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女装剤(ある女騎士の事情)  作者: 嬉々ゆう


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第28話 (コンフィの章)懐かれてしまいましたわ

第28話です。

舞台は女子寮。

戦いの相手は――乙女。

剣より難しいものが、この世には存在するのかもしれません。

どうぞお楽しみください。



 ・⋯━☞學園女子寮☜━⋯・



 ••✼••数日後••✼••


 コンフィは、新入生の挨拶のあと、

 女子寮の自分の部屋にいた。

 ……が、2人相部屋だった。


 そして、同じ部屋となったのは…



「!!……貴女は」


「フリージア・ツェニー・ライナーです

 ……よろしく…お願い…いたします」

 (怯えのような警戒のような表情)



 コンフィは、寮生活が不安だった。

 新しい生活というのもあるだろう。

 でも、そんな事などなんとでもなる!

 問題なのは……


「少女と同じ部屋になること」


 である!!

 流石のコンフィも、狼狽えた。



「はい、こちらこそ

 わたくしは……

 アンビジョーネ・コンフィ・バリヤージュですわ。

 よろしくお願いいたしますわ」


『まさか、この人と同じ部屋に

 なるなんて……うむむむ』

 (上目遣いでコンフィを睨むフリージア)


「……」

 (相部屋の相手が、

 少女なのが気まずいコンフィ)



 なんと!

 先日、試験会場での感じた殺気……

 「このだ!」

 と、すぐに理解したコンフィ。


 長く騎士として生きてきたせいか、

 殺気にも、敏感なだけではなく、

 喜怒哀楽や情の良し悪しの分別までも!


 大まかなモノだと、

 「完全な悪」と、

 「ちょい悪」と、

 「ツンデレ」とが認識できるコンフィ。


 この、フリージアと名乗る少女からは、

 「ツンデレ」だと感じた。


 だが、コンフィが気にするところは、

 そこではない。


 コンフィは、正直なところ、

 「女子が苦手」なのである。

 

 ビオラに対しては、

 「元男騎士団長」という認識なため、

 苦手意識などは、これっぽっちも

 感じたりはしないが、

 この、「フリージア・ツェニー・ライナー」

 に対しては、もう無理っ!

 だって、本物の女子だもの!

 (一応コンフィも本物の女子です)


 男ばかりの兄弟だったコンフィにとって、

 「女の子」と会うのは、未知との遭遇である。

 48年間独り身だったんだ、分かるだろう?

 どう対処していいのか、接していいのか、

 TPOに応じて臨機応変に……なんて不可能!

 女子の話す事柄なんて、宇宙の話のようで、

 理解不能の解読不能。

 まったくもって分からない。

 まだ、母親のほうがマシだった。


 だがっ!


 コンフィは、そんな苦手意識など、

 女騎士として人には見せられない!

 しかも、先日の試験を見る限り、

 フリージアの全ての手の内は見ていないが、

 歳相応で見ると、まずまずの実力者。

 もし、下手に隙を見せようものなら、

 いつ足元をすくわれるかわかったものじゃない。


 って、いやいや、彼女がそんな事をするとは

 思ってなんかいないが、念には念を……だ。


 いかんいかん!

 考えれば考えるほどに、

 余計な事まで勘ぐってしまう。


 ここは、女騎士としての威厳と、

 母親直伝の、淑女としての身の振り方を、

 心がければ良いはず。


 アイドリング時は、

 瞼はパッチリ開けずに眠気眼に。

 (偏見1)


 口はしっかり閉じずに少し緩める。

 (偏見2)


 振り向くときは先に瞳から向ける。

 (偏見3)


 言葉は一言一句、確実に止める。

 (偏見4)


 立つときは右足を少しだけ後ろに、

 そして少しだけ踵をあげる。

 左手の甲を腰に、右手の人差し指を下唇に。

 (偏見5)


 座るときは足を組んで左手をスカートの裾に、

 てのひらはそっと開いて丹田に。

 (偏見6)


 歩くときは右手に扇子を持ち口を隠し、

 左手は右手の内肘にそっとかける。

 一本のライン上を歩くように足を運び、 

 膝は必要以上に曲げずに歩き、

 踵から踏み込みべた足で歩くべからず。

 (The 偏見!&コンフィ的主観)


 これさえ守れば、完全無欠!

