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第六十話 特訓開始!一日目 (3)

また更新しました。いつも読んでくれている人も、そうでない人も最後まで楽しんでくれたら嬉しいです。


「よし!それじゃぁ……始め‼」


 白夜はそう合図を出すと後ろに飛んだ。

 それと同時に玉藻が飛び出した。それを確認した智理は冷静に観察していた。

 そして智理と玉藻の距離があと一歩のところまで来た時、玉藻は急に右に飛んだのだ。

 その突然の行動に智理は驚いたがすぐに立ち直り周りを見回して玉藻を探し始めた。

 そして玉藻はその間に智理の後ろに回り込みあと数歩の所まで迫っていた。しかしそんな距離まで近づけば智理もさすがに気が付き応戦しようと振り返ろうとしたが、そのタイミングで玉藻が急に加速したのだ。


 その事に驚き智理は体勢を崩してしまった。そして玉藻はその隙を逃すことなくスピードと自身の体重を全て乗せてパンチを放った。

 そしてそれは見事に智理の脇腹に突き刺さったように見えていた。その証拠に見学組は白夜を除いて全員が白夜の予想が外れたと思ったのか驚愕の表情をしていた。

 玉藻も自分の攻撃が完全に決まったと思っているようで口元が少し笑っていた。

 しかし全員の予想と反して智理は何事も無かったかのように立って居た。それを見て白夜を除くその場に居た全員が呆然としていた。

 そして玉藻は今ので決める気だったようで驚きながら質問した。


「なぜ?今のタイミングで無事なのですか?」


 そしてそう聞かれた智理はいたずらに成功した子供のような笑顔で答えた。


「フフフそれはねーあなたの拳が当たる瞬間に上半身を少し捻ったのよ、あなたの拳が当たる方が後ろに行くようにね?そしてそれと同時に重心を少し後ろにずらして置けば勝手に威力が死んでくれるってわけよ、分かったかしら?なら今度はこっちの番よね?」


 智理が聞くと、玉藻は諦めたように首を横に振りながら答えた。


「いいえ、今回は私の完全な負けです降参します」


 玉藻がそう言うと、白夜がつまらなそうに見学組の中から出て来て話し出した。


「はぁ~なんだよ詰まんないなぁ思ったより賢明な判断しちゃったよ、まぁ今回は降参するのは間違いじゃないから良いんだけど詰まんないなぁ、まぁいつまでこんなこと言ってても仕方ないかそれじゃぁ二人ともお疲れ様ゆっくり休んでくれ、そして三番目の夜空とラファエルは準備早くしてくれ」


 白夜がそう言うと、智理と玉藻は仲良く二人で何かしゃべりながら端の方へ移動して行ったのだった。

 そして二人と入れ替わりに夜空とラファエルが白線の所に向かって行った。

 その様子を見て白夜は満足そうに頷きながら夜空とラファエルがくるのを待っていた。

 そして夜空とラファエルはすぐに白線まで着きお互いに向かい合っていた。

 それを確認した白夜が夜空とラファエルに確認するように質問した。


「さてそれじゃぁ二人とも準備はいいな?」


 白夜がそう聞くと、夜空とラファエルはすぐに答えた。


「ん、問題ない」


「はい、私も特に問題ございません」


 夜空とラファエルの二人がそう答えると、白夜は頷き一呼吸措いてから合図を出した。


「すぅ~はぁ~、よし!それじゃぁ…始め‼」


 白夜は勢いよくそう言うと後ろに全力で飛んだ。

 それを確認してから夜空とラファエルは動き出した。お互いに適当に構えを取りながら相手の出方をうかがい出したのだ。しかし先ほどそれで閻魔とアルテミスがダメ出しをくらったばかりだったので二人はすぐに動き出した。


 まず最初に動いたのはラファエルだった一気に夜空の前まで行きそのまま右足で蹴りを放ったのだ。それに対して夜空は冷静に観察しそしてラファエルの蹴りを放った方の足の下にを滑りぬけたのだった。

 ラファエルもこのようなよけ方は予測していなかったようで少し驚いたようだったがすぐに冷静に戻り後ろに振り向こうとしたが、しかし夜空の行動はまだ終わっていなかったのだった。

 夜空は足の下を滑りぬけた後すぐに体勢を立て直して蹴りを放った直後のラファエルの軸足を蹴りはらったのだ。そのせいでラファエルは体勢を崩してしまい後ろに倒れてしまいそうになったのだった。

