第25話 (ビオラの章)ピオニー女騎士団初の実戦
ついに――
ピオニー女騎士団、初の実戦です!
正式な騎士団ではない彼女たちが選んだ道とは…?
そして暴れ回るワイバーンの群れ!
バトルも、百合(?)も、涙もあります。
どうぞお楽しみください!
••✼••数日後••✼••
・⋯━☞ピオニー女騎士団施設☜━⋯・
カーン! カーン! カーン!
「あっ!」
「「「?!……」」」
《緊急警報ー! 緊急警報ー!
マイーヤ北西部草原帯に、
ワイバーンの群れを確認!》
「「「「ワイバーンの群れ?!」」」」
「ワイバーン」とは、龍種の中では
弱い分類にされてはいるが、
群れとなると危険度が爆上がりする。
龍種は、
空を飛ぶ種類と飛ばない種類とがいる。
空を飛ばない種類では、
地龍
水龍
脚龍
などがいる。
空を飛ぶドラゴンでは、
ワイバーン
炎龍
古龍
などがいる。
そして、龍種でも人と関わり、
一緒に生活する種類もいる。
これらは「龍」とは呼ばず、
「蜥蜴」と呼ばれている。
乗蜥蜴
牽引蜥蜴
などの種で、馬車などを引く従魔で、
獣車とも呼ばれたりする。
今回、登場したのは、
空を飛ぶ龍種ワイバーンだ。
しかも、人や家畜を襲うヤバいやつ。
警報によると、
「ビッグホーンブルの群れ(巨大角雄牛)」
を狙って、ワイバーンが、
多数集まっている様子。
どうやら、雄牛をエサに、
ワイバーンの群れが集まって来たが、
近くに街や村があるため、
人や家畜に被害が及ぶ前に、
やっつけてしまえ!って、こった!
ただ、ワイバーンは、
空を飛ぶ龍種であり、
地龍に次ぐ強さだとされる。
しかも、群れときたもんだ!
これはまさに、緊急事態だ!
だが、ピオニー女騎士団は、
厳密には騎士団としては、
まだ国からは認められていない。
なので、出撃できないわけだ。
さて、どうしたものか……
だが、ビオラの性格上、
黙って見ていられないのである。
「よしっ! 俺たちも出るぞ!!」
「「「「「ええっ?!」」」」」
「ちょっと待て! ビ……団長!
俺たちはまだ正式には騎士団では…」
(異を唱えるセリュウ)
「「「うんうん!」」」
(言動がハモる三人娘たち)
「「…………(汗)」」
(ビビってる時ジェニーとラビミヤ)
「そんな事は分かってる!
でも、俺たちが出るか出ないかで
戦況が変わる場合だってあるだろ!」
「「「「んんん~~~」」」」
「なんだお前たち!
俺たちは確かに、
まだ正式には騎士団として
国にら認められてはいない!
だがな! 騎士としては、
戦えるとは思わないか!」
「「「「!…………」」」」
「こらこら! ビオラお前!
また悪い癖が出てるぞ!!」
「じゃあ、黙って待ってろって言うのか!?」
「んぐぅっ……」
(顔をしかめるセリュウ)
「「「「「…………(汗)」」」」」
セリュウも、本当の気持ちでは、
ビオラと同じく、今すぐ出たいようだ。
だが、国がピオニー女騎士団を、
正式に騎士団として認めていない以上、
街の警護や護衛などなら出られるが、
魔物の討伐となると別の話。
なので、ビオラは考えた。
「なら、”冒険者”としてならどうだ?」
「「「「「!!…………」」」」」
「冒険者……か、なるほど!
冒険者としてなら、
問題はないわけだ!」
「おぅよ!」
ワイバーンとは、冒険者ギルト規格だが、
ジェイドクラスの魔獣だ。(LV31~50)
三人娘たちは、3人共Lv60を超え、
ラピスラズリクラス。(LV51~70)
ジェニーとラビミヤは、
今はまだジェイドクラスだが、
あと少しでラピスラズリクラス。
そして、ビオラとセリュウは内緒。
とにかく、強い。
ワイバーン程度なら、平気だい!
「フーリアたちはもう、
ラピスラズリクラスだもんな。
スケルトンキング戦を思い出せ。
欲張らずに1体ずつ倒せ。
素早さと空を飛ぶ以外は、
攻撃パターンは変わらない!」
「「「はい! 団長!」」」
「ジェニーとラビミヤ、
まだジェイドクラスだが、
もうすぐ、ラピスラズリクラスだよな?
フーリア副団長分隊と共に戦え。
指示はフーリア副団長が出してくれる!」
「「はぁい! 団長~!」」
「そうか、ならよし!
