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女装剤(ある女騎士の事情)  作者: 嬉々ゆう


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15/82

第15話 (ビオラの章)女騎士団転ぶ?!スライム無双!

女騎士団、ついに正式名称が決まりました!

その名も――

「マイーヤ王宮ピオニー女騎士団」!!

……ですが。

団員はまだ4人。

資金は修理代二百万チャリン。

そして本日の任務は、まさかの“スライム捕獲”。

最弱モンスター相手に、果たして彼女たちは無事でいられるのか?

ちょっとだけ不安な第15話、開幕です。



 ・⋯━☞ピオニー女騎士団施設☜━⋯・



「ふふふ だろ?

 俺たち率いる女騎士団の名前は、

 ”ピオニー”だ!」


「「ピオニー!?」」


「……ぴおに」


「ああ、そうだ!

 マイーヤ王宮ピオニー女騎士団だ!」


「「マイーヤ王宮ピオニー女騎士団!!」」


「………………だん」

 (言うのをはしょったティミー)


「へっへっへ ま、いいんじゃねえか?」


「そうだ! 俺たちで我らが女騎士団を

 この国で一番の騎士団にしようぜ!

 ”マイーヤにはピオニー女騎士団あり!”

 ってな!!」


「「マイーヤ王宮ピオニー女騎士団!!」」


「………………だん」

 (また言うのをはしょったティミー)


「へぇへぇへぇ じゃあ決まりだな」


「ああ、ありがとよ、おやっさん!」


「なぁに……大したこたぁねぇ」


「「わあ~~~!!」」

 「……ん……いい」

 パチパチパチパチパチ!



 こうして、ビオラ率いる女騎士団は、

「ピオニー女騎士団」となった。



「さて! ピオニー女騎士団結成!

 ……とはいえ、

 俺たちはまだ、たったの4人だ」


「「……ふぅん」」


「……ん」


「正式に騎士団を立ち上げるには、

 最低でも10人以上必要なんだなこれが」


「「10人?!」」


「……ん」


「なんだそりゃあ?

 じゃあまだ女騎士団は完璧じゃねえのか」


「まあ、うん……そうだな

 一応、団長の俺が騎士団の全てを統括する

 騎士団の中では最高責任者とはなるんだが、

 正直言うと、まだなぁ~にも決まってない」


「「「……」」」


「おぃおぃ、大丈夫なのか? 嬢ちゃん」


「ははっ……ってかまあ、

 俺もアッチ(男性騎士団)じゃあ、

 先代の団長からただ引き継いだだけでよ?

 団をハナから立ち上げるなんて初めてだし、

 これからどうすればいいのか、わかんね!」


「「えええ~~~?!」」


「……え」


「おい……本当に大丈夫なのか?」


「さあな?」


「さあなって……

 なんだか先行きが怪しくなってきたな」


「まあ~な! なんとかなるだろ!」


「「「…………(汗)」」」

 (クシャミを我慢するような顔)


「……そんな顔するなよ(汗)」



 はてさて、女騎士団立ち上げ……

 本当にこんなヤツで、大丈夫なのだろうか?



「とにかくだ!

 先ずは、お前たち3人を鍛えようと思う!」


「「おおー!」」


「……おお」


「俺が団長でぇ~

 じゃあ、副団長はフーリアだな?」


「え? アタイ?」


「うん! 確かぁ~お前たちは、

 なんちゃって女騎士団やってただろ?」


「なんちゃってって、酷い!」


「「……クスッ」」


「いや、すまんすまん!

 でも、他に言い方が思いつかなかった!

 でもよ? 女騎士団について一番詳しいのは

 お前、フーリアだろ?」


「あーんーそうかも?

 だって、お姉ちゃんから女騎士団の話は

 よく聞いてたもん!」


「……だろ?」


「「…………」」


「おぃおぃ、嬢ちゃんよ正気か?

 お子ちゃまのお遊戯会を

 やってんじゃねぇんだぜ?」


「んなっ?! なにを失礼な!

 こう見えても俺は真剣に……」


「まあ、いいさ!

 ワシはもう用無しだろ?

