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第七十話 特訓開始!一日目 後 (4)

また更新しました。いつも読んでくれている人も、そうでない人も最後まで楽しんでくれたら嬉しいです。


「それじゃぁ……始め‼」


 白夜がそう言うと、すぐにヘパイストスは構えをとった。

 そして白夜はやはり特に構えをとる事なくただ立っていた。

 ヘパイストスはそれを見て露骨に手加減されているように思ったのか一気に仕掛けた。


 ドゴ‼そんな音と共にヘパイストスは立っていたところの床をぶち抜き白夜の方にめがけて飛んだ。

 その様子を見て白夜はヘパイストスの見た目と反する床を破壊するだけの脚力に少しビックリして目を見開いていた。しかしすぐに白夜は楽しそうに口元に笑みを浮かべ、自分へともの凄いスピードで向かって来るヘパイストスの方へと向き直したのだった。


 そしてヘパイストスは最初はもの凄い勢いだったが走るのではなく飛んだだけだったために徐々に勢いが落ちてきてしまっていた。

 それを確認したヘパイストスは一瞬だけまた床へと足を着けてもう一度飛んだ。その事でヘパイストスの勢いは先ほどまでと同じほどの勢いで白夜へと向かって行った。

 それを確認した白夜は更に楽しそうに笑みを浮かべていた。


 そしてヘパイストスと白夜の距離が後数歩まで近づいた時、ヘパイストスは動き出した。

 まず最初にヘパイストスは白夜の少し前で急停止し、そしてすぐにもう一度全力で飛んだ。しかし今度は先ほどとは違い距離を縮めるための物ではなく少し斜め上、白夜の顔めがけて飛んだのだった。

 そしてヘパイストスはちょうど白夜の顔が目の前まで来た時、自分の足をしたから打ち上げるように振り上げた。

 そして白夜はヘパイストスが自分の顔めがけて蹴りを放ったのを確認して、少しゆっくりとではあったが後ろへのけ反るようにして、わざとギリギリで躱したのだった。

 ヘパイストスは躱されたのを確認してすぐに次の行動に移った。ヘパイストスは躱された事で空中に投げ出されそうになったが、ちょうど白夜の上に来た瞬間にヘパイストスは振り上げた足をそのまま白夜の頭めがけて振り下ろした。


 しかし白夜はそれを読んでいたのかヘパイストスの足が振り下ろされる場所からちょうどギリギリ外れる場所へとゆっくりと移動していた。

 そしてヘパイストスは振り下ろしを避けられた事により、そのまま真下へと落下してしまった。

 何とか着地したヘパイストスは、すぐ後ろへと飛び退いた。

 その様子をただ見ていた白夜は最初は楽しそうに笑っていたが今はただただ無表情にヘパイストスを見ていた。

 ヘパイストスはその視線に寒気を感じたのか少し後ろに一歩引いてしまった。しかしすぐに頭を切り替え構え直して動き出した。


 それを見て白夜は満足そうに頷いていた。その様子を見てヘパイストスは少し安心したように体の力を少し抜いた。

 そしてすぐにヘパイストスは動き出した。先程と同じようにヘパイストスは白夜へと全力で飛んだ。

 白夜は先ほどと変わらない行動に少しつまらなそうな顔をしていた。

 そしてヘパイストスはその白夜の顔を確認して、白夜が油断していると思ったようでさらに床を蹴りスピードを上げ一気に白夜の近くへと行った。

 その事に白夜は少し驚いたように目を見開いていた。しかしすぐに楽しそうに笑みを浮かべていた。

 それを見てヘパイストスは少し恐怖したように冷や汗を掻いていたが、すぐに頭を切り替えて行動を続けた。


 そしてヘパイストスは白夜の数歩前まで来た時に、その場で急に止まり全力で振りかぶり床をぶん殴った。その事により白夜とヘパイストスの居る床を中心として半径三メートルの床が砕け小さなクレーターのようになっていた。そしてそれだけではなく道場全体が地震かと思うほどの揺れに襲われていた。

 そしてクレーターの中心でヘパイストスは次の行動へと移ろうとしていた。

 ヘパイストスは揺れが少し収まりだしたのを確認してから揺れといきなりできたクレーターで少しだけ動きが乱れていた白夜へと一気に仕掛けて行った。


 そして白夜はヘパイストスの行動をある程度予測していたためそこまで動揺はしていなかったが、それでもいきなり足場が崩れた事や、常人だったら立っていられない程の揺れにさすがの白夜も少しの間体のバランスを崩してしまっていた。

 そしてヘパイストスはその一瞬の隙を逃さないために一気に白夜へと仕掛けて行った。

 まず最初にヘパイストスは白夜のバランスをさらに崩すために足元へと踵落としをし更に足場を崩して、そしてそのまま上へと延びるように飛び白夜の顎へ膝蹴りを入れようとした。


 しかし白夜もただやられているばかりではない、バランスを少し崩しながら後ろへ倒れるようにしてヘパイストスの膝蹴りを躱した。そして白夜は何とかヘパイストスの攻撃を躱した後、そのまま後ろに倒れていきバク転してヘパイストスから距離をとった。


