第七十四話 特訓開始!一日目 後 (8)
また更新しました。いつも読んでくれている人も、そうでない人も最後まで楽しんでくれたら嬉しいです。
「それじゃぁ……始めるか‼」
白夜はそう言うと、どこからでもどうぞ?と言うように、両腕を広げ、笑顔で待ち構えていた。
その白夜のようすを見て玉藻は、もの凄くイラついたように顔を歪めていた。
しかし玉藻は、深呼吸をして気持ちを落ち着かせると、構えをとり白夜の方へとゆっくりと歩き出した。
そして、白夜と玉藻の距離が後数歩になった時、玉藻は動き出した。
玉藻はまず最初に、今までの夜空達と同じように一気に白夜との距離を詰めた。そして白夜の目の前で、勢いそのままに後ろへと振り返った。
しかしそれだけではなく、玉藻は尻尾で白夜の顔に当たるギリギリの所をかすめるように振りぬいた。そのせいで白夜は少しの間、玉藻から目を逸らしてしまった。
玉藻はその隙を見逃すことなく攻撃に移った。白夜の視線が外れた瞬間に両手を床に着き、手だけで体を支え、両足をそろえて白夜の腹めがけて蹴った。
白夜は一瞬目を離していたが、すぐに視線を戻すと玉藻が蹴りを放つタイミングだった。そして白夜は、玉藻の蹴りが放たれる瞬間、威力を殺すために全力で後ろへ飛んだ。
しかし、気付くのが遅かったようで、完全に勢いを殺しきる事が出来ず、少しだけくらってしまったのだった。
そして玉藻は蹴った時の感触に違和感を感じたようで、すぐに立ち上がり白夜が飛んで行った方を見た。
白夜は少しだけ当たってしまった脇腹を、痣が無いか服をめくって確認していた。そして、痣が無いのを確認すると、すぐに服を戻して楽しそうに笑いながら話し出した。
「いや~今のは少し危なかったわ!、そうだよなぁお前、尻尾あるんだもんなぁ、すっかり忘れてたよ!ハハハ!」
白夜がそう少しのんきに言うと、玉藻は少し気が抜けたように一息ついてから話し出した。
「ふぅ~、そうですよ私にはこのしっぽがあるんですよ?反則ではないですよね?これも私の体の一部ですし?」
玉藻が少しいたずらっぽく笑いながらそう言うと、白夜は意外そうに目を見開いて玉藻を見た後、もの凄く楽しそうに笑いながら話し出した。
「アハハハ‼あぁ!そうだな!体の一部だからな!問題ないぞ!いやぁ~にしても、お前もそう言う顔できるんだな!」
白夜が子供のように笑いながらそう言うと、玉藻はいきなり笑い出した事に少し呆気に取られていたが、すぐに正気に戻りゆっくりと話し出した。
「え~っと、そう言う顔ってどういう顔なのかよく分からないですけど、とりあえず反則ではないって事で良いんですよね?」
玉藻が何故か少し遠慮気味にそう言うと、白夜は少し首をかしげながら話し出した。
「うん?あぁ反則じゃないから別に安心して使っていいぞ?さて、話はここら辺までにして再開しようか」
白夜がそう言うと、玉藻は構え直しながら話し出した。
「えぇ、そうですね、再開しましょう」
玉藻はそう言うと、一気に白夜の方へと走り出した。そして白夜まで後少しまで近づいた時、玉藻は全力で飛び上がった。
そして玉藻は、空中で逆さまになるように体を回転させ、天井を足場にして白夜の方へと更に飛んだ。
白夜はその様子を見て驚いたように目を見開いていたが、すぐに顔を楽しくてたまらない、と言うように笑顔になって待ち構えていた。
玉藻はその表情を見て少し嫌な予感がしたが、それでももう飛んでしまった以上、止まれない。だから玉藻は、その予感を無視して攻撃を仕掛けて行った。
玉藻は右足を上に挙げ、全力で振り下ろした。普通にやっても人の骨を粉々にできるだけの威力を持つ玉藻の蹴りが、重力と玉藻のジャンプ力が合わさり、威力がさらに上がっていた。
それを見て白夜はさすがにこれを無防備に受ける訳にはいかない、と思ったようで全力で横へ飛んだ。
玉藻はそれを見て蹴りを途中で止めて、何とか着地し、すぐに体勢を立て直して白夜の方へと一気に近づいて行った。
白夜はその様子を見て、切り替えの早さに少し感心しつつ、対応するため半身になって待ち構えた。
玉藻は白夜が待ち構えてるのを確認していたが、止まる事無く正面から突っ込んで行った。
そして白夜と玉藻の距離が後数歩まで近づいた時、玉藻が動き出した。
玉藻はまず最初に、残りの距離を一気に詰め。そしてその勢いを利用して、白夜の顔めがけて膝蹴りを放った。
白夜はそれを確認するとすぐに頭を後ろに倒し、ギリギリで躱した。
そして玉藻は、白夜が躱そうとしているのを確認すると、すぐに膝蹴りから普通の蹴りへと変え、白夜の顔へと蹴りを放った
白夜はまさか真上で変えて来るとは思っていなかったようで、驚いたように目を見開いていた。しかし、そんな暇は無いと思ったようで、すぐに頭だけを倒していたのを、体全体へと変えて後ろへと倒れて行った。
