第23話 (ビオラの章)副団長乱入、百合未遂事件
第23話は、女騎士団の平穏が崩れます。
ジェニーとラビミヤによる、
まさかの“ぬるべた百合攻撃”。
団長ビオラ、大混乱。
さらにそこへ、コンフィ副団長が乱入。
騎士団は戦場よりも騒がしくなっております。
どうぞお楽しみください。
・⋯━☞ピオニー女騎士団施設☜━⋯・
・⋯━☞女騎士団宿泊棟通路内☜━⋯・
••✼••ある夜のこと••✼••
コソコソ……コソコソコソコソ……
「うふふふふ♡」
カサコソ……カサコソカサコソ……
「むふふふふ♡」
コソコソコソコソ……
カサコソカサコソ……
「「はっ?!……」」
ビオラの部屋の前で、怪しい2つの影が……
まるでゴキブ(ピー!)のように、
壁際を異常なまでの速さでのほふく前進!
そして、あるドアの前で鉢合わせ!
そう。
その影の正体は、ジェニーとラビミヤだった。
「な、なによアンタ何やってんの?」
「アンタこそ!」
「わ、ぅぅう私は、ビオラ姉様と……」
「私もビオラちゃんに……って、
アンタ! 私を出し抜いて……」
どうやらこの2人……
考えていた事は同じなようだ。
何も知らずに寝息を立てるビオラ。
おお哀れな仔羊よ……
お前の貞操は如何に?
ところが、様子が一変した!
「……」
「……何よ?」
「アンタ、なかなか可愛いじゃない?」
「な……アンタも、なかなか可愛いわよ?」
「……うふ♡」
「……むふ♡」
「「うふふふふふふふふ……♡」」
何を思ったのか、ジェニーとラビミヤは、
ビオラの部屋の前で、
ヌルベタイチャイチャし始めた。
なぜ、そうなった?!
「ちょっと待って!」
「なによ、いいところだったのにぃ~ん」
「私たちの本当のお相手は?」
「あ、そうだったわ!」
「ビオラ様っ!!」
「ビオラちゃん!!」
なんとも奇妙で見るに堪えない2人は、
一緒になって、ビオラの寝室へ潜入。
だから、なぜそうなった?!
・⋯━☞ビオラの寝室☜━⋯・
カチャ……キキ……キィイィ……
「「…………」」
「すぅ……すぅ……」
「寝ているようね?」
「……ね?」
「チャンスだわ!」
「チャンスよ!」
ビオラを求めて2人は意気投合。
ビオラの眠るベッドの中に、
左右に分かれて忍び込む……。
「すぅ……すぅ……」
《うふふ♡ 今夜のビオラ様も可愛い♡》
《はぁ……なんて可憐な♡》
《フガッフガッ……ビオラ様ぁ~~~
いい香りぃいぃいぃ~~~ん♡》
《ホントに……くんくんくん♡》
ジェニーとラビミヤは、
ビオラの体に巻き付くように、
鼻を押し当てて匂いを嗅いでいる。
もう、変態そのものである。
すると、何を考えているのか、
一線を越えようとするジェニーが……
「んんん~~~」
「はっ!!」
ビオラの右側に忍び込んだジェニーは、
そぉーっとビオラの唇に自分の唇を近づける。
それに気づいたラビミヤは……
グイッ!
(ジェニーの耳をつまみ引っ張るラビミヤ)
《いててっ! 何すんの?!》
「……?!」
(目を覚ましたビオラ)
《何って、今ビオラちゃんに、
キスしようとしたでしょ?!》
《いいじゃない! 減るもんじゃないんだし》
《そーゆー問題じゃないわよ!」》
「…………(焦)」
『なんだ?! なんでコイツらがここに?!』
ビオラは、錯乱状態寸前に!
だが、今ここで慌ててしまえば、
逆に自分が2人に手を出したと疑われかねない。
ここは、何も気づかない振りをして、
朝を待つしかない……
と、思った。
そして、ジェニーとラビミヤが、
ビオラに手を出そうとすると、
互いに阻止し合う……
そんなやり取りが、
永遠と思われるほど長く続けられ、
いつしか2人は、睡魔に襲われ……
「すぅ~~すぅ~~~」
「すぴぃ~~すぴぃ~~~」
「…………(汗)」
2人が眠ってしまった事を確認するビオラ。
左右を見てみると、ジェニーとラビミヤの、
無邪気な可愛らしい寝顔が……
「ひぃいぃいぃいぃ~~~ん!
どないせぇーっちゅーねぇえぇえぇん(泣)」
ジェニーとラビミヤに挟まれ、
直立不動な姿勢で眠れないビオラだった……。
••✼••そして翌朝••✼••
・⋯━☞ピオニー女騎士団訓練場☜━⋯・
「おはよぉおぉ~~~遅れてすまん
ふわぁあぁあぁ~~~んにゃんにゃ
ちょっと、眠れなくってさぁ~~~」
「「うふふふふふ♡」」
(ビオラにくっ付くジェニーとラビミヤ)
「さっ! 皆、訓練開始!」
「はいっ!」
「んっ!」
「あ、あれ?」
なぜか、ビオラを無視して
朝の訓練(体操)を始める三人娘たち。
もんの凄くいたたまれないビオラ。
仕方なく、ジェニーとラビミヤに、
この騎士団についての説明をする。
「ーーと、言うわけでだな、
朝は、一の金が鳴ったら起床。
今日みたいに、ダラダラしてちゃダメだぞ?
