第九十八話 特訓二日目 ダンジョン特訓 後 (2)
また更新しました。いつも読んでくれている人も、そうでない人も最後まで楽しんでくれたら嬉しいです。
白夜side
ビックスコーピオンとの戦いを終えた白夜は、やはり日差しが眩しかったようでアイテムボックスに何故か入れてきていたサングラスを掛けて歩き出した。
しかし白夜の探索はそこまではかどらなかった。何故なら砂漠の景色は何処を見てもほとんど変わらず、自分が今どこに居るのかすらも分からなくなっていた。
さらにそれだけではなく、迷って何処に行こうかと待って考えている白夜の元に休む暇も無く魔物たちが襲い掛かって来ていたのだ。
その状況にさすがに白夜もストレスが溜まって来たようで、いきなり叫び出した。
「あぁぁぁぁぁぁ‼もう‼うっぜぇなぁ!なんなんだよ‼風景が変わらな過ぎてどこだか分かんねぇし、魔物は雑魚のくせに数だけは無駄に多いし、そして何よりも次の階への階段何処⁉」
白夜はそう叫びながら飛び掛かって来た砂色の鮫を手刀で三枚に下ろしていた。他にも四方八方から同じような砂色の鮫が白夜へと襲い掛かるが、白夜はその総てを特に気にした様子も無く自然な動きでどんどん三枚に下ろしていった。
そして最終的に白夜が倒した鮫の数は約四十五匹程だった。しかし白夜はそれほどの数を倒しても特に疲れた様子も無くつまらなそうに鮫たちの死体をアイテムボックスに入れて行った。
それから鮫を全てアイテムボックスに入れ終えた白夜は一息ついてから話し出した。
「ふぅ~、さてっとこれからどうするかなぁ適当に探索してもどうしようもなさそうだしなぁ~…う~ん、やっぱりこのあたり吹き飛ばすか?いや、それをやったら特訓の意味が無くなっちゃうしなーう~ん…仕方ない、もう少し歩いて探してみて無理だったら…走るかしかないかぁ」
白夜はめんどくさそうにそう言うとまた渋々歩き出した。
それから三十分程経った時、白夜は偶然見つけたオアシスでくつろいでいた。
そこは完全に熱帯の観光地のように熱帯の植物などが生えておりその中央に大きな湖があった。白夜はその湖の端でアイテムボックスからイスを出し、それに座って全力でくつろいでいた。
「はぁ~、極楽~やっぱり休憩って大事だよねぇ~でもこれは参考になるな、こんな感じの休憩場はあった方が人の入りはいいかもなぁ~宝だけあっても無事に帰れなければ意味ないしなう~ん…でもむずかしいな休憩場、有った方が良いのは分かってるんだけどなぁこれの設置場所によってはもめ事の元になりかねないしなぁ…」
白夜はのんびりとくつろぎながら一人でそう言っていた。
しかしさすがに何時までものんびりと休んでいるわけにもいかないので、白夜はゆっくりとイスから立ち上がり体を少しほぐしてから少し名残惜しそうにしながらも、オアシスから離れて行った。
白夜がオアシスから出て探索を再開してから三十分程経った時、白夜は疲れたように空を見上げながら話し出した。
「あぁ、ぜんぜん!見つからねぇ~、もういや!仕方ない走って端から端まで一気に探すしかないか~はぁ、どれだけ広いかもわからないのにやりたくなかったんだけどなぁ~でもしかたない…か、はぁ~このままだと何時まで経っても終わらねぇしなぁよし!やるか‼」
白夜は心底嫌そうにそう言っていたが、最後には気合を入れて柔軟運動を始めた。
そして柔軟が終わった白夜はその場で数回跳ねると次の瞬間シャッ‼って音と共に白夜は砂ぼこりすら上げる事無くその場から消えていた。白夜は本当にやさしくそれでいて全力で走り続けていた。
白夜が走り出してから五分程経った時ついに砂漠の端にたどり着いた。それを確認すると白夜は特に気にした様子も無く、まるで普通に歩いているかのようにまがり今度は壁沿いに走り出した。
それから白夜は一時間近くもの間、もの凄いスピードで砂漠の全体を走り回った。しかし白夜は結局次の階層へと向かうための階段を見つけることができなかった。