 帰らせてもらうぜ~~~」


「え? あ、おう……」


「修理代の二百万チャリン、しっかり払えよー」

 (チャリン=この国の通過)


「……まけて?」


「バカを言え!」


「ですよねぇ~~~(汗)」


「……払えるんだろう?」


「うん? うん……まあ」

 (まけてくれるのを期待している)


「払えなかったら、性奴隷落ちだぞ?」


「払いますぅわっ!!」

 (思わずラカの真似)


「なんなら、ワシの専属の……」


「はやく行け! このドスケベオヤジがっ!!」


「……ふん! じゃあな!」


「世知辛い……(汗)」


「「「……」」」



 そう言って、ファブロは帰っていった。



「……」


「「「…………」」」


「………………なんだよ?」



 本当に、本当に、大丈夫なのだろうか?



 ・⋯━☞大魔女ラカの家☜━⋯・


     ••✼••昼過ぎ••✼••


 ビオラたちは、大魔女ラカの家を尋ねた。



 ドンドンドン!


「魔女殿ー! いるかーい!」


《はいはい!

 ちょっと、待ってくだいねぇ~~~》


 カチャカチャ……カチン!


「あら? まあまあ!

 新しい団員さんたちが増えたのねぇ!」


「うん! まあ、そんなとこ!

 んで、ちょっと頼みがあるんだが……」


「……はぁい?」



 今回、ビオラが大魔女ラカの家を訪れたのは、

 トイレについて相談したかったからだ。



「はあ……トイレですか?」


「ああ、そうなんだよ

 以前、魔女殿の家のトイレを借りたとき、

 すんごい清潔でいいなぁ~と思ったんだよ

 それって、何か秘密があるのか?」


「秘密? 特に何もございませんわ!

 ただ、スライムちゃんに、

 綺麗にしてもらってるだけですのよ?」


「スライムちゃん?」


「「「……?」」」


「そう! トイレスライムちゃん!」


「なんだそりゃ?」



 聞かところによると、

 大魔女ラカの家のトイレでは、

 「トイレスライム(ラカ命名)」なるものが、

 トイレの中に飼ってるらしい。

 そのトイレスライムたちが、

 汚物を食べてくれて綺麗にし、

 臭いまで消してくれるのだそうだ。



「なにそれ?! すんげぇーじゃん!」


「あら、そう?

 ただ、トイレスライムちゃんを捕まえてきて

 トイレの中に飼ってるだけですのよ?」


「それだよ!

 そんなこと、誰も知らないじゃん!」


「あら、そうでしての?

 王宮のトイレは、私が施してあげましたのよ?」


「王宮って、一度しか行ったことねぇし……」


「そうですのね? とにかく……」



 ビオラは、大魔女ラカから、

 トイレスライムの捕獲方法を教えてもらった。

 まずは、冒険者ギルドにて、

 スライムを捕獲する依頼を受けるのだ。

 ここのところ、

 騎士団として活動できなかったので、

 しばらくは冒険者ギルドの

 お世話になっていたのだ。



 ・⋯━☞冒険者ギルド☜━⋯・


「あら、ビオラさん、こんにちは!

 今日は、どんなご用件ですか?」


「うん! スライムだ!」


「えっ……スライム……ですか?」


「おぅよ!

 スライム捕まえる仕事があるだろ?

 魔女殿から聞いたんだが……」


「はぁい まあ、常時受付してはおりますが」


「それを、受けさせてくれ!」


「はあ……あの、4人でですか?」


「ああ、4人でだ!」


「はあ……承りました

 では、スライム捕獲の常時依頼のこの書類に

 サインと人数を書いてもらえますか?」


「ほいほい……」



 ビオラは、冒険者ギルドにて、

 「スライム捕獲の仕事」を受けた。


 元々、大魔女ラカが提案したものらしい。

 もちろん、トイレスライムの普及のためだ。

 本来スライム捕獲の仕事は、

 最低ランク冒険者の雑用だったりする。


 早速、ビオラたちは、

 トイレスライムの生息地へと向かった。



 ・⋯━☞森の川付近☜━⋯・


 サラサラサラサラ……


 ここは、スライムのよく居る水辺。

 トイレスライムばかりではなく、

 様々な種類のスライムも生息する。



「うっわぁ~~~川きれー!」


「うんうん! こんな場所があったのね」


「……ん」


「だな! それより、ここへ来たのは

 スライムを捕まえに来たんだからな!

 遊びに来た訳じゃないんだぞ?」


「「はぁーい!」」


「……ん!」



 ビオラたちは、スライムを捕まえるための、

 水の入った壺を持ち出した。

 捕まえたスライムを、ただ壺に入れるだけ。

 簡単な仕事だ!