 そして夜空はその隙に更に追撃を加えようとしたがすぐにやめて後ろに飛んだのだった。見学組は何故せっかくのチャンスなのにそんな事をしたのか分からないと言うように首をかしげていたがその理由はすぐに判明した。


 体勢を崩していたはずのラファエルがそんな様子も見せずに普通に立っていたのだ。夜空はいち早くその事に気が付きカウンターを恐れて下がったのだった。

 そして夜空とラファエルはまた最初と同じように向かい合いお互いをけん制しだしたが、今回は先ほどよりも早く動き出した。

 今回は夜空から仕掛けるようで、夜空は左右にジグザグと動きながら猛スピードでラファエルへと迫った。

 そしてラファエルは夜空の動きをギリギリ目で追う事が出来ていた。しかし完全に反応できるかと言えば無理であった、そのためラファエルがとった行動は自分から近づく事だった。それにより夜空の動く事の出来る距離を少しでも狭めようとしたのだ。

 そして二人がお互いに向かい出したためすぐに二人はあと一歩の距離まで近づいていた。そこまで近づいた瞬間夜空が行動に出た。

 今までのジグザグな動きから一転いきなり飛び上がったのだ。そしてラファエルはいきなり飛ぶのは予想外だったようで急に止まれず飛んだ夜空の下を通り抜けてしまったのだった。

 そして夜空はラファエルが通り抜けると同時に着地してすぐに反転してラファエルの背後に迫っていた。

 しかしラファエルも通り抜けてしまった後すぐに急停止して後ろに振り向こうとしていた。しかしそれでも夜空の方が少し早くラファエルの後ろに追いついたのだった。

 そして追いついた夜空はラファエルの背中に向けて肘を振り下ろした。そしてラファエルはよける事を諦めて少しでもダメージを減らすために前に自分から倒れこんだのだった。

 

その様子を見ていた白夜達見学組は少し驚いて様な表情をしていた。白夜も夜空はともかくラファエルがここまでやるとは思っていなかったのだ、そのためすぐにとはいかなくてもそこそこ早く終わると思っていたのである。しかし始まってみれば二人の模擬戦はまだ終わっておらずまだ二人とも戦えそうなのである、その事に白夜は驚くと同時に何か嬉しそうに笑っていたのだった。

 そしてその白夜の表情を見た、いや見てしまった水姫と智理は夜空とラファエルに向けて手を合わせて何故か祈っていた。二人がこの後無事でありますようにと。


 そして白夜達がそんな事になっている中で夜空とラファエルの組手はまだ終わっていなかった。

 夜空は肘打ちをラファエルの背中に打った後すぐにその場から後ろに飛び倒れているラファエルの様子を慎重に観察していた。

 そしてラファエルは夜空が離れてこちらを観察しているのを視線から感じていた。そのためラファエルは動かずにそのままやられたふりをしていたのだ。しかし少ししてこれが無意味であることにラファエルは気が付いたのだった、何故ならやられているはずなのに白夜が止めに来ない時点でその相手はやられていないと言う事になる、そのためやられたふりをやめて立ち上がったのだった。

 その様子を見て夜空は少し呆れたようなしぐさをしていたが、すぐに元に戻って構え直した。

 それに習うようにラファエルも構え直したが、そのタイミングで白夜が二人の間にいきなり現れ話し出した。


「あぁ~盛り上がってるところ悪いんだけど、制限時間の二十分が経っちゃったのでおしまいです」


 白夜が少し申し訳なさそうにそう言うと、夜空とラファエルは少しの間呆然としていたがすぐに疲れたように笑いだしたのだった。

 その様子に白夜は少し驚いたが少し深呼吸した後に話し出した。


「すぅ~はぁ~よし!、さてと次は誰だっけ?」


 白夜はそう言うと自分のポケットをあさって順番を書いた紙を取り出して確認してから話し出した。


「え~っと次は~、ヘパイストスと…ティターニアだな準備してくれ」


 白夜がそう言うとヘパイストスとティターニアは無言で頷いてすぐに白線まで行き向かい合う形で待機した。

 それを確認した白夜は確認のため話し出した。


「え~では一応聴くけど二人とも問題ないよな?」


 白夜がそう言うと、ヘパイストスとティターニアはすぐに答えた。


「……問題ない」


「私も大丈夫ですよ?」


 そうヘパイストスとティターニアが言うと、白夜は満足そうに頷いた後話し出した。


「それじゃぁ……始め‼」


誤字、脱字など気になる点が有りましたら教えてください。気に入ってくれた人が居たらブクマや評価よろしくお願いします。

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