第九十六話 特訓二日目 休憩 昼 (後編)
また更新しました。いつも読んでくれている人も、そうでない人も最後まで楽しんでくれたら嬉しいです。
そして戻った白夜は慌てて自分も風呂に入りに向かった。
それから四十分程して白夜達は風呂から出て、食堂で昼食をしていた。
白夜達は昼食中誰も喋る事は無かった。いや、正確に言えば白夜以外の全員がのんきに喋れるほど元気が残っていなかった。
白夜は疲れた様子で食事をしている夜空達やラファエル達を見て少しやりすぎたかなぁ?というように苦笑いを浮かべながら食事を続けた。
そして全員が食事を終えてその場で各々くつろぎだしたのを確認した白夜は、ゆっくりと話し出した。
「さて、それじゃぁ午後からの予定を話し合うぞ~」
白夜が少し気の抜けたようにそう言うと、それを聞いて夜空達やラファエル達は顔に少し疲労を見せながらも背筋を伸ばし、真剣な表情で白夜の方へと向いた。
それを確認した白夜は、一応確認のために全員の顔を見回してからゆっくりと話し出した。
「それじゃぁ午後の予定を発表する。前にお前ら午前中だけでどこまで探索できた?それによっては予定を変えなくちゃならないんだが?」
白夜が確認のためにそう聞くと、夜空達やラファエル達は特訓の時に組んでいた相手の元に集まりこそこそと話し合い始めた。
その様子を見て白夜は何で話し合っているのか分からないと言った感じで不思議そうに首をかしげていた。
そして白夜のそんな様子を気にした様子も無く夜空達やラファエル達は話し合いを続けていた。何故そこまでして夜空達が白夜を忘れたようにして自分達だけで話し合いを話し合いを始めたのか、それは白夜が先ほど言った「午前中の探索の結果で午後の予定を変えなくてはならない」と言う言葉により夜空達は白夜の基準で力が足りないと思われたら更に厳しくされるかもしれないし、逆にちゃんと白夜の期待に応える基準に届いてしまうと今度は別の理由で更に厳しくされるかもしれない。
そんな考えが頭に浮かんだ夜空達は白夜が近くにいるを忘れたように話し合っていたのだった。
そしてそんな理由で話し合いをされているとは全く思っていない白夜は、自分だけが何故かはぶられたような疎外感に少し落ち込んだようにうつむき、机を指でコツコツ突いていた。
しかし夜空達やラファエル達は自分の命にかかわることかもしれないので、その事に集中しすぎているため白夜のようすに気が付く事は無かった。
そして夜空達が白夜を無視して話し合いを始めてから十分程経った時、さすがに白夜も我慢の限界だったようでゆっくりと話し出した。
「なぁ?今は俺が質問してるんだけどさぁ?その質問した奴を無視して自分達だけで話し合いをするって言うのはどういう了見なのかなぁ?」
白夜が怒ったように威圧しながらそう言うと夜空達やラファエル達はっは!とした表情で白夜の方へと向いた。そしてその白夜の表情を見て夜空達は恐怖したように一歩後ろに下がった。
それを見て白夜は特に表情を動かすことなく真顔だった、その事が夜空達の恐怖心をさらに増長させた。
しかし怒っている白夜は恐怖で喋る事の出来ない夜空達を見てゆっくりと話し出した。
「どうかしたのか?俺は聞いてるんだぞ?質問した奴を無視して話し合いを始めていいのかなぁ?って、そのことに対して何か意見は無いのか?それとも自分達が悪いって事を認めたと思っていいのかなぁ?」
白夜が真顔で首をかしげながらゆっくりと近付きつつそう言うと、夜空達やラファエル達は更に後ろへと下がって行った。
しかしこのまま何もしゃべらないのもまずいと思ったようで、白夜の怒りにまだ耐性があった夜空達が怯えながらもゆっくりとも話し出した。
「兄さん、別に私達はそう思っているわけではない。ただ、兄さんにこれ以上特訓の内容を厳しくされたくないから、みんなで話し合っていただけ」
「そ、そうですよ先輩?別に先輩を無視してたわけじゃ無いんですよ?ただ、とっさの事で完全に先輩の事を忘れちゃっていただけで…」
