第九十五話 特訓二日目 休憩 昼 (中編)
また更新しました。いつも読んでくれている人も、そうでない人も最後まで楽しんでくれたら嬉しいです。
そして白夜が嫌そうに振り返ると、そこには疲れた様子でその場に座り込んでいる夜空・ラファエル・アルテミスの三人だった。
夜空達は余程疲れているようで、目の前に白夜が居る事にも気が付く事無くその場で休憩し始めた。
それ見た白夜は夜空達のその様子を見てちょっとやりすぎたかなぁ?と言うように頭を掻きながら近寄り、話し出した。
「お~い?生きてるか~?それとも死んでる?」
白夜が少しふざけたようにそう言うと、夜空達は疲れ切って生気のない目で白夜を見返しながらゆっくりと話し出した。
「あぁ、兄さんですか。一応生きてますよ?正直最初はいろいろ文句言おうと思っていたんですけど、もういいです。そんな元気もうないです」
「そうですね、主様申し訳ありませんけど少し待ってください、今はとてもちゃんと話せそうにありませんので」
「すみません、私もまだそこまで話せそうにないので、少し待ってくださるとありがたいです」
夜空達三人が疲れ切った表情でそう言うと、白夜は何とも言えない表情で気まずそうに目を逸らしながら話し出した。
「あぁそうか、それじゃぁとりあえずここじゃぁちゃんと休めないだろから居住区にでも戻って休め、その間にこっちでダンジョンの映像とかでお前らの戦いとかは見て措くからこっちの事は気にせず休んで来い。正直ここに居られてもじゃまだし」
白夜が気を遣って言っているのか、単純に邪魔くさいと思っているのか分からない事を言うと夜空達は一瞬イラついたように顔をしかめたが、すぐに冷静になり少し考えてからゆっくりと話し出した。
「分かった、兄さんの言う通りにする」
「そうですね、ここで休むよりも中で休んだ方が効率的ですしね」
夜空とラファエルの二人が少し諦めたようにそう言うと、夜空達は手をつきながらゆっくりと立ち上がった。
その様子を見て白夜は少し安心したように一息つき話し出した。
「ふぅ~、それじゃぁとりあえず風呂でも入って来いよ。先に帰って来た水姫とかがもう先に入ってるから一緒に入って来いよ」
白夜がそう提案すると、夜空は少しむっとした表情をしたが疲れているためか特に文句も言うことなくただ無言で頷いて歩き出した。
ラファエルとアルテミスは少しだけ戸惑っていたがすぐに白夜に頭を下げて夜空の後を追って行ったのだった。
そして白夜は夜空達が歩いて行くのを確認すると、安心したように一息ついてから疲れたように話し出した。
「ふぅ~、ちょっとやりすぎたかなぁ今回のダンション、久々に本気出したからなぁ~でもあれくらいだった何とかなると思ったんだけどな。あいつらの事過大評価しすぎてたか?いや、そうでもないかまだこの世界に来て三日くらいだしな、スキルとか新しいからだとかにまだ慣れてないだけって事か…う~ん」
白夜は一人で反省を始めてのだった。その内容はだいぶ偉そうではあるが見事に的を射ていた。
何故なら先程白夜が言っていたように、本来ならば夜空達やラファエル達があの程度のダンジョンで先ほどのように疲弊しきるようなことが起きるはずが無いのである。
だが夜空達はこの世界に来たことにより体が根本からほとんど別物になってしまっていたため普段の調子が出せなかった。そしてラファエル達は生まれた時からその体で慣れてはいたが生まれたてと言ってもいいような状態だったため、まだ自分達の体を完全には扱いきれていなかったのだ。
そのような状態で白夜がステータスの数値やスキルだけを見てこれだったらギリギリ勝てるだろう、と思って創られたダンジョンに挑んだため白夜の想像以上に疲弊してしまったのだった。
ちなみに白夜も神になった事で体が見た目は変わらないが完全に別物になっている。しかし白夜は夜空達とは違い元々のセンスだけでその体を違和感なく完全に扱いこなしていた。
そのため夜空達やラファエル達とは違いなれない体による疲弊は無く、どんどん攻略できていたのだった。
そして白夜は一人でゆっくりと考え始めてから気が付いたのだ。その事に気が付いた白夜は落ち込んだようにうなだれながらブツブツと話し出した。
「はぁ~、これは完全に俺のミスだな。想像が足りなかった、もっと様子を良く観察しすればよかったか…はぁ何にしても今さら調整しても遅いしな、どうすっかなぁ~そうだな…今のとこは体力回復系のアイテムと装備品を用意して措くってところか、よし!それじゃぁ早速…」