何も言わずに問題ないな?」
「そういう事! 俺とセリュウは、
めちゃくちゃ強いクラスだからな!」
「お、おう……(汗)」
「「「……?」」」
「「……?」」
「なんだそれ(汗)
本当に大丈夫なんだろうな、団長さん?」
「まあ、1対1ならな!」
(盛大なフラグ)
「………………(汗)」
この時セリュウは、
ビオラに何気ない一言に、
言うに言えない不安を感じたのだった。
・⋯━☞マイーヤ北西部草原☜━⋯・
セリュウの指揮の下、救護テントが、
あっという間に組み立てられる。
セリュウは、
救護班として指揮をとるよう、
あれこれと準備をしていた。
するとそこへ、ビオラがやって来る。
「セリュウなにしてる! 行くぞ!!」
「え?……」
「お前が居なきゃ誰が回復役すんだ?」
「!……そうだな。そうだったな!」
「もうボケたのか?」
「っなわけねーだろ!チビ!」
「うっせえ! チビ言うなつっただろ!
ぶっ殺すぞてめぇ!」
「……ふっ」
そして……
パチィーン!
(互いに手を叩き合う)
「ははっ!」
「へっへっ」
「「「……♪」」」
「「……ふふふ」」
気合いは十分!!
この時、ピオニー女騎士団の誰もが
「絶対にうまくいく!」
と、疑わなかった。
そして……
・⋯━☞フーリア副団長分隊☜━⋯・
「はっやっ!!」
「えっ! 団長!?」
「んっ!んんっ?!……」
「ぁありぁあああああーーーー!!」
ダダダダダダッ!
「くっ!ぬわあああーーーー!!」
ダダダダダダッ!
ビオラとセリュウの速さは、
もう目が点になるほどに
バカげたものだった!
ビデオの早送りか?と思うほどだ。
2人が飛ぶように走り回り、
ワイバーンに一撃を入れる動きは、
まるで某有名海外人気アニメ、
猫と鼠のドム&ジュリーのようだった。
時には、そのあまりの速さに、
草の揺れしか確認できず、
気がつけば既にもう、10数mもの先に
移動していたなど、
「アニメかよ!」
と、ツッコミたくなるほどだ。
その時のビオラは、
一段階変身した、
「ドレスアーマー」状態だった。
全体的に黒のビキニアーマーはピンクに。
軽装アーマーは、ドレスアーマーに。
魔法少女と魔法戦士を合体させたような、
他の騎士団さえもビビる強さを誇る。
あのラストでさえ勝てない強さでもある。
「すんげぇなあ! あの娘たち!」
「ああ、ピオニー女騎士団のビオラだな」
「ああっ!? アイツ、グラムレスか!?
まさか、元ラスト騎士団の団長の?」
「そうだ! 小っちゃくなっちまったが、
強さは健在だな!」
「もう一人の方も、小っちゃいな」
「どっちも、ミニマムだな」
「ははっ! ミニマムコンビだな!」
「ちげぇーよ! ミニマムSistersだよ!」
「それいいな! 俺、推せる!」
「俺も!」
「ミニマムSisters」
なんて言われているとは、
ビオラもセリュウも知る由もない。
だが、この変身モードには弱点がある。
ビキニアーマーの魔力増加効果があり、
総魔力の底上げがされていても
無視できないほどに魔力消費が半端なく、
ビオラはどんどん疲弊していった。
それでもこのまま何事もなくいけば、
きっと我が部隊は勝利できる!
そう誰もが思っていた。
だが、そんな2人水を差す事態が訪れた!
「速報! 後方に重傷者多数!」
(他の部隊からの速報)
「はっ!なんだと?!」
「セリュウ、行ってやってくれ!」
「……わかった!
俺が戻るまで死ぬなよ!」
「誰に言ってんだ?」
「へへ じゃあ行ってくる!」
「ああ……」
セリュウは、ビオラの指示に従う。
団長の指示なのだから仕方がない。
セリュウは、後方へと向かった。
••✼••20分後••✼••
だが、セリュウが戻ったとき……
ビオラは、
ワイバーン2体に追い詰められていた。
ビオラは遂に力尽き倒れてしまう。
だが幸いにも、ワイバーンの興味は、
ビオラから離れつつあった。
「ちっくしょお! いててっ(汗)
前半で魔力使い過ぎてしまった……
変身が解けちまったじゃん!」
ビオラはひとり、
フーリア副団長分隊から離れた位置で、
ボロボロになってしまっていた。
仰向けに倒れて動けないほどに……
そこへ、ようやくセリュウが駆けつける!
タッタッタッ……タタッ!
「ビオラ! おいビオラしっかりしろ!!」
「へへへ……おっせぇ!」
「お前……こんなボロボロになって……
また無茶しやがって!」
「へっへへへ……ダメだ、首も起こせねえ。
すまんセリュウ、飲ませてくれ」
「!!……俺、ラストに……
殺されたりしねぇよな?」
「はやくしてくれ!
ワイバーンがくるぞ!」
「ああもぉ! しょうがねぇなあ!」
そしてセリュウは、
ポーションをビオラに口移しで飲ませる。
わおぅ!!百合?!