「そうよ白夜?私達はただ話し合いに夢中になちゃっただけで、白夜の事を仲間外れにしてたわけじゃ無いのよ?確かに質問されたのに答えなかったのは悪かったと思うけど、ね?その…正直白夜の特訓の内容が更に凶悪に成らないか皆怖かったからついそれを回避する方に集中しすぎちゃっただけなのよ?だから、その~ね?少し落ち着いてくれないかしら?正直私達でもかなりきついから、ラファエルちゃん達はもう喋る事すらできないようになっちゃってるみたいだし…」
夜空達が怯えながらそう言うと、白夜はそれを聞いてようやく冷静になったようでゆっくりと周りを見回して怯えた様子のラファエル達を見て、気まずそうに頭を掻きながらゆっくりと話し出した。
「あぁ、確かに今のは悪かったな…うん、ちょっと感情的になりすぎたな。はぁ、とりあえず午後の予定だけ言って少し頭冷やしてくるわ」
白夜が少し恥ずかしそうにしながらそう言うと、夜空達やラファエル達は安心したように体の力を抜いたのだった。
その様子を見て白夜は苦笑いしながらゆっくりと話し出した。
「さて、それじゃぁ午後の予定だけど今日中に十五階層まで行けるようになってほしい、そうすれば明日からはほとんど自主練で良いから。それこそ今日と同じように何人かで組んでダンジョンに潜ってもらってもかまわないし、一人で挑戦していいし、他にも筋トレだけしてその日は休憩してもかまわない。ただし、今日中に十五階層に行けなかった奴らは明日から一週間の最後まで俺が考えた特別メニューをやってもらう。ここまでで何か質問あるか?」
白夜が淡々と一気にそう説明し、最後に確認のためにそう聞くと夜空達やラファエル達は少し考えていたが、ラファエル達は特に何も思い浮かばなかったようだったが夜空達は何か気になったようでゆっくりと話し出した。
「それじゃぁ兄さん質問なんだけど、どうやって十五層まで行ったか確認するの?」
夜空がそう質問すると、水姫や智理の二人も同じ事を聞こうとしていたようで隣で頷いていた。
それを聞いて白夜は特に気にした様子も無くすぐに話し出した。
「あぁ、それだったらこの場所も含めて俺の能力だからいつでも映像を見たりとかいろいろできるからその力の一つでお希らが十五層に着いたら記録するように設定しておいたからそれでわかる」
白夜がそう説明すると、夜空達はなるほど~っと感心したように頷いていたが、何かに気が付いたように白夜に話しかけた。
「なるほど、その事は分かったけど兄さん?さっき映像をいつでも見れるって言ってたけど…もしかしてお風呂も?」
夜空が首をかしげながらそう聞くと、それを聞いて水姫や智理さらにラファエル達女性陣が一気に白夜の方へと顔を向けた。
白夜は全員の顔を見回した後、疲れたように溜息をつきながらゆっくりと話し出した。
「はぁ~そんな事か、それはなできなくは無いけどさすがにしねぇ~よ、それにねんのために風呂の映像を見るためにはその風呂に入った人間全員の認証が無いと見れない設定にしたから見れないよ」
白夜が呆れたように説明すると、それを聞いてラファエル達は安心したように一息ついていたが、夜空達はまだ疑ったように少し睨んでいたが白夜はまったく気にした様子も無く話し始めた。
「さて、それじゃぁ話はこれで終りだ。今が二時くらいだから…八時までに十五階層に行けるように探索を始めてくれ、俺はさっきも言ったように少し一人で頭冷やしてくるから」
白夜はそう言うと足早にどこかへ行ってしまった。
それを見て夜空達やラファエル達は少しの間戸惑っていたが、すぐに正気に戻り白夜の言っていた事を理解すると慌てて午前中に組んでいた奴らと組み直し、急いでダンジョンに向かって行ったのだった。
そして夜空達やラファエル達より先に出た白夜は、頭を冷やすという名目で出た後、イタズラっぽい笑みを浮かべながら自分専用に創ったダンジョンへのゲートの前に居た。
「フフフ、さぁ~ってそれじゃぁあいつ等より先に俺は俺で楽しみますかねぇ~!」
白夜は一人で楽しそうにそう言うと、ゲートを通って行ったのだった。
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