第22話 (ビオラの章)悪役令嬢は従わない ~押し付けられた娘たち~
第22話では、ついにコンフィ副団長が本格始動。
ピオニー女騎士団に迎え入れられたはずの“悪役令嬢”は、 まさかの反逆宣言。
そして、追い打ちをかけるように現れる 女装剤被害者の新たな団員たち。
団長ビオラ、波乱の連続です。
今回もどうぞお楽しみください。
・⋯━☞ストローム騎士団詰所☜━⋯・
ビオラは、コンフィ副団長と御対面。
「……あはは……どうも(汗)」
「……ふん」
「……」
コンフィ副団長の第一印象は、
リリアの言うように、悪役令嬢だった。
「ふん お前が、ピオニー女騎士団の団長か」
「…………プチッ(怒)
あのですね、俺は貴女よりは歳下ですが、
地位は俺……私の方が上なんですがねぇ?」
「ほぉ? こん~な、メスガキがねぇ?」
「ぐぬぬぬぬぅ~(怒)」
「うむむむむぅ~(怒)」
ビオラとコンフィ副団長は、
鼻がくっ付くくらいに顔を近づけ睨み合う。
いやはや、これはまた一悶着ありそうだ。
結局、ストローム団長には、
ビオラとコンフィの意思など無視され、
コンフィを連れて、ピオニー女騎士団施設へ。
・⋯━☞ピオニー女騎士団施設☜━⋯・
「ほほぉ~なかなかの施設ではないですか?」
「まあね!
いつでも新入団員を迎え入れられるように、
拠点だけはシッカリしておかないとね!」
「ふぅん……」
コツン…コツン…コツン…コツン……
「…………」
コンフィ元副団長の歩く姿は、
騎士とは思えない淑女そのもの。
これ、本当に中身はアラフィフオヤジなのか?
と、疑いたくなるような雰囲気を醸し出す。
腕を組み、歩く彼女を目で追うビオラ。
下手な言動をしようものなら、
すぐにでも、叩き出してやる!
とは、思うものの、
ここへ来てからの彼女の言動は、
元副騎士団長とは思えない、
まさに、悪役令嬢な口振りだった。
「さて! わたくしのお部屋はどこですの?」
「ん?……」
『なんだいきなり? 急に口調を変えたが……』
「衣装部屋はありますの?」
「はあ? アンタ、何を言って……」
「わたくし専用の湯殿もあるのでしょうね?」
「はっ?!……おいおい……」
「侍女は、どこに居るのかしら?」
「はぁん? あのなぁ……(汗)」
「侍女は、最低2人はつけて欲しいですわね!」
「ちょ、ちょっと待て! ここを何処だと……」
「貴女には専属の侍女は居りますの?」
「こらこら、だから待て待てっ!」
「お食事は、お部屋でお願い致しますわ」
「待てぇーーーーーーーいっ!!」
「!!……」
なんだなんだコイツわぁーー!!
本当に?! 本当に元副団長なのか?
生まれた時から、貴族令嬢じゃないのか?
お食事はお部屋でって、なんやねぇーん!
「んまっ! はしたないっ!
淑女たるもの……」
「誰が淑女だ! 誰がっ!!」
「!……」
「俺は、このピオニー女騎士団の団長!
お嬢様じゃねぇーんだよ!
ってか、一応は貴族の地位はあるけどな。」
「……ふぅん」
「アンタいったい、ここへ何しに来たんだ?!」
「……」
「…………んんんん(汗)」
なんだコイツ。
俺が怒鳴っても、顔色一つ変えやしねぇ。
怒りを買って、そのまま手合わせへと
持ち込もうとしたのに、まるでブレねえ。
調子が狂うってもんだ。
「言いたいことは、それだけかしら?」
「んなんっ?!……あのなぁ……(震)」
「わたくし、初めから貴女に従うつもりは
まっっっっったく、ございませんの」
「はあ? そりゃ、どういう意味だ?
俺は、ここの団長だぜ?
