第七十七話 特訓開始!一日目 後 (11)
また更新しました。いつも読んでくれている人も、そうでない人も最後まで楽しんでくれたら嬉しいです。
「それじゃぁ……始めるか‼」
白夜が楽しそうにそう言うと、マモンは何故か少しの間アタフタしていたがすぐに構えをとり白夜の方へと向かって行った。
白夜はマモンがようやく構えたのを見て、何故か安心したように胸を撫でおろしていた。しかしすぐに白夜は、自分が何故安心したのか疑問に思ったようでしきりに頭を傾けていた。
その様子を見てマモンは白夜が何をしているのか不思議そうに眺めていたが、すぐに今が攻めるチャンスだと思い浮かんだようで少し慌てながら白夜めがけて走り出した。
そして白夜が考え事に夢中になっている間に、マモンは一気に近づいて行った。しかしマモンが白夜まで数歩の所まで近づいた時、さすがに白夜もそこまで近づかれれば気付いたようで少し驚いたように目を見開いていたが、すぐに頭を切り替えてマモンの方へと視線を向けた。
マモンは白夜が考え事を止めて自分へと視線を向けたのに気が付き、それと同時にその場で急ブレーキを掛け、完全に止まる前に姿勢を顔が地面に当たるギリギリまで下げて、再び白夜の方へと飛び出した。
白夜はその様子を見て少し楽しそうに笑みを浮かべていた。
そしてマモンは白夜との距離がもう目の前まで来た時、攻撃に移った。
マモンは白夜の足元に着くと一気に飛び上がっり、その際に白夜の顎めがけて膝蹴りを放った。
しかし白夜は少し後ろにのけ反る事で躱したのだった。
そのためマモンは空中に投げ出されるように飛び上がってしまった。しかしマモンは、何を考えたのか空中で高速回転し、その勢いのまま白夜めがけて踵落としをした。
白夜はその勢いを確認して、ギリギリまで引き付けてから横へ躱した。
そのためマモンの蹴りは白夜に当たらず床に打ち付けられてた。しかしマモンは躱される事を最初から予想していたようで、白夜が横に避けたのを確認すると、着地したと同時に背中の羽を広げるようにして白夜めがけて打ち付けるように放った。
白夜は玉藻やラファエルとの組手で、尻尾や羽による攻撃をある程度予想できるようになっていた。そのため白夜はマモンが跳ねで攻撃してきたのを確認するとすぐに後ろへ飛び退いて躱した。
しかし、マモンが羽を全力で振ったため強風が起きていた。その強風を近距離で受けた白夜は、その風の強さに一瞬だけ目を閉じてしまった。
そしてマモンにとってもこうなる事は予想外だったが、その隙を見逃すことなくすぐに頭を切り替え攻撃に移った。
白夜は自分が今隙だらけなのを理解していたが、風を受けた時に目にゴミが入ったようで目が開けられなくなっていた。そのため白夜は音や気配でマモンの動きを探るしかなくなっていた。
マモンはその隙に白夜の目の前まで一気に移動した。そして白夜の目の前に着くと、白夜の左右から挟み込むように羽を振った。
白夜は自分の左右から何かが迫ってくるのを、音と肌で感じとるとすぐに後ろへ倒れるようにして躱した。しかしこのままだとさらに攻撃されると思った白夜は、すぐにすぐ受け身を取り後ろへと転がるようにして距離を取った。
そしてマモンは絶好のチャンスを逃してしまったので、仕方なさげに後ろへと下がって行った。
その間に白夜は起き上がるとようやく目が開くようになったようで、少し目をこすりながらマモンの方へと向きながら話し出した。
「ふぅ~、ようやく見えるようになってきた。いや~、今のはちょっと危なかったわ!ハハハ‼それであれって狙ってやったのか?」
白夜が笑いながらそう聞くと、マモンは構えたままゆっくりと答えた。
「ふぇ?あ、えっと、狙ったわけではないです」
マモンが緊張しながらそう言うと、白夜は楽しそうに笑いながら話し出した。
「ハハハ‼そうなの?マジで狙ったわけじゃなかったのかよ!ハハハ‼あぁ~おもしろ、さてそれじゃぁそろそろ再開するか?」
白夜が何事も無かったようにそう聞くと、マモンは少しの間キョトンとしていたがすぐに慌てた様子で話し出した。
「え?あ、はい!再開しましょう!」
マモンはそう言うと構え直して白夜の方へと走り出した。
その様子を見て白夜は楽しそうな笑みを浮かべて眺めていた。
そしてマモンは白夜の目の前まで行くと、その勢いのまま体を回転させて腹めがけて蹴りを放った。