白夜はそう言うと顔を上げてコンソールを操作し始めた。
そして白夜がそうさし始めてから少しすると、元々出して置いた食料などが置いてある場所が薄っすらと光り出し、光が止むとそこに先ほどまでは無かった指輪や瓶に入った薬などが増えていた。
白夜は新しく出てきたそれを確認するとすぐに近寄り、適当に一個を手に取り鑑定を使い確認し始めた。
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体力の指環
効果 装備者の体力を常時少し回復して行く。
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それを確認した白夜は満足そうに頷き、手に持っていたそれを元の位置に戻した。
その後も白夜は新しく出した薬や装備品を一種類一個ずつ手に取り鑑定して行き、全部の確認が終わった白夜は満足そうに頷き一息ついて話し出した。
「ふぅ~、よし!これで今日は体力面は大丈夫だろう、ただ明日は体力強化に回した方が良いか、そうするとどんな方法にするかが問題だなぁ~」
白夜が一人で考えながら真上を見たその時、白夜の後ろでまた転移してくる時の光が出て来た。
それを確認して白夜は少し疲れたよにうなだれながら振り返り近寄って行った。
そして白夜が着くのと同時に光が止み、その場にはまだ帰ってきていなかった智理・ティターニア・玉藻の三人が特に疲れた様子も無く普通に立っていた。
それを確認して白夜は首をかしげた。何故なら先に帰って来た夜空達と同様に、智理達も疲弊していると思っていたからだ。
しかし智理達は疲弊するどころか汗一つ掻いていなかったのだ。そのため白夜は先ほどまで考えていた予想が違ったのかと思って話しかけるのを忘れて考え込んでしまったのだった。
そして智理達は転移すると同時にちゃんと帰れたのか確認するために周りを見回した。
その途中で何故かその場だ止まって考え込んでいる白夜を見つけると少し速足で近寄り話しかけた。
「白夜~?生きてる?帰って来た私達に何か無いの~?」
智理が白夜の顔を覗き込みながらそう言うと、白夜は智理が近づいて来たことに気が付かなかったようで驚いたように目を見開いていた。
しかしすぐに落ち着いて冷静になりゆっくりと話し出した。
「あぁ一応生きてるよ、それより何でサトねぇ達はそんなに元気なんだ?先に帰ってきた奴らは皆疲れ切っていたのに」
白夜が真面目な表情でそう言うと、智理は少しにやけながら話し出した。
「うん?それはねぇ~戦闘を最初の一回以外ほとんどしないで探索してたからじゃないかしら?」
智理が少し首をかしげながらそう言うと、白夜は少し驚いたように目を見開いていたがすぐに納得したように頷きながら話し出した。
「なるほど…そう言う事か、うん?と言う事はあいつらまさか出会う敵全部と戦ってたのか!バカなんじゃないか?まぁいいかそれは後で映像見れば分かるしな。それじゃぁサトねぇ達が疲れてない理由は分かった、それじゃぁ今は特に話す事は無いから先行ってくれ。俺はもう少し確認する事してから行くから」
白夜がそう言うと智理達は少しそっけない白夜の反応に少し戸惑っていた。しかし白夜の表情を見てそっけないのではなくて何か別の事を考えている事を察した。
そして今の白夜に何を話しかけても話が成立しない事を知っていた智理は苦笑いを浮かべながら、諦めたようにしながらティターニアと玉藻の二人の元に行き、白夜の邪魔をしないように小声でその事を説明して、二人を先導するようにして居住区へと向かって行った。
ティターニアと玉藻は白夜の事を少し気にしていたようだったが、先ほどの智理の説明を思い出したようでまだ少し気にしたようにチラチラと振り返ったりしていたが、駆け足で智理を追いかけて行ったのだった。
そして白夜は一人で考え込んでいたため智理達が居なくなったことに気が付く事は無かった。
白夜が智理達が居なくなったことに気が付いたのは十分程経った時の事だった。
「……うん、今考えなくてもいいかめんどくさいし、ってあれ?サトねぇ達が居ない?もしかしてもう行っちゃた?ヤバ!それじゃぁ俺一番最後じゃん⁉早く戻らないと‼」
白夜はそう言うと慌てたように居住区へと走って向かうのだった。
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