白夜がそうしたことにより、今度こそ玉藻は完全に躱されてしまい、そのまま白夜の後ろへ通り抜けて行った。
そして玉藻は、完全に躱されてしまった事に少しショックを受けていたようだが、すぐに着地し、体勢を立て直すと白夜の方へと振り返りながら構え直した。
白夜は体全体で後ろへと倒れてしまったため、このままだと床に寝転がる事になる。しかし白夜は、そんなどうぞ攻撃してください、と言うような事をしたくなかったようでバク転するようにして一回転し、立ち上がったのだった。
そして白夜は立ち上がると、すぐに玉藻の方へと振り返った。
玉藻は白夜が振り返ると、すぐに白夜の方へと向かおうとした。
しかし、その前に白夜がゆっくりと話し出した。
「あぁ~、仕掛けてこようとしてるところ申し訳ないんだけど、そろそろ俺からも攻撃できるようになるけど、どうする?続ける?降参する?」
白夜が一応確認のためにそう聞くと、玉藻は少し考えてから答えた。
「…そうですね、今回はもう少し続けさせてもらいます、まだ尻尾を使った戦い方が試せていませんし」
玉藻がやる気に満ちた顔でそう言うと、白夜は少し苦笑いしながら話し出した。
「分かった、それじゃぁこのまま続けるぞ」
白夜はそう言うと半身になって構えた。
玉藻もそれを見て、すぐに構え直しながら答えた。
「はい、よろしくお願いします」
玉藻はそう言うと、白夜と玉藻の二人はゆっくりと近寄り出した。
そして、二人の距離が後数歩まで近づいた時、玉藻が動き出した。
玉藻は体勢を低くして、白夜へと一気に近寄って行った。その体制のまま白夜の近くへと着くと玉藻は、白夜の足首へと滑り込むように蹴りを放った。
白夜はそれを確認すると、特に慌てる事無く蹴られそうになった方の足だけを上げ躱した。
しかし玉藻は、それを狙っていたようで、躱されたと同時に尻尾を白夜の浮かべなかった方の足へと巻き付けた。
そして玉藻は、白夜の足に尻尾を巻き付けたまま通り過ぎ、引っ張り倒そうとした。
しかし、白夜の足は玉藻がいくら引っ張ってもびくともしなかった。その事に玉藻は驚き、一瞬だが止まってしまった。
白夜はその一瞬の隙を逃すことなく、一気に攻めて行った。
まず最初に白夜は、足に巻き付いたままの尻尾を掴み、引き剥がした。引き剥がした時掴んだ尻尾をそのまま引っ張り、思いっきり投げ飛ばした。
玉藻は尻尾を引っ張られ、その痛みで意識がそれてしまいうまく受け身が取れないまま床へと叩きつけられた。そのせいで少しの間、呼吸がうまくできなくなってしまったのだった。
しかし玉藻も、普通の人間ではないためかすぐに立ち上がり、構え直し白夜の方へと向いた。
そして白夜は、わざわざ相手が回復するまでの間待っているほど、御人好しではなかった。
玉藻が呼吸困難になっている間に、気付かれないように音を消し、後ろへと回り込んで行く。
白夜が玉藻の後ろに着いた時、玉藻はようやく立直ったようでいきなり立ち上がり、白夜が先ほどまでいた所へと警戒するように構えながら向いた。
それを確認すると白夜は更に近寄り、玉藻の背中を押し倒して足や腕、それに尻尾を動けないように足で抑え込んでから白夜はゆっくりと話し出した。
「さて、降参してくれるよな?」
白夜が少し威圧しながらそう言うと、玉藻は最初は動けないか試していたがすぐに諦めて話し出した。
「はい、降参します」
玉藻が落ち込んだようにそう言うと、白夜は満足そうに頷いてから話し出した。
「うんうん!それでいい、さて今退くからちょっと待ってくれ」
白夜はそう言うと玉藻の上から降りた。
そして玉藻は、白夜が降りた事で動けるようになりゆっくりと立ち上がった。
それを確認して白夜はゆっくりと話し出した。
「お疲れ様、今は反省は後にして向こうで休んで来い」
白夜はまだ落ち込んだ様子の玉藻を見て、そう言った。
玉藻は白夜にそう言われ、まだ落ち込んではいるようだがとりあえず、白夜に言われた通り休むために見学組の方へと向かって行った。
それを確認した白夜は、見学組の方へと大声で話し出した。
「さてっと、次の相手!早く出てきてくれ!」
白夜が短くそう言うと、見学組の中からラファエルが緊張したようすでゆっくりと、白夜の方へ向かってきた。
それを確認した白夜は、先に白線へと並んだ。
そして白夜が並んでから少しして、ラファエルが白夜の向かい側の白線に並んだ。
それを確認した白夜はゆっくりと話し出した。
「来たな。それじゃ準備はいいか?」
白夜が一応確認のためにそう聞くと、ラファエルはゆっくりと話し出した。
「はい、何時でも、始めていただいて構いません」
ラファエルが少し緊張したようにそう言うと、白夜は少し苦笑いしながら話し出した。
「そうか、それじゃぁ…始め‼」
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