しかし白夜はそれを最低限の動きだけで、反対側へ軽く投げるように受け流した。
マモンは白夜に防がれるのは予測していたが、まさか投げられるとは思ってもいなかったようで少しの間驚いたように固まっていたが、すぐに正気に戻ったようだったがすぐそこまで床が近づいて来ているのを確認すると慌てながら急いで受け身を取り、何とか着地した。
そしてマモンはすぐに立ち上がり白夜の方へと構え直した。
その様子を見て白夜は楽しそうに笑みを浮かべながら話し出した。
「おぉ~‼今の着地良く間に合ったな~、まぁそれは措いといてはぁ~これもうほんとに飽きた、と言う事で聞きたい事もう分かってるよな?なら返事くれ」
白夜がやる気なさげにそう言うと、マモンはゆっくりと話し出した。
「は、はい!えっと、一応このままつ、続けてみたいです…」
マモンは何故か自身を失くしてしまったようだった。
白夜はそれに対して少し苦笑いしながら話し出した。
「ハハハ、まぁとりあえずこのまま続けるって事で良いんだな?それなら再開しようか」
白夜はそう言うと半身になって構えた。
それを見てマモンは少し遅れて慌てたように構え直した。
そして二人は少しの間お互いに様子を観察していたが、このまま観察していて仕方ないと思ったのか先に動いたのは白夜だった。
白夜は誰にも見れない程のスピードで一気に加速しマモンの近くへと移動した。
マモンは何の前兆も無く白夜が消え、目の前に現れた事に驚いていた。しかしそれどころではないと思ったようで、マモンは白夜に攻撃される前に攻撃に出た。
最初にマモンは目の前の白夜から距離をとるために、白夜の顔めがけて殴りかかった。
白夜はそれを何でもない事のように手を軽く当てて逸らした。
しかしマモンは逸らされたことを特に気にした様子も無く、すぐに子次の攻撃に移った。白夜が防いだ事で、できた死角から羽を全力で振るった。
白夜はそれを確認すると少し楽しそうに笑みを浮かべていたが、すぐに切り替えて一気に加速し後ろに飛び退いた。
そのためマモンの攻撃は完全に躱されてしまい、その反動で体が振られてしまいバランスを崩してしまった。
そして白夜はその隙を見逃す事無く一気に攻撃に出た。
まず最初に白夜はマモンとの距離を一気に詰めて行った。そしてマモンの目の前まで再び来ると、今度は止まらずにそのままの勢いで蹴りを放った。
しかしマモンは、白夜が目の前まで近づいて来ているのに気が付くと同時に、無理やり体勢を立て直すと腕をクロスして防御態勢を取った。さらにそれだけではなく自分を羽で包み完全防御態勢を取った。
そして白夜の蹴りがマモンに当たると、ドゴン‼ と人間の蹴りでは成るはずのない音が鳴った。
しかし音の印象とは違いマモンはその場から少し後ろに下がっただけで何とか耐えきっていた。
その様子を見て白夜は思わずポカーンと、言った感じで呆然としてしまっていたが、すぐに楽しそうに笑い出した。
「ク、ック、クハハハ‼ゲッホ‼ゲッホ‼ウェ!あぁ~、笑った!笑った!いや~お前凄いな!確かにステータスは防御力特化にしていたし、一応こっちも手加減していたとは言えよく耐えられたなぁ、正直ビックリだ!」
白夜が楽しそうにそう言い切ると、マモンはゆっくりと自分を包んでいた羽を解き出て来た。
しかし出て来たマモンはもはや戦える様子ではなかった。外傷は無かったが、白夜の攻撃を防ぐのに全力を注いだためかもはや立っているのもやっと、と言ったレベルで体力を消費していた。
その様子を見た白夜は少し残念そうにしながら話し出した。
「う~ん、今日はここまでだな、また機会があったらやろうぜ!と言う事で今日の特訓はここまでだ!全員居住スペースに移動!後俺はこいつ連れてくからお前ら先に行っといてくれ!以上‼」
白夜が全員に聞こえるようにそう言うと、見学していた夜空達とラファエル達はゆっくりと立ち上がり白夜の言う通り先に居住スペースに向かって行った。
それを見届けてから白夜はマモンに近づきゆっくりと話しかけた。
「おい、大丈夫か?生きてるか?とりあえず歩けなさそうなのは分かるから俺が運んでやるから休んどけ」
白夜はそう言うとマモンの返事も待たずに肩に背負って夜空達の後を追って居住スペースに向かって行ったのだった。
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