ったく、ストローム騎士団じゃあ、
どんな日々を過ごしてたんだお前たちは?
っておい! 聞いているのか?」
「「うふふふふふふ♡」」
(デレデレベタベタ♡)
「……ああもぉ~~~参ったなこりゃ(汗)」
「「「………………」」」
(ジト目でビオラを睨む三人娘たち)
「一の金」とは、
日の出に鳴る金のことである。
まったく、朝の訓練(体操)もできやしない。
ジェニーとラビミヤは、朝起きてから、
ビオラにベットリベッタリくっ付いて、
ぜんぜん離れようともしない。
まったく訓練どころではない。
「こらこら! いい加減にしろ!
いったい何をしにここへ来たんだ!」
「「むふふふふふふ♡」」
(ヌルヌルベタベタ)
と、その時!
パカーン!
「あだっ! って、おい! 何すんだ!」
「…………(怒)」
「……お、おい? ちょっと助けて?」
フーリアが、いきなりビオラの後頭部に
サヤに収めた双剣で殴りつけた!
そして、何も言わずにそのまま……
「さ! アタイたちは、本練に行くよ!」
「はい! 副団長!」
「んっ!」
「おいってばぁ~~~
おおおお~~~い!
ちょっと、助けてくれってばぁ~(汗)」
……バタン!
「!!……嘘!……マジ?」
「「うふふふ……むふふふ♡」」
(ヌルベタヌルベタ♡)
「……俺、これからどうなるの?」
まさに! 前途多難なビオラであった。
それからも、ジェニーとラビミヤは、
ビオラから離れないったら離れない!
どんなに怒鳴りつけても平気な顔をしている。
騎士団長たるもの、こんなではいかん!
と、喝入れのために、
殴ってやろうかとも思ったのだが、
2人の脱力するようなニヤニヤ顔を見ると、
そんな気も萎えてしまうのだった。
さて、コイツらの対応をどうしたものか?
と、考えあぐねていたら……
「ぁあっはっはっはっ!!」
「うわっ! ビックリしたって……え?」
「やっぱり、こうなっていましたのね!」
「……うぬぬぬ……コンフィ~~~」
「「…………」」
(流石にビオラから離れるヌルベタ少女たち)
そう。コンフィが来ていたのだ。
しかも、ゾロゾロとドレスアーマーを着た
「悪役令嬢軍団」のような連中を連れて。
「わたくし、もう騎士団設立の規定である
10人の団員の確保ができていますの
この意味……お判りかしら?」
「なん……だとぉ?」
騎士団設立に必要な人数の規定は10人。
だが、ビオラのピオニー女騎士団では、
ビオラを含め、
フーリア、ベミーヨ、ティミー、
そして、ジェニーとラビミヤの計6人だ。
つまり、ピオニー女騎士団では、
まだ正式には騎士団として稼働ができない。
従って、コンフィ女騎士団に、
一歩先を抜かれてしまったのだ。
ぐうの音も出ないビオラ。
「貴女たちも、お楽しそうでなにより。
ですが、まるでお子様のお遊戯会ですわね?」
「「……むむむむむ(怒)」」
「……ん?」
ビオラは、思った。
今しがたのコンフィの言葉により、
ジェニーとラビミヤは、
今にも飛びかからんとする雰囲気だ。
この2人の、真性ヌルベタ百合少女たち……。
もとい、ジェニーとラビミヤも、
コンフィを、あまり良くは思ってないらしい。
「ふっふっふっふっふっ
ああ、見物ですわね?
貴女たちが、これからどんな女騎士団へと
なってゆくのか、とおっても楽しみですわ」
「……ほざけ」
「「…………(怒)」」
(ブルブルガタガタ)
「さあ、貴女たちも、教えてさしあげなさい!」
パパッ!
(女騎士団が姿勢を正す!)
「「「「「我らは、アザミ女騎士団!」」」」」
ザッ!!
「「「?!……」」」
「「「「「目指すは我が国一の女騎士団!!
コンフィ団長と共に!!」」」」」
「「「!!!………………」」」
「んまぁ~素晴らしいですわぁ!
よく出来ましてよ? 貴女たち!
とても、美しいですわぁ~~~
ぁあっはっはっはっ!!」
「「「「はっ!!
ありがとうございます!!」」」」
「うっわぁ~~~」
「「………………(汗)」」
ビオラたちが見せられたのは統率の取れた、
キレッキレの忠誠心の宣誓だった。
ビオラは、地龍よりも、
強敵を前にしている……
そんな気がしたのだった。
第23話は、女騎士団の平穏が崩れます。
ジェニーとラビミヤによる、
まさかの“ぬるべた百合攻撃”。
団長ビオラ、大混乱。
さらにそこへ、コンフィ副団長が乱入。
騎士団は戦場よりも騒がしくなっております。
どうぞお楽しみください。