いつまでお貴族様気取りなんだよ。
つーか、元副団長だったよねえ?
でも今は、俺の方が身分は上なの!
アンタが俺に従うのは、当然のことだろ?」
「貴女の庇護など、不要ですの」
「はあん? あのなぁ……(困)」
「ふぅん……」
(くるりと回って歩き出す)
コツン…コツン…コツン…コツン……
「ん? お、おい……」
「では、わたくし……
自分の居場所は、自分で用意いたしますわ」
「はいー?!」
「貴女と肩を並べる気はありませんの。
並ぶなら――頂点で」
「ケッ! 言ってくれるぜ」
コツン…コツン…コツン…コツン……
「あ、おい! ちょっと!」
そう言ってコンフィは、
施設を出て行ってしまった。
「ああもぉ……なんなんだよ、アイツわ?」
それから、数日後……
「「ビオラ団長殿は、おりますかー!」」
「おっ! はいはい
ん? アンタたちは……」
「うふふふふ……♡」
「むふふふふ……♡」
「おぃおぃ、来ましたよぉ~~~
ついに、来ちゃいましたよぉ~~~(汗)」
今日、ビオラの下、
ピオニー女騎士団施設へやって来たのは……
ジェニー元ストローム騎士団若手騎士と、
ラビミヤ元ストローム騎士団若手騎士。
2人は、元男性騎士だった。
ビオラと同様に、
大魔女ラカの呪の魔法薬の被害者である。
しかも! 2人はコンフィとは真逆の、
ビオラが大好き好き好き娘!
また別の意味で、苦手な2人だった。
心配していた事が起きた!!
ストロームのヤツ、まさかとは思っていたが、
案の定、扱いに困ってた娘たちを、
俺に押し付けやがったあーー!!
「やっと、ビオラお姉様と一緒に寝れるね!」
「寝るか! お前とは部屋は別だ!」
「ええええ~~~ん? そんなぁ~~~ん!」
「これで本当に団がまとまるのか?」
「「一緒! 一緒! 一緒っしょお!」」
「…………(汗)」
『子供かよ……』
コイツは、元ストローム騎士団若手騎士。
名前は、ジェニー。
見た目年齢は、10歳以下くらいの幼女?
しかも、ワンピースの上に軽装アーマー。
ティミーより小っちゃくて可愛いからこそ、
下手に強く突き放せないのが、たちが悪い。
ビオラよりも、更に幼く見える。
なんで、こうなっちゃったの?
ビオラを、「姉」として慕うベタベタ幼女。
「ちょっとぉ~~~ビオラ様ぁん!」
「な……なんだよ(汗)」
「私、ビオラ様と一緒の部屋がいいん!」
「だ、ダメだよ……部屋は各々別だ」
「いゃあ~~~ん! やんやん!」
(全身を擦り付けて揺さぶってくる)
「やややややめろぉ~~~(震)」
(鳥肌~~~)
一方コイツも、元ストローム騎士団若手騎士。
名前は、ラビミヤ。
見た目年齢は、17~18歳くらいのJK風娘。
元は、ドが付くスケベ野郎だったのに、
女になってから「百合」に目覚めたらしい。
背もビオラよりも頭一個分高く、
たぶん、155cmはあるか。
ビオラを「妹」として慕うヌルベタ娘。
「ビオラお姉様ぁ~~~ん♡」
「ビオラ様ぁ~~~ん♡」
「や、やめなさいってばっ!
ああ~~~んもぉ~~~!!
なんで、こうなったぁーーーーー!!」
ビオラは今日も、波乱万丈である。
第22話、ありがとうございました。
コンフィは“味方”でも“部下”でもなく、 対等なライバルとして動き出しました。
そして押し寄せるジェニーとラビミヤ。
ピオニー女騎士団は、想像以上に賑やかになりそうです。
ここからは、団長としての器が試される章。 ビオラはこの混沌をまとめられるのか。
次回もよろしくお願いいたします。