 だがフーリアたちは、なんだか楽しそうだ。


 確かに、騎士団でも雑用を受けたりする。

 しかしそれは、最適クラスの冒険者だったり、

 騎士団でも、下級クラスの

 「準騎士」の仕事である。

 一応、フーリアたちは、「正騎士」ではある。

 今の現状での「ピオニー女騎士団」には、

 「準騎士」なんて存在しない。

 だって、まだ4人なんだもん!


 フーリアたちは、

 それを、分かっているのだろうか?



「ベミーヨそっち!」


「あっ! はっや!!」


「ティミー! そっちそっち!!」


「……ん! きゃ!!」

 (スライムに体当たりされた)


 ステーン!


「きゃふ!……痛い」


「大丈夫ぅ?」


「……ん」



 もう、かれこれ2時間は経ったか……。

 フーリアたちは、

 まだ1匹もスライムを捕まえられていない。



「こんのぉー! こら!」


「はやっ!!」


「ん!」


 シュルルルルルルッ!


 

 このとき、スライムは目も止まらぬ速さで、

 フーリアたちの間を縫うように駆け抜けた!

 そして、フーリアたちの足をに

 絡まるように足払いをした!

 完全にスライムたちに

 舐められているフーリアたち。



 シュルルルルルルルッ!


「わっ!!」

 ドテッ!

「ぎゃっ!」


「やっ?!」

 バタッ!

「きゃふ!」


「……ん!」

 ボテッ!

「ん”っ!」


「「いたぃいぃいぃ~~~ん!」」


「…………痛い」



 そこへ、ビオラがやって来る。



「おーい! 捕まえられたかー?

 おっ! ほい!」

 

 パッ!……ヒョイ! すぽん!


「「「?!……」」」


 

 ビオラは、あっさりとトイレスライムを確保!

 パッ!と捕まえて、ヒョイ!と壺に入れる。

 そんなビオラを見ていたフーリアたちは唖然。



「「…………うそ(汗)」」


「……え……え」


「どうした?

 って、なんで怪我してんだお前たち?!」



 なんと! フーリアたちは、怪我をしていた。

 いったい、何があったのか?



「団長! スライム強いですぅ!!」


「はあ?」


「本当よ! 捕まえるどころか、

 倒すこともできないの!」


「いやいや、倒しちゃダメだろ?」


「……んん……無理」


「そう言うなよ~~~」


「「だってぇ~~~(汗)」」


「…………スライム…無敵」



 すると、フーリアたちの前を、

 1匹のスライムが、ヒュン!と駆け抜けた!



「ほら! 凄く速いでしょ?」


「え? あれは、普通のスライムだな」


「「普通のスライム?!」」


「……え」


「そうだ! スライムと、トイレスライムとは、

 よく似てはいるが、別だぞ?

 ほら、色が違うだろ?

 アイツは緑だが、トイレスライムは水色だ」


「そんな……(汗)」


「早く言ってよ! ぷんぷん!(拗)」


「…………ん”ん”っ!(怒)」


「そんな事を言われてもだなぁ……(汗)

 一応言っておくが、普通のスライムは

 …………最弱だぞ?」


「「えええ~~~嘘だぁ~~~!!」」


「……え……え」


「お前たち、普通のスライムにやられたのか?」


「「…………うん」」


「…………ん」


「…………この女騎士団、大丈夫なのか?」







 しばしの静寂………………







「∑( ̄□ ̄( ̄□ ̄( ̄□ ̄Ⅲ)がぁ~~ん!!」


「がぁ~~んって、お前ら……

 女騎士としての

 自覚はあんのかよ……(汗)」


「「「………………(焦)」」」


「スライムはな、

 動きの癖を見れば簡単だ。

 例えば水辺では必ず流れに逆らう」


「「おおおお~~~!」」


「………………おお」


「……ま、頑張れ」



 初めて、女騎士団の存続に、

 危機を感じたビオラだった。



 ビオラは、転んだ三人を見つめながら、

  心の奥で、静かに決意した。


 

 (……まずは、基礎からだな)


 

スライムに転ばされる正騎士たち。

しかも相手は“普通のスライム”。

ビオラの心の中では、きっと小さな警鐘が鳴り始めています。

それでも、これがピオニー女騎士団の第一歩。

転んで、悩んで、叫んで、それでも進む。

……たぶん。

次回も、どうぞよろしくお願いいたします!

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