
コンフィにとってフリージアは、
初めての「友達?」であり、
同室のルームメイトでもあり、
懐かれてしまったので、「守ってやりたい存在」。
放置は、できなかった。
コンフィが、フリージアの前に立ちはだかる!
「おやめなさい!!」
「なんだ貴様わ!……はっ!
これは、バリヤージュ侯爵家の、
アンビジョーネお嬢様では
御座いませんか? ご機嫌麗しゅう……」
「下手なおべっかはご無用ですわ
その手を離しなさい」
「何を言い出すかと思いきや……
こいつは俺の婚約者です!
俺がどうしようとこちらの勝手です」
「そうはいきませんわ
先程からあなた方のお話を聞きておりましたが、どうやら貴方はフリージアとの婚約は、既に破棄されてしまったはず……と」
「それは、こいつが勝手に言ってるだけのこと!
あなたには関係のないことですので、
むやみに邪魔はしないでいただきたい!」
「……問答無用……って事ですわね?」
「そういう事ですよ お嬢様? ふふん」
……プチッ!
コンフィは、フリージアの手を掴むナパッドの腕を掴んで捻り、足を払いをして流れるように速やかにナパッドを床に沈めた。
パシッ! トン!
クルン…ドサッ!
「ぐはっ! な、何が起きた?!」
「ふん!……」
パンパン!
(軽蔑の眼差しでナパッドを見下ろし
手をはたくコンフィ)
「アンお姉様っ♡」
「さ! 行きますわよリア」
「はい! アンお姉様っ!」
「まっ、まて!
このままで済ませると思うなよ!
必ず、目に物を見せてやるからな!!」
「ふん! どぉ~ぞ、ご自由に」
「アンお姉様ぁ!
ああん♡ 素敵ですぅわぁ~~~♡」
「そ、そうですか……
それよりリア?
今後は変な虫が着かないように、
決してわたくしから離れませんように」
「もちろんですぅわぁ! アンお姉様ぁあん♡」
「……では、参りましょう」
「はぁい! アンお姉様ぁん♡♡♡」
「「「「ザワザワザワザワ……」」」」
この一部始終を見ていた4つ目があった。
「ふぅん? なかなかやるね?」
「はっは! やるじゃないか?
これは唾を付けておかないとな!」
「何を言ってるんだいアロ?
あの娘はボクの婚約者だからね?」
「”まだ”婚約者だろ?」
「……」
一人は、先程コンフィに話しかけてきた王子。
そしてもう一人は、王子とは従兄弟にあたる、
この公爵令息の、名を、
「アロガンス・セル・ブルワー」
という。
王子シェンブリィとは幼馴染でもあり、
2人は幼い頃には喧嘩もする仲でもあった。
今でも仲がいいのは言うまでもない。
今日、この日までは。
・⋯━☞女騎士学部教室☜━⋯・
「「「「ザワザワザワザワ……」」」」
「皆様、おはようございます」
(クン!と一瞬膝を曲げるコンフィ)
「おはようございます!」
(なんか超元気なフリージア)
「……せーの!」
「「……ん?」」
「「「「おはようございます!
バリヤージュお姉様っ!!」」」」
「「∑( ̄□ ̄Ⅲ( ̄□ ̄Ⅲ)!!!!……(驚)」」
ドドドドドドドド~~~!
何事ぉおぉおぉ~~~?!
なんですか、この一糸乱れぬ、
調和の取れたご挨拶ぅわあーー!!??
何時から「お姉様呼ばわり」なんですの?!
たった数日で、何がこうまで変えたぁ?!
こらお前たち! ジワジワ寄るんじゃない!
そんな上目遣いで見ないでくれ!
スーパースペシャルパニック状態ですわぁ!
(頭ん中が混乱中~~~)
流石のフリージアでさえ( ̄□ ̄Ⅲ)この顔!
コンフィが困惑するのも無理はなかった。
1日目。
実技試験にて、教官と周囲を圧倒させる。
2日目。
入学式にて、新入生代表で知名度爆上げ。
3日目。
王子に声を掛けられ、周囲をザワつかせる。
フリージアの元婚約者を転ばせる。
目立たないはずが無かった……
2人して訳が分からずフリーズしていると、
そんな2人のもとへ女子生徒たちが、
まるでアリが角砂糖に群がるように、
一気に2人を取り囲む!!
教室は、まるで地震のように
ドドドドッと揺れる揺れる!
流石にコンフィも、
獲って食われるのでは?と恐怖した。
そして、次の瞬間だった!!
バタバタバタバタッ!
ドドドドドドドドーー!!
「「(Ⅲ ̄□ ̄)Ⅲ ̄□ ̄)!!??……」」
ドタドタドタドタッ!
ドドドドドドドドーー!!
「「( ̄□ ̄Ⅲ( ̄□ ̄Ⅲ)!!??……」」
「「「「ワイワイワチャワチャ♪」」」」
「「「「キャッキャッウフウフ♪」」」」
「「ひぃいぃいぃ……(汗)」」
あっという間に、女子生徒たちに囲まれる
コンフィとフリージア。
フリージアもビビって、
コンフィの背中にくっ付く!
思わず、コンフィとフリージアは、
互いに背中を押しあって爪先立ちで後退る!
コンフィは平常心を装うも、
これから何が始まるのかと、
内心ドキドキしていたら……
「「「「わたくしもアンビジョーネ様の
”アン様をお慕い申し上げ隊”に、
ご入隊させてくださいませぇーー!!」」」」
「「∑( ̄□ ̄Ⅲ∑( ̄□ ̄Ⅲ) はうわっ!?」」
「なんですの、それぇえぇえぇ~~~
ですの、それえぇえぇえぇ~~~
それえぇえぇえぇ~~~
えぇえぇ~~~」
「アンお姉様ぁあぁあぁあぁ~~~ん!!」
コンフィの悲鳴にも似た叫びが、
教室中にこだまするように響いたのだった。
「アンお姉様、何時の間に?!」
「いっ…言いがかりですわ(汗)」
『俺、知らねぇ~っての!(汗))』
読んでくださりありがとうございます!
今回は、王子と従兄弟の公爵令息が初登場しました。
さらに、フリージアの元婚約者とのちょっとした騒動もあり、コンフィの周囲はだんだん賑やかになってきました。
そしてまさかの「アンお姉様」呼び……。
今後、学園でどんな騒動が起きるのか、作者自身も楽しみながら書いています。
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