そのため白夜はとりあえずゆっくりと考えるために先ほどまでいたオアシスまで戻って椅子に座りながら考え込んでいた。
「はぁ~、何処にもなかったし他にもそれっぽいところも無かったしなぁ~、何処に在んだろ?」
白夜はイスに寄りかかりながらそんな事を言いながら空を見上げた。
しかし白夜は考え込んでも仕方ないと思ったのか、休憩のために目を閉じて仮眠しだした。
白夜が仮眠を始めてから三十分程経つと白夜はゆっくりと目を擦りながら起き上がった。
「ふあぁ~~、良く寝た~‼やっぱり仮眠は三十分ぐらいが一番だな‼ってそれよりも、どうすっかなぁこれからどこにも無いんだもんなぁ階段…まぁ考えてても仕方ないか」
白夜はそう言うと湖まで近寄り顔を付けた。それからゆっくりと顔を上げ何か変な物を見たように眉間にしわを寄せていたが、すぐにもう一度顔を水につけた。
そして今度はすぐに顔を上げると嬉しそうに笑みを浮かべて叫び出した。
「み・つ・け・た~‼マジでか⁉砂漠の砂の中じゃなくて、オアシスの湖の中⁉いやぁランダムで創ったとはいえまさかの場所にあったなぁ~、まぁあったのは扉だけだったけどな!これは確実にボス部屋だよなぁ~めんどくさ!…はぁしかたないもう少し休んでから行こうっと、どうせ戦うんなら最善の状態で戦いたいしな!」
白夜は凶暴な笑みを浮かべて心底楽しそうにそう言った。
それから白夜はイスの他に机と何故か持ってきたラーメンを取り出して食事を取り出した。
白夜が食事をしている間にも何匹化の魔物がオアシスの水を飲みにやって来たが、食事中で隙だらけのように見える白夜に襲い掛かる事無く湖で水を飲むとそのまま大人しく去って行った。
そしてその様子を食事をしながらも気配で感じ取っていた白夜は不思議そうに首をかしげながら話し出した。
「ずずずぅぅぅ‼ぷはぁ~‼なんだあいつら?襲って来るのかと思って少し警戒してたのに襲い掛かってきすらしなかった。それにここはただの休憩場だと思ってたけど普通に魔物も入って来たって事はここは休憩場と言うよりは砂漠を作った時のオプションみたいなものなのか?う~ん…わからん!こういう時はデバイス検索~‼」
悩んでいた白夜は何故か急にハイテンションになりながらポケットに入れていたタブレット型デバイスを操作し迷宮を創る時のオプションの確認を始めた。
それから少しして白夜は検索を終えたようでゆっくりと話し出した。
「ふ~ん、なるほどねぇ~こう言う事か、つまりこのオアシスは休憩場所ではあるけどもそれは人間だけではなく、魔物に対しても一緒って事か。しかもこの場所の中では魔物の闘争心すらも抑えられる?いや違うな、封じると言った方が近いか…う~ん面白いけど下手に強い魔物がここに居てそいつがちょうど出るタイミングでここに入ろうとした人間が居たら死にかねないなぁ~……あ、でもちゃんと人間だけ専用もあるんだな、逆に魔物専用もあるけどまぁそれはいいか知りたい事は知れたし…」
白夜は満足そうに頷きながらそう言うと、デバイスをまたポケットに入れて食事を続けた。
それから三十分程して食事を終わらせた白夜は食後の運動と称して全力疾走で砂漠を一周しだした。
その間にも白夜は何度も魔物に襲われたが、その総てを特に障害にもならないと言うように片手で全てを排除して行った。
その結果白夜の通った後には魔物の残骸が散らばり、血によって赤い線が引かれているようになっていた。
しかし全力で走っていた白夜はその事に気が付きもせずにそのまま走り切った。
そして走り切った白夜はあらかじめアイテムボックスから短剣を二本出し腰に差して準備を整えて準備運動を始めた。
「よし‼それじゃぁ行くか‼」
白夜はそう言うと湖に飛び込んで行った。
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