 これ全部、母の振り見て我が振り直す。

 母こそ、正義だ、怖いもの無し!

 (救いようのない偏見的主観!)


 よし! これでいこう。

 思ったことを、ただ口に出すだけだ。

 何も難しいことはない。



「貴女、なかなかなものでしたわね」


「えっ!?……そ、そうでしょうか」


「ええ。特にあの、十文字斬り、

 とても素晴らしいものでしたわ」


「本当ですか!?」



「十文字斬り」とは、文字通り十文字に

 敵を斬りつける大技である。

 だが、女騎士にマスターできる者は少ない。



「ええ。わたくし初めて人を褒めましたのよ?」

 (※女になってからは)


「そうなの……ですか?」


「もちろんですわ 自信を持ちなさい

 心に揺らぎが残れば、

 技にも揺らぎが出ますわよ?」


「!……そう……ですよね

 はい、ありがとうございます」


「……うふふふ」

 『よしよし! 女子と話せてる♪』


「!……(照)」

 (更に顔から耳まで真っ赤っか!)


 すっ……

 (立ち上がるフリージア)


「?!……」

 『ん?……』


 トッ……トッ……トッ……トッ……


「!!!!…………(焦)」

 『な、なんだ! どうして近づいてくる?!』


 トッ……トッ……トッ……トッ……


「……………………(照)」

 (うるうるな瞳で見上げてくる)


「!!!!………………(焦)」

 『なんだぁー! その目はやめてくれぇ!』



 フリージアは、まさかコンフィに、

 褒められるとは思いもしなかった。

 ダメ出しをされるとさえ、思っていた。

 なのに、褒められたものだから、

 フリージアの中で、コンフィは、

 好感度が爆上がりだった!

 


「ああ……わたくし……

 バリヤージュ様を、誤解していましたわ」


「はぃえっ?!……え、ええ、

 それは、わたくしこそ、失礼をしましたわね」

 (予期しない反応に、思わず変な声が出てしまう)


「いいえっ!!」


「!!??……(驚)」

 (ビクッ!!)


「あ、あのおっ!!」


「な……んでしょう?」

 『ひぃ~~~どうした?!』


「アンビジョーネ様……と、

 いえ、アン姉様……と、

 お呼びしても、よろしいでしょうか?」


「?!……え、ええ。

 お好きにお呼びあそばせ……」


「はいっ!!」


「!!!!!!!!…………(驚)」

 (ビクビクゥッ!!)


「ありがとうございますぅ!!」


「!!!!……いえ……どう…いたしまして(汗)」

 『なんなのこの


「あ……アン…さ…ま……(熱)」

 (コンフィの腰にまとわり付く)


「!!!!!!!!~~~」

 (ひぃいぃいぃいぃ~~~)



 コンフィ! Theぴーんち!!


 なぜか! 予測しなかった事態に!

 ライナー嬢とは、下手すりゃ

 犬猿の仲になることも覚悟していたのに、

 なぜかなぜか、懐かれてしまったあ!

 

 なぁ~~~ぜぇ~~~!!??

 なぜ、こうなったぁ~!!



 コンフィは母親の教えが

 偏見に満ちた誤りだとは、

 たぶん、一生気づかないのだろう……。

 

第28話をお読みいただき、ありがとうございました。

コンフィ最大の難敵は、

まさかの相部屋生活でした。

フリージアとの関係は、

対立か、それとも……。

ここから女騎士学部編、

賑やかに動き出します。


(※女になってからは)

コンフィは元ストローム騎士団副団長でした。

バジリスク討伐戦で負傷し、家に運ばれた時に母親に(呪の魔法薬)を飲まされ、怪我は治りましたが、女の子に変身しました。

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