 そしてヘパイストスは飛び膝蹴りを躱された事によりそのまま空中の放り出されていたが、何とか着地をして白夜の方へと構え直していた。

 それを確認して白夜は本当に楽しそうに笑みを浮かべながら話し出した。


「ハハハハハ‼いいな‼お前‼うん!今まで相手にしてきた奴らの中で一番楽しいぞ!で、これからは俺からも攻撃できるようになるけど、どうする?降参する?続ける?」


 白夜がにやけ顔でそう聞くと、ヘパイストスは静かに肩で息をしていたが少しして話し出した。


「……続ける、このままは悔しい…」


 ヘパイストスが構えながらそう言うと、白夜は本当に楽しそうな笑顔で答えた。


「よし‼そうこなくっちゃなぁ‼よっしゃ、じゃぁ再開するぞ‼」


 白夜はそう言うと半身になった。それを確認したヘパイストスは構えたままゆっくりと腰を下げて行った。

 そして二人はお互いにただ隙を伺い出しだして少しした時とうとう二人は動き出した。

 最初に動いたのはヘパイストスだった。ヘパイストスは白夜の隙を探しても見つける事が出来なかったのでとりあえず攻めてみることにしたのだった。

 そしてヘパイストスは最初に白夜へと崩れた道場の破片を目くらましに蹴り飛ばした。そして次にヘパイストスはその破片の三歩程後ろを走って付いて行ったのだった。


 そして白夜はそれを見て少し深呼吸をしてから動き出した。


「すぅ~はぁ~すぅ~、っ‼」


 そして白夜は呼吸に合わせて蹴りを放った。そうするとあまりの蹴りの威力に蹴りの軌道に合わせて突風が起きた。

 そしてその突風によりヘパイストスが飛ばした床の破片は目くらましの役割を果たすことなく吹き飛ばされ、逆にその後ろに居たヘパイストスへと向かって飛んで行った。

 ヘパイストスは目くらましのために飛ばした破片の後ろに居たのが災いし、白夜が飛ばし返した破片と、白夜の起こした突風によりまともに前が見れない状態になっていた。

 白夜はその隙を逃すことなくさらに仕掛けて行った。白夜は一歩でヘパイストスとの距離を一瞬で埋めるとそのままの勢いでヘパイストスの鳩尾めがけて思いっきり殴り掛かった。


 そしてヘパイストスは何とかギリギリ白夜が殴り掛かってきているのが分かったようで何とか腕を動かして防ぐために目の前で両腕をクロスして防ごうとした。

 しかし白夜はヘパイストスが防ごうとしているのに気が付き狙いを鳩尾から顎へ狙いを変えて殴ったのだった。

 そしてヘパイストスは白夜の攻撃をまともに受けてしまい、脳を激しく揺らされ脳震盪を起こし立てなくなっていた。

 それを見て白夜は少し気遣うように屈み目線を合わせて話しかけた。


「おい、大丈夫か?今日はここまでだ良いな?」


 白夜ができるだけ優しくそう言うと、ヘパイストスは少し悔しそうにうつむきながら話し出した。


「……はい、わかりました今日はありがとうございました…」


 ヘパイストスが悔しそうにそう言うと、白夜は少し苦笑いしながら話し出した。


「まぁそこまで気にするな、次はもっと強くなっていればいいんだからさ、とりあえず今は休んで措け、見学組の所には俺が運んでやるから」


 白夜はそう言うとヘパイストスを背中に背負い見学組の方へと向かって行った。

 そして白夜の背中に居るヘパイストスは少し恥ずかしそうに顔を白夜の背中にうずめていた。


 そして白夜とヘパイストスが見学組の所に着くと、すぐに夜空達がやってきてヘパイストスを白夜の背中からひったくるように連れて行くと、看病を始めたのだった。


「ヘパちゃん大丈夫?、兄さんが加減知らずでごめんね?」


「ホントにねぇ~先輩も、女の子相手なんだからもう少し手加減してくれればいいのに‼」


「まぁ二人の気持ちもわからなくは無いけどぉーそれだと特訓の意味が無いって言うのも分かってるでしょう?、それに初日だからなのか白夜はこれでも大分手を抜いてると思うわよぉ~?」


 智理がそう言うと、さっきまで白夜に怒っていた夜空と水姫は納得できてしまったのか少し嫌そうに顔を歪めながら視線を逸らした。

 その様子を見て智理は微笑ましそうに笑いながら見ていた。


 そして白夜は夜空達にヘパイストスを半ば奪われるようにして預けた後、白夜はすぐに近くにあった台座へと手を置き壊れた道場を直して話し出した。


「さて、修理が終わった事だし次の組手始めたいから次の奴早めに来いよ!」


 白夜はそう言うと、後ろの反応を特に確認することなく一人で中央へと戻って行った。

 そしてその後ろを次の相手であるヴラドが何も言わずに付いて行った。

 そして白夜とヴラドは中央に着き向かい合うように並ぶとゆっくりと話し出した。


「さて、今回はお前が相手か一応確認だ、準備が良いな?」


 白夜がそう聞くと、ヴラドは優し気に微笑みながら答えた。


「えぇ問題ないですわ、何時でも始められますわよ」


 ヴラドがそう言うと、白夜は満足そうに頷くと話し出した。


「それじゃぁ、…始めるぞ‼」


誤字、脱字など気になる点が有りましたら教えてください。気に入ってくれた人が居たらブクマや評価よろしくお願いします。

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