「んんんん~~~♪」
(セリュウの頭を抱え込みながら
必要以上にセリュウの口に吸い付くビオラ)
「んんんん~~~(汗)」
(息ができないセリュウ)
ちゅうぅうぅうぅ~~~ッポン!
「ぷわはぁ! はぁー! ケホケホ!
バカチビビオラめ! 殺す気か!」
(真っ赤な顔して照れギレするセリュウ)
「美味かった! サンキュー!」
(ケロッとしているビオラ)
「頭噛んで死ね!
バカ! アホ! チビ!」
「チビ言うな! お前もチビなくせに!
ぶっ殺すぞてめぇっ!」
「いいから、さっさと立てっ!!」
••✼••ワイバーン討伐完了••✼••
そして、戦闘終了後……
なぜだか、ビオラとセリュウは大喧嘩!
他の騎士たちは、そんな2人の様子を、
ポカーンと見ていた。
「「「「…………」」」」
………………
………………
「ばっきゃろお!!
お前が死ぬかもしれないと思って、
心配したんだぞ!」
(涙ちょちょぎれ)
と、その時、
セリュウの目から一粒の涙が、
ポタリ!と落ちた。
「そうは言ってもだな?
放っては置けないだろ!
って、なに泣いてんだよ!」
「うっせえ! うっせえ! 泣いてねぇ!
すんすん……ぐずずっ」
「…………」
セリュウは、固く拳を握り締め、
プルプル震えながら涙を堪える。
だが、とうとう大粒の涙をポロポロと
流しながら泣きだしてしまった。
そんなセリュウは、
もはや、本気で友達を心配する、
女の子そのものだった。
一瞬、そんなセリュウを見て、
ポカーンとするビオラだったが、
引き付けを起こしながらヒクヒク泣く
セリュウを見ると、思わずもらい泣き。
「ひっく! えぐっ……ううっ……」
「!……だ、だってよお……だってよお!
俺は団長だから! 団長だからさあ!
すんすん……えうふっ」
(もらい泣き)
「それは分かってるさ!
でもさあ! でもさあーー!!
ええ~~~ん!」
(もうギャン泣き)
「うっせえー泣くなー!
ぶっ殺すぞぉ~~~!
うわぁあぁあぁあぁ~~~?」
(ビオラもギャン泣き)
「「「(^^)…………」」」
と、セリュウの大活躍もあり、
重傷者も軽傷で収まり、
ワイバーン討伐は大成功を収めた。
でもまだビオラとセリュウは、
兎座りで向かい合い泣いていた。
そんな2人を、ピオニー女騎士団も、
他の騎士団たちも、笑顔で見守っていた。
ラストは、そんなビオラの肩に、
そっと手を乗せ慰めていた。
「よくやったな! 偉いぞビオラ?」
「えうう……俺、頑張った……ぐすん!」
「おう! ほんっと偉かったぞ?」
「そん、そんな子ども相手に
言うような言い方すんなよぉ……」
「はっはっはっ! すまんすまん!」
「あ、あの……ラスト団長?」
「なんだ?」
「俺……すんません! すんすん」
「構わねえよ!
ビオラを助けるために仕方なくだろ?」
「ふぁい……すんすん……」
「アンタが女で良かったよ」
「なんだぃそりゃあ! すんすん……」
「はっはっはっ!」
「「「「…………(笑)」」」」
セリュウがラストに謝ったのは、
助けるためとはいえ、
ビオラにキスをしたことだ。
怒るわけが無い。
「女で良かった」
という言葉には、少々嫉みを感じるが……
そこへ、アザミ女騎士団がやって来た。
「うえあおあぁあぁあぁ~~~ん!」
「ひぃえぇえぇあぁあぁ~~~ん!」
「あらあらまあまあ!
お子ちゃまが何を泣いているの。
もしかして、ママとはぐれたのかしら?」
(実は一部始終見ていたコンフィ)
「う、うっせぇ! すんすん……(泣)」
「へあっ……あうっ……すんすん……(泣)」
「……まったく、ほんっと!
ミニマムSistersと呼ばれるに、
相応しいお二人ですわね!
泣き方も、息ぴったりですわ!」
「「ミニマム言うなっ!!」」
「ほぉら! ぴったり!」
「「うっせぇ! ぶっ殺すぞ!」」
「ふん! もう心配は無さそうですわね!
こんな泣き虫小娘たちを相手にするのも
時間の無駄ですわ
では、行きますわよ!」
「「「「はっ!!」」」」
ザッザッザッザッ……
「なんなのアレ?」
「ねぇ? 悪役令嬢部隊?」
「(;゜;ж;゜;)ぶふぅっ!!……んんっ!」
(吹き出すミティー)
何はともあれ、
全員無事に帰ることができました。
めでたしめでたし
第25話、ここまで読んでいただきありがとうございます!
ミニマムSisters爆誕回でした(笑)
ビオラとセリュウ、強いのか弱いのか分からない2人ですが、 きっとこれからも泣きながら前に進みます。
次回は少し余韻回になるかも…?
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