第九十話 特訓二日目 ダンジョン特訓 (6)
また更新しました。いつも読んでくれている人も、そうでない人も最後まで楽しんでくれたら嬉しいです。
水姫・マモン・ヴラドside
そして水姫・マモン・ヴラドの三人がゲートを通って行くと、そこは雲を突き抜けるほど高い山脈のふもとだった。
それを見て水姫達はある程度は予想していたようだったが、さすがにここまでの光景は予想していなかったようでただただ呆然と眺めていたのだった。
それから少しして水姫達は正気に戻り、少し慌てて警戒したように周りを見回した。そしてとりあえずの安全を確認した水姫達は警戒しながら話し出した。
「え~っと、とりあえずここがダンジョン?と言う事で良いのでしょうか」
水姫が首をかしげながらそう言うと、マモンとヴラドは少し考えながら話し出した。
「そ、それで間違いないと、お、思います…」
「そうですわね、私達はちゃんとゲートを通って来た訳ですし、ここがダンジョンで間違いないと思いますけど…」
マモンとヴラドが少し自信無さげにそう言うと、水姫は少し疲れたように話し出した。
「まぁ先輩のやることですからねぇ~少しでもまともな物を期待していた私が間違いでしたね、はぁ~さて先輩の事だから入り口の付近に何かがあると思うんだけど…」
水姫は諦めたように一息つくと、そう言いながら周りを見回しだした。
マモンとヴラドの二人は、その水姫の行動を見て同じように周りに何かないか探し出そうとした時、急に地面が少し揺れ出した。
それを確認すると水姫達は警戒し、すぐさま背中合わせになり周りを見回した。ちょうどそのタイミングで水姫達の目の前の地面から何かが飛び出してきた。
そして水姫達は飛び出してきた何かの方へと振り向いたが、その飛び出してきた何処から見てテレビの画面にしか見えないそれを見た瞬間、水姫達は思わずと言う感じで呆然としていた。
しかし機械の画面が水姫達の様子を気にしてくれるわけも無く、動画を再生し始めた。
『あ、あ~聞こえてますか~?生きてますか?死んでますか?というかまだそこにいますかぁ~?』
そして画面に映ったのは白夜であった。その映像の白夜は何故かニヤニヤとにやけながら少しバカにしたようにそう言った。
呆然としていた水姫達だったがその映像を見て正気に戻ったように真剣な表情で画面を見ていた。
しかし水姫だけは白夜の態度にムカついたようで顔を引きつらせ、ながら文句を言おうとしたタイミングで、映像の白夜は更に話し出した。
『あ!そうだこれ、録画だからね?だからそっちから何か言っても俺には聞こえないからねぇ~?フフフ』
映像の白夜がまるで水姫達の方の様子が見えているかのようにニヤニヤしながらそう言うと、水姫は更に顔を引きつらせていたが深呼吸をして落ち着くと真剣な表情で映像に集中しだした。
そしてまるで水姫が落ち着くのを待っていたかのように、映像の白夜は話し出した。
『さて、無駄話はこのくらいにして本題の話を始めようか。まずはこのダンジョンについての説明だが、正直お前らのダンジョンが一番作りにくかったんだよねぇ~、何せバランス重視で選んだせいで他の奴らと比べて弱点って言えるだけの弱点がねぇし、と言う事でお前らのダンジョンは少し俺の趣味が多分に入ってるけど頑張ってね?さてそれでダンジョンの内容だけど、まぁ見ての通りの無駄にでかい山あるだろ?そのダンジョンの特徴は、とにかく生物にとって生きにくい環境!って言うコンセプトで作ったから普通の人間だったらきついだろうけど、まぁお前ら人間じゃないし大丈夫だよなたぶん。っとまぁこんな話は終わりにして、後何を説明しなきゃいけないんだったけ?え~っと……』
映像の白夜がそう一気に説明をすると、それを聞いていた水姫・マモン・ヴラドの三人は真剣な表情で聞いていたのだが、途中から白夜の少し適当な物言いに気の抜けたような表情になっていた。
そして映像の白夜は自分の服のポケットから何か紙を取り出し、それを見ながら話し出した。
『え~っと何処だっけな……あった!えっと、そのダンジョンに出る魔物は空を飛ぶワイバーンとか鷲みたいな鳥系の魔物を、地上の魔物はシカとかの獣系の魔物を設置してあるこれ以上の情報はあげないよ?それじゃぁ戦闘訓練にならないしな、さてこれで説明は終わりだ。それじゃぁ頑張って全階層を攻略できることを祈っている!…まぁ無理だと思うけど…さてそれじゃぁ健闘を祈っている‼』
