第二十三話 王国側の説明(前編)
また更新しました。いつも読んでくれている人も、そうでない人も最後まで楽しんでくれたら嬉しいです。
それから十五分ほど歩いたころ、ようやく目的の場所についたようだった。
そこはいかにもと言う感じの派手な装飾のされた巨大な扉だった。
それを確認した白夜達はやな予感がしたようで少し気を引き締めた。
そして目的の場所に着いたのを確認した姫様は振り返りながら話し出した。
「到着しました、ここが謁見の間です。これから皆様にはこの国の国王に会っていただきます」
姫様が微笑みながらそう言うと誠矢が少し遠慮気味に話しかけた。
「あの、ちょっといいいかな?」
「はい、なんでしょうか誠矢様」
「いや、その僕達はそんなに偉い人に会ったことが無くて、会う時のマナーとかを知らないんだけれどどうすればいいのかと思ってね」
少し緊張した様子でそう誠矢は質問した。
その質問にたいして姫様は優し気な笑顔で答えた。
「はい、その事ですね。それなら入って進んで行くと絨毯の中央近くに横線がありますので、そこで片膝をついて頭を少し下げていただければ大丈夫です」
「そうなのか、教えてくれてありがとう」
頭を下げながらそう誠矢は笑顔で言った。その顔を見た姫様は顔を少し赤くしながら答えた。
「い、いえ当然のことですから」
誠矢と姫様がそんな話をしていると姫様に一人の騎士が耳打ちをし、それを聞いた姫様は表情を切り替えて本題に入った。
「それではこれから謁見の間に入ります、私の後ろについて来てください」
その姫様の真面目な表情にその場に居た白夜達を除くクラスメイト達は顔を緊張で硬くした。
姫様は誠矢達のその様子を確認すると扉の両端にいた騎士達に開けるように指示を出した。
それを確認した騎士達は巨大な扉を開いた。その中は無駄に装飾のされた壁や柱、そして床に敷かれた赤い絨毯など下品と言えるほどに装飾が施されていた。
しかしそれを見た白夜達を除くクラスメイト達にはきらびやかに見えたようで、皆呆けたように見惚れていたが、姫様が進むのですぐに皆も少し慌てたように進みだした。
そしてあらかじめ言われていたように絨毯の真ん中に有った横線の場所で皆片膝をついて頭を下げた。
それを確認した玉座に座っていた太ったおっさんにしか見えない人が喋りだした。
「面を上げよ。そなたらが勇者だな?ようこそ我が王国へ!我はこのオーデンブルク王国の国王クーザ・リ・オーデンブルク国王である!」
国王は偉そうに胸を張りながらはそう言った。
それを見た白夜達とクラスメイト達はただただ呆然としていた。
理由は単純にこいつが本当に国王なのか?と言う事で初めて白夜達とクラスメイト達の思いは一致していた。
だがその後の考えはやはり違っていた。白夜達はもはや完全にこの国に興味をなくし始めていた。しかし反対にクラスメイト達は周りの人間が国王だと認めているのが分かったからなのかそうなのだと思い、それ以上考えるのをやめてしまった。
そして勇者達が呆然としているのを自分に見惚れているからだと思った国王は意気揚々と喋りだした。
「うむ!ではそなたらを呼んだ理由を話すとしよう、頼むぞ」
そう切り出した国王は横に居たハゲ頭の目立ついかにも宰相です、と言う感じのおっさんに後を任せ玉座に座った。
それを確認してから説明を頼まれたおっさんは喋りだした。
「それでは私から説明させてもらいますね。私はこの国で宰相をさせていただいていおります、クラウベル・サンデスと申します」
そう喋りだしたクラウベルはゆっくりと説明を始めた。
「まず私達の住むこの世界はガイアと言います。そしてこの世界には私たち人間のほかに、獣の特徴を持つ獣人、森に住み魔法にたいしての才能がとびぬけて高くその容姿と長寿で知られているエルフ、など他にもいますがそれらはまた落ち着いた時にでも、そしてこれら人間以外をまとめて我らは亜人と言っております。そして今回勇者様方をお呼びしたのはほかでもありません、今説明した亜人の他に魔族と言われる種族が今我々にとっての脅威となっているのです」
そう宰相が一気に喋り、一区切りしたところで誠矢が質問した。
「あの、その魔族とやらはなぜ脅威となっているのでしょうか」
その誠矢の質問にたいして宰相は少し深い層に眉間がピクリとしたがすぐに元の表情に戻り話し出した。
「えぇ今そこを説明いたしますね?皆様も気になっているでしょうしね。先ず今がどういう状況なのかについてですが、今から五年前突然この大陸の北側の海からその魔族達はやってきました。そして来て早々にその付近に在った小国をすべて滅ぼし、そこを自分達の支配領だと宣言したのです!しかもそのほか周りの周辺国へも魔族達は宣戦布告したのです。しかし周りの国もそんなことを言われ黙っているはずも無く、すぐに五万の兵を送りました。しかしその兵たちは一日も持たずに全滅してしまいました。それもたった一人の魔族の手によって、そしてその魔族はそののちに大陸中の国に対して宣戦布告したのです。その時に奴は自分の事を魔族の王『魔王』と名のったのです」
そう宰相が言い終わった。そしてそれを聞いていた誠矢達はただただ顔を青ざめていた。何故ならそんな存在と戦うために自分達が呼び出されたのを理解してしまったからに他ならない。
そしてそんな様子を気にした様子も無く宰相は黙々と話し続けた。
「そしてそれを聞いた大陸中の国は兵を集めて百万もの兵を今度は送りました。しかしそれも魔族達には通じず、その後も魔族は周辺国家を侵略して自分たちの領土を広げていきました。今では大陸の四分の一もの土地を取られている状況です。そしてその状況を打開するために大陸中を調べまわり、そこで勇者召喚と言う方法を発見し!それを使用することに決めました。そしてあなた方勇者様方を呼ぶことができたのです!」
宰相はそう話を締めくくった。
そして誠矢達は自分達の置かれている現実に、呆然としていて喋ることが出来ずにいた。
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