白夜がそう言うと映像は消えた。そして映像が消えると、テレビの画面は現れた時とは逆に地中へと潜って行ったのだった。
水姫達三人はそれを確認すると、真剣だった表情を崩して安心したように一息ついてから話し出した。
「ふぅ~さて、先輩からの説明も終わった事ですし…そうですね、とりあえずさっき話し合っていた隊列を組んで進んでみますか?」
水姫がそう提案すると、マモンとヴラドは少し考えてから答えた。
「そ、そうですね、わた、私も、そうした方が、いいと…思います…」
「そうですわね、私もそれで問題ないと思いますわ。ただ、さっき主様が言っていた魔物が出て来た場合の対抗策は考えてから行った方が良いかとも思いますわ、特に空を飛ぶ魔物の対策に関しては重点的に」
ヴラドが真剣な表情でそう提案すると、水姫とマモンはの二人はヴラドが提案してきたことに少し驚いていたが、すぐに切り替えて考えながら話し始めた。
「う~ん、私もその意見には賛成なんですが、そうですね~一応何故そう思ったのか聞いてもいいですか?」
水姫が少し首をかしげながらそう言うと、ヴラドは真剣な表情ですぐに答えた。
「そうですわね…、まず私達は山岳などの斜面での戦いが初めてですので、そういう場所で動く事が得意なシカなどの獣系の魔物を相手取る場合の最低限の動きを考えてから行かないと、私達は斜面を転がり落ちることになると思ったからですわ。そして私達には飛ぶ敵に対する攻撃手段が無いので、それをどうするかを考えなければ私達がほとんど一方的に攻撃されて終わりかねないと思ったからですわ」
ヴラドが真剣な表情でそう説明すると、それを聞いて水姫とマモンは少し考え始めた。
そして水姫は考え始めてから少し経つと納得したように頷きながら話し出した。
「…そうですね、確かに私達にとっては不利な場所ですし。それに敵も特に空に関しては、魔法の使えない今の私達ではろくな攻撃手段が無いですからねぇ~、でも話し合ったところでどうにかなる問題でもない気がするのですが…どうにかなるんですか?」
水姫は少し悩んでいるように顎に手を当てながらそう質問した。
質問されたヴラドは真剣な表情で考え込んでいたが、すぐに何か思いついたのか楽しそうな笑みを浮かべながら話し出した。
「そうですわね、確かに魔法は禁止されていますわね。でも、スキルの使用は禁止されてませんからそれをうまく使えば行けるのではないかと思いますわ」
ヴラドはいたずらを思い浮かんだ子供のような笑みを浮かべながらそう言った。
それを聞いた水姫は、少し考えていたがすぐに何を言っているのかを理解すると、ヴラドと同様にいたずらを思い浮かんだ子供のような笑みを浮かべながら話し出した。
「フフフ、なるほどそう言う事ですか!確かにそれだったら先輩でも文句は言えないでしょうねぇ~……いや、違いますね。先輩がこの程度の事に気が付かない方がおかしい、なるほど先輩の今回の目的はスキルの使い方を覚えさせる事、と思った方が良さそうですね」
水姫が途中から何か考え込んでしまっていたが、それを見てマモンが少し遠慮気味に手を挙げながら話し出した。
「あ、あの~、さ、さっきからお二人とも、何を、は、話してるのか、よく分からないんですが…」
マモンが盾に隠れながら恥ずかしそうにそう言うと、水姫とヴラドは二人で話を進めすぎていた事に気が付き、少し申し訳なさそうに話し出した。
「あぁ、そのごめんなさいね?マモンちゃんの事考えないで話しちゃって、ちゃんと説明するから安心して?」
水姫はしゃがみながらそう言うと、その後ろでヴラドも優し気な笑みを浮かべていた。
それを見てマモンは少しビクビクしながら盾から覗いていた。
それを確認した水姫はマモンの耳元に近寄り、さっきの話を分かりやすく話した。
それを聞いたマモンは水姫とヴラドの方へと振り向き驚いたように目を見開いていた。
水姫とヴラドはその顔を見て楽しそうに笑いながら話し出した。
「さて、それじゃぁさっきの事も踏まえてこれからの事を話し合いますか‼」
「は、はい!」
「そうですわね」
そう言うと水姫達三人はその場で話し合いを始めたのだった。
そして水姫達が出発したのは、話し合いを始めてから三十分